第8話 死んだ?俺が?
…………えーと、こいつ今何言った?とんでもない事をサラリと言わなかったか?よーく思い出してみよう……
確か“そりゃもちろん、死んだからじゃ”だったかな?
「…………」
俺はピシリと一瞬固まり、すぐに爺さんの両肩を掴んだ。
「すまん、俺の耳が一瞬おかしくなったらしくて、俺が死んだとか聞こえたんだが……もう一度言ってくれるか?」
自称・神様がヒッと喉を鳴らした気がするが、気のせいとすることにして俺はニコニコと詰め寄る。
爺さんは顔を真っ青にしてガクブル震えながら
「だ、だからお主が死んだと……」
今にも消え入りそうな声で言う。
「ハハハハ、そうか、俺は死んだのか。死んだらどうしようもない。ウン、仕方がない」
俺はウンウンと頭をふる。
爺さんは胸をなでおろす。
そして俺は息を大きく吸い込み
「とでも本気で言うと思ったのか、ボケ!!!何がお主が死んだ、だ!!そんなんで納得できる訳ねーだろうが!!
だいたい、ゲーム買ったばかりだったんだぞ!!プレイしてねーんだぞ!!それなのに、それなのに!!」
ったく。
爺さんが先程とは比べ物にならない様子で震え始めた。
「…………す……」
「す?」
「すみませんでしたあ!!」
「……は?」
「わしが、わしが殺してしもうたんじゃぁ〜」
そう言って爺さんがおいおい泣きはじめた。
「お、おい」
「わしは愚か者じゃ〜、大馬鹿者じゃ〜、クズ虫じゃ〜」
なかなか泣き止みそうにない。
どうしたものか……。
とりあえず俺は爺さんが落ち着くまで、座布団の上に座って待つことにした。
自称・神(笑)泣きましたね。次話ではうるさいですよ、この神。
第9話もお楽しみに!