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社畜が転生したら竜種の王になっていた  作者: 社畜大根
竜王奇譚
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終末に抗う者

「これが…ユダのコアか…意外に小さいな」


霧に隠れながらユダに辿り付いたクリルは胸部外装に達すると、コアと思われる真紅の宝玉に手を触れる、しかし次の瞬間、突如としてクリルの意識が消える、


ーーーユダコア、終煌の宝玉内部、縛魂の牢獄ーーー


「…ここ…は?」


「ユダのコア…その内部だ」


「…お前は…天使みたいだが………随分と雰囲気が違うな」


「私か…?他の天使の様に感情を否定しない分違う様に見えるのだろうな」


「と、言うことはルシフェルか?」


「ふむ…何故私の名前を知っている…?私は貴様に会ったことは無いが」


「ヴェンデル…あー、部下に頼んで禁書庫の文献を漁ってもらってな、お前の名前や、お前が使徒のコアになる経緯は大体教えてもらった、」


「そうか……ならば私に話があるのでは無いか?コアの内部にまで入り込んで来る程の事が」


「…話が早くて助かる、ユダを止めてくれ」


「ユダを止める…か…言うは安いが私は何も出来ないぞ…長い間肉体を無くしたことによって依代となるものが無ければコアから出ても直ぐに消滅する」


「依代?」


「…何でもいい、魔族以外の種族の力の込められた塊、塊は器、器は入れ物に応じて姿形、性質を変えるからな、土塊でも構わない」


「用意出来ないこともないぞ…しかし…良いのか?神に背く事になるが」


「構わない、彼女の居た世界……この世界を…彼女の魂が再び訪れるのを待つ」


「分かった……」


「それに、同胞も居る」


「同胞…?」


「気付いていないのか?貴様が来る前から居るが…ウリエル、ラファエル」


「え?後ろ?…うわ!本当だ!!」


クリルの後ろに、2人の大天使の魂が立っていた、ハープを持ち、柔らかな笑みを浮かべた柔和な雰囲気の女性と、大剣を持った気の強そうな女性…


「解放しておいて今更か…全く…魂を呼び出すなら依代を用意しとくのは初歩だろう」


「まぁまぁウリエル…?この人、ガブリエルの助言で行ったそうよ…?」


「あいつ…肝心な所を端折ったな…危うく消滅する所だったぞ」


「まぁでも近くにルシフェルさんがいて助かりましたね、コアに押し入れましたし♪」


「何でラファエルはそんな落ち着いてんだよ!」


「あの時とおんなじだよ?結果おーらい」


「エデンの時とは違うだろ…あの時はただの天使が相手だった、」


「ふふふ…過ぎたことは気にしなーい」


「ラファエル、ウリエル…話を切る様で悪いが…ユダを止める助力を願えないだろうか…?」


「何を言う…余り馬鹿な真似を言うな」


「ええ、私達を愚弄してる…?」


「……そうか…」


「「言われる前に手を探している(わ)」」


「……!」


「部下達が生命を礎にしてまで護ったこの世界…易々と壊させはしないさ」


「はい♪」


「……ありがとう」


「気味悪いな…ルシフェルから頭を下げられると…」


「天界にいた頃はいつも無表情で任務の事しか頭に無さそうでしたからね」


「お前達もだ…」


ルシフェルが言葉を続けようとした、次の瞬間


「ォォォォォオォォオォォオォォォォオォォオォォ!!」


「時間がない様だな…貴様、名前は?」


「私か?私はクリル、今ユダが居る…竜域の王だ」


「そうか…ではクリルと呼ぼう、クリル、準備は良いか?」


「ああ、依代も準備出来る」


「では始めよう、終末に抗う…生命の最も輝く瞬間を」

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