第6話 雲の上に畳ってどう思う?
題名、そのままの意味です。
皆さんは雲の上に畳があって、自分がその上にいたら何をしますか?
ボクは鈴音と同じことをすると思います。
ふと、俺の意識が覚醒した。目を少し開けると、目に鋭い光が刺さった。
「まぶしっっ!!」
ずっと目を閉じてたからだろうか。思わず目を強く閉じる。
目が明るさになれるまでこのままでいよう。
ここはどこだろう。頭に白い何かがぶつかってきたのは覚えている。だが、その後の記憶がない。気絶したのか?……まあいい。それよりもここは何処か把握しなければ。
俺は資格以外の感覚を研ぎ澄ませた。
……音はしない。そしてなぜだか畳の匂いがする。このことから少なくとも病院じゃ無いことは分かった。他にも暖かなポカポカとした空気が俺を包み込んでいる。体が沈み込む感じや、手の感触からして、布団に寝かされているんだと思う。
また、浮遊感が……ん?浮遊感?
俺はガバッと起き上がり、まだしばしばする目であたりを見回す。
「え……」
そこは確かに畳の上だった。でも、俺が驚いたのはそこじゃない。
白いなにかの上に、俺がいる8畳の畳が乗っている。その白い何かは上下、左右、前後にフワフワ揺れている。
「……雲、か?」
あたり一面、その白いものしか見えない。
…………分かった、夢だ。
俺は好奇心で片足を雲だと思われるものに突っ込んでみた。……何もなかった。反発すらなかった。面白くない。夢のくせにっ!
俺は口をへの字に曲げ、畳の上を見た。そこにはちゃぶ台があった。年期のありそうな和箪笥や座布団も置いてある。ちなみに襖もある。意味もなくある。壁がないのに。襖からでなくとも、全方向から入れるのに意味なくある。意味がわからん。
もう一度外を見る。やっぱり真っ白だ。なんか綺麗で幻想的な光景で、俺の意識がこの雲の見えない果てに吸い込まれそうになる。
もう1話位投稿しようと思います。よろしくお願いします!