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終焉の茶会は、今日も平和に大惨事  作者: ポン吉
第3章『終焉の茶会、日々是再建のこと』

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05. 教会のかたち、祈りのちがい

数日が経ち、ギルドには落ち着いた空気が戻っていた。

カウンターでは仮営業が始まり、街の人々がちらほらと出入りしている。

ゴローは外壁の修理を手伝い、ラミリスは装飾を整えていた。


「今日は、ひとりで出かけてきますね」

月はそう言って、ギルドを後にする。



焼け跡、再建中の家、子どもたちの姿。

木材を運ぶ大人たちの声。

広場では、笑いながら走り回る子どもたち。



(……少しずつ、戻ってきてる)



ふと、目に留まったのは街の外れの白い建物。

その意匠に、月の身体がぴたりと止まった。



(……聖教会? どうして、こんな場所に……)



中から聞こえる、子どもたちの笑い声。

戸口に立つと、シスターが笑顔で迎える。



「旅の方ですか? よければ、お茶でも」



迷いながらも、月は中に入った。



「お姉ちゃん、どこから来たの?」

「その首輪なに?」

「かわいい〜!」



子どもたちの無邪気な声に、月は少し戸惑いながらも笑顔で答える。



「ここ……教会、なんですね」

「ええ。名前だけですけどね」


「私は神様より、人の心を信じてます」

「子どもたちが笑えるなら、それがいちばん」



月は、そっと頷いた。


夕焼けの空の下、子どもたちに手を振られながら、月はギルドへの帰路につく。



(まだまだ、やることはある)

(この街を、もっとよくしたい)


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