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終焉の茶会は、今日も平和に大惨事  作者: ポン吉
第3章『終焉の茶会、日々是再建のこと』

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07. 満たされぬものを探して

新居に腰を落ち着けて、数日が経った。

ある日、月はギルドの軒先で、湯気の立つ湯のみを手に外を眺めていた。



(家ができて、生活が安定した。でも……)



目に映る風景は静かで穏やかだったが、心のどこかにわずかな空白が残っていた。

何かが欠けている。そんな感覚が拭えなかった。



(……まだ何かが足りない気がする)



思索のまま、足は自然と教会のほうへ向いていた。


再び訪れた教会では、子どもたちが元気に駆け回っていた。

だが、よく見るとその動きには活気がなく、笑顔の裏に疲れがにじんでいる。


シスターとの会話の中で、最近は食べ盛りの子が多く、食材が足りていないという現状が明かされた。


月は目を細め、教会内を見渡す。

調理場の棚は空に近く、あるのは数種類の保存食だけ。



(住む場所はある。でも、食べるものが足りないんだ)



月は小さくつぶやいた。



「畑を作るのもいいけど……ダンジョンを作って、そこで食べ物が取れるようにすればいいじゃない!」



ぽろりと出たその言葉に、自分でも少し笑ってしまう。



「……だったら、供給源を作ればいい」



視線は、ギルド裏の空き地へ向かっていた。



「次に作るのは……そう。ダンジョンだね」



その声には、静かな覚悟がにじんでいた。

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