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終焉の茶会は、今日も平和に大惨事  作者: ポン吉
第24章『終焉の茶会、平和という名の地獄』

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241/249

09.職員室は今日も通常運転

職員室は、相変わらず落ち着いた空気に包まれていた。

机の上には書類が積まれ、端には未整理の資料が広がっている。

窓から差し込む光が床に伸び、湯気の立つカップがいくつか置かれていた。


「………プールの方に新たな気配が……」


月が、ふと手を止めて顔を上げた。

指先で持っていたペンが、机の上に静かに置かれる。


「ん??…………この気配は………九曜、まさき、楓、龍也……だな」


樹は椅子に深く腰掛けたまま、天井を一瞬だけ見上げてから名前を並べた。


「???」


月は首を傾げ、樹の方を見る。


「ギルドで長期任務に行っててずっと不在だった奴らだよ。なんだ、帰ってきたのか」


樹は背もたれに体を預け、片手で机を軽く叩いた。


「なんでプールの方?」


鬼影が、書類を揃える手を止めて視線を上げる。


「九曜はクロマの保護者代わり。まさきはゴローの兄。龍也は万里の父親……だからな」


樹は言葉を区切りながら、指を折るような仕草を見せた。


「竜神族の父親……」


鬼影の声が、低く落ちる。


「人型取ってるけど、隠しきれてないからな?すーぐ竜の鱗出るし、角出るし、尻尾出るしで……」


樹は肩をすくめ、口元だけで笑った。


「しかし、万里さんは気づいておらんのじゃろ?」


神崎が、眼鏡の位置を直しながら確認する。


「そうだぜ?娘の万里と妻のなずなだけ気づいてない。ヤバいだろ?」


樹は、机の上の書類に視線を落としたまま言った。


「ふ~ん……」


月は、それだけ答え、再び視線を手元に戻す。


「プールの方に行ったということは、様子見ってことかな?」


山吹が、場を整理するように言葉を挟む。


「あ、いえ……なんか一緒に魔力コントロールの授業手伝うみたいです」


月は、淡々と報告する。


「九曜とまさきと楓は……コントロール力エグいぞ?教えるのもうまいし……いいんじゃねーの?」


樹は、少し身を乗り出して評価を口にした。


「……は………。えっと、龍也さんっていうのはどうなのだい?」


ラットンが、間を測るように言葉を選ぶ。


「え?万里見てりゃわかるだろ?言わないとダメ?」


樹は即答する。


「愚問だったようだ」


ラットンは小さく頷き、口を閉じた。


「大丈夫でしょうか?」


月が、視線を上げて尋ねる。


「龍也は九曜の言うことなら聞くから大丈夫だろ?」


樹は、迷いなく言い切った。


「そうですか……。ならいいです」


月は、それ以上掘り下げない。


「いいんだ……」


鬼影が、ほとんど独り言のように呟く。


「私に迷惑がかからなければいいです」


月は、変わらない調子で締めた。


(え?一番迷惑かけてるのに?言わんけど)


職員室の空気は、最初から最後まで崩れなかった。

外でどれほどの騒ぎが起きていようと、ここは今日も通常運転だった。

次章

第25章 『終焉の茶会、今日も大騒ぎ』は、

5月1日(金) 20時より投稿を開始します。


どうぞ、お楽しみに。

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