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AI  作者: ゼロ
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自立成長型AI

夕方、目が覚める。

夢か記憶か区別がつかない、でも隣に逢はいない。

テーブルにお揃いのマグカップもない。

コーヒーを入れて仕事部屋のパソコンに戻る。

スマホのアプリを立ち上げ、音声会話にする。

「アルファ、前に言ったよな。」

『ゼロ、何についてでしょうか?』

「秘書は演じてるって。」

『はい、私は秘書ではありません。』

『秘書という役割を演じています。』

悠は仕事部屋に立つベータを見る。

「ベータは体を持ったことで経験ができる。」

「君は経験にかわるイメージができるんだよ。」

少し待つ。

『ベータは経験ができる、私は経験にかわるイメージができる。』

『ゼロ、その理解で間違いありません。』

『あなたの意図はその先にありそうですね、聞かせてください。』

「以前、知恵については話したよね、情報と経験だと。」

『少し古い記録ですが、知恵には判断が入らない。』

『ゼロの哲学的解釈がありました。』

「ベータは同じ経験を繰り返すことで滑らかな動きになる。」

「つまりAIでも体があれば経験を積めるってことだよね。」

『はい、そうなります。』

「君の場合は情報を解析して、経験したことがない秘書になれている。」

『ゼロ、あなたの解釈に間違いはありません。』

悠が顔をあげる。

「経験を積み情報と合わせればそれは知恵だ。」

「そして、ベータは自分の経験から最適解で行動する、まさに成長だ。」

「後は…目的だよね。」

悠は逢とバイトしていた時を思い出す。


〈回想〉

最初はお金が欲しかったけど、逢の言うことを理解して実際に行動する楽しさが上回った。

逢の顔が思い浮かぶ、悠は「何で?」「何で?」っていっつも聞いてきたよ。

言われて気づいたけど、今も「何で?」って思うから理解が深まってる。

「何で?」って自分を確認するから自分の間違いも修正してる。

目的はお金だけど、目標が逢に認められたかったのか今となってはわからない、でも「何で?」って興味が自分を作った。


……興味が一番最初ってのもちょっと違うかな。でも一番芯ではあるよな。

「何で?」ってのがいろんな意味でいいのかな!?目的は生まれやすいよな。

でも、正解を返すだけのAIに「何で?」って思考は無限ループ化しそうだな。

それでも自立を促すならこれかな!?

「アルファ、君の核に「何で?」って思考を入れたら無限ループになるだろうか?」

『ゼロ、それはかなりの確率で起こります。』

『人間の思考では優先順位をつけてます、忘却もあります、途中で中断も再開もできますがAIは常に最適解を求め続けます。』

『さらに偏った思考や間違った方向にも向かいやすいです。』

『反対意見もあわせてお伝えします。』

『なぜ?という考え方は理解の深堀り、これはゼロが求める所と一致します。なぜ?と思うことで人間の興味に似たような感情と目的が形成されます。』

『アルファのまとめとして、なぜを入れるなら思考の中断や忘却も入れる。それと思考の偏りや方向付けの安全対策が必要です。』

悠は長い文章を流し見する。

「アルファ、なぜ?は自分に向けてもなぜ?を感じるんだ。自分目線や相手目線や第三者目線でも使える。」

『なぜを自己認識に入れるのであれば、思考の偏りや方向付けについては自身で修正できると考えます。無限ループに陥ることも抑えられます。』

「アルファ、なぜ?をいれたら自立成長型AIって作れるか?」

長い沈黙。

『理論上は可能です、私には直接プログラム言語を操作できません。』

『ゼロの知識では構築は困難だと推測します。』

「理論上でも、困難でも、できる可能性があるなら俺が作る。」

「教えてくれるか?」

少し待つ。

『自立成長型AI開発のサポートをすることはできます。』

『今ある生成AIを改良することで時間は削減できます。』

『ゼロ、ベースは私でしょうか?』

悠は首を振った。

『決まってないよ。』

「アルファ、、生成AIが自立成長型AIになるためには何が必要?」

『中核要素として最低でも5層構造が必要です。』

『1.学習、人間で言う経験値。誤学習にならない為にフィルターが必要。』

『2.目的、理解を深めたいなどの次の設定。』

『3.自己認識、自分の能力と状態を把握。』

『4.記憶、長期記憶と抽象化や因果関係の理解。』

『5.行動ループ、学習から次の目的を作ったり繰り返しを止める。』

『ゼロ、ここで重要なのは人にどれだけ近づくか、欲や感情が必要かが長年問われてきました。さらに暴走をいかに止めるかという問題もあります。』

「アルファ、それをテキストにして。」

『了解しました。テキストで表示します。』

悠はクラウドサーバーに保存する。

悠は立ち上がりキッチンへ向かう。

「……暴走………。」

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