第322話 共同戦線の締結とさ迷う者達
作者_(:3)∠)_「東京から帰ってまいりました」
ヘルニー_(┐「ε;)_「イベントでは熱中症対策に帽子、手ぬぐい、空調服、鞄の裏側と空調服の内側にジップロックで二↓保冷剤を入れてファンがかき回す空気の冷却。ペットボトル4本で内2本は冷凍、腰と鞄のベルトにそれぞれクーリッシュ入りのポーチを連結して見た目はラ〇ボーかコマ〇ドー状態」
ヘイフィー|^・ω・)/「塩飴も必須ですよー」
作者_:(´д`」∠):_「会場から数駅離れたホテル付近のコンビニでも冷凍ペットボトルが売切れ続出しててヤバかったねぇ」
ヘルニー\(・ω・)/「そして帰って来たら徹底的なうがい、手洗い、シャワーを忘れずにね!!」
いつも応援、誤字脱字のご指摘を頂きありがとうございます!
皆さんの声援が作者の励みとなっております!
「さっき話した最初に依頼を受けた奴ってのは、ロディの事なんだ。もっとも、今は子供になっちまってるがな」
「ええーーーーっっっ!?」
ラミーズさんからもたらされた情報は、なんとロディさんがリリエラさん達と同じように子供になってしまったという衝撃的な内容だった。
「そんなまさか、ロディさんが!?」
Sランク冒険者のロディさんまで!?
「依頼主も驚いたらしいぜ。まさかSランク冒険者がそんな事になっちまったんだからな。そんな事になった以上、冒険者ギルドも追加の冒険者を出すしかねぇんだが、Sランク冒険者が失敗したとあっちゃ、それよりランクが下のAランクやBランクを出しても意味がねぇ。で、同じSランクで魔法の専門家である俺に依頼をしてきたって訳だ」
「そうだったんですか……」
うーん、この事件、僕が思っているよりもよほど危険な案件かもしれないぞ。
リリエラさん達よりもランクの高い冒険者であるロディさんがなすすべもなく子供になってしまうなんて、一体どれだけ強力な魔法が込められていたんだ……
僕が無事だったのは、本当に運が良かったからなんだろうね。
そう考えると、超一流の魔法使いであるラミーズさんが依頼を受けてくれたのは僕にとっても運が良かったと言える。
「それで、ロディさんは大丈夫なんですか?」
リリエラさん達は子供になっただけだけど、ロディさんはまた違う可能性もある。
「ああ、それに関しちゃ心配はいらない。今はロディの仲間達が世話しているからな」
「ロディさんの仲間の人達ですか?」
確かロディさんの仲間って言えば全員が女性冒険者だったっけ。
彼女達はSランクでこそないものの、全員がAランク相当の冒険者だった筈。
「その人達は子供にならなかったんですか」
「ああ、子供になったのはロディだけらしい」
うーん、子供になるのは一体どういう基準なんだろう?
魔力の多寡かとも思ったんだけど、それならロディさんの仲間の戦士も一緒に子供になるよね?
「連中、寧ろ喜んでいたよ」
え? 喜んで? どういう事?
「何でですか?」
「まぁあれだ。アイツのパーティは女ばかりだろ? だがロディの奴は知ってか知らずか冒険の事ばかりだ。となると色々と内に溜め込むこともある訳でな。で、そんなところに子供になったロディが現れたらな」
ラミーズさんが肩をすくめて苦笑する。
「小さくなったロディを自分との子供に見立てているんだろうな。そりゃあもう可愛がってるらしいぜ。まぁ見かけてもそっとしておいてやれ」
「そ、そうですか……」
成程、冒険者の男女が長くパーティを組むと、そう言う事も起こるんだね。
まぁ、僕とリリエラさんはそういう関係じゃないから、心配はいらないけど。
しかし他の人達も同じような被害に遭っていただなんて、これは予想以上に重大な事態になってるのかもしれない。
「でも何で人を子供にするマジックアイテムなんて作ったんでしょうね」
正直これを作った人間の意図が掴めないんだよね。
「分からん。考えられるのは若返りを目論む老人が作らせたとかだが……」
ああ、若返りや不老不死はいつの時代も権力者が望むものだからね。
「だが件のマジックアイテム自体は店で売っていた物を購入したものらしく、そんな効果があるとは店の人間も知らなかったらしい」
そこも僕達の時と同じだね。
「仮に能力を知っていて悪用するとしたら、重要人物を子供にする事で指揮系統を麻痺させるとかだが……」
「それなら狙っている本人に直接売りに行きますよね。僕達の場合はそもそもただの冒険者ですし」
「そうなんだ。被害を受けたのも依頼主の……肉親でな。特に何か役職に就いているという訳じゃない」
ラミーズさんが一瞬被害者の素性で口ごもったのは、依頼主の情報を秘匿する為だろうね。
冒険者たる者、肝心な部分では口が堅くないと。
「それでなんだがな、大物喰らい」
と、ラミーズさんが真剣な顔で僕を見てくる。
「目的が一緒なら、手を組まないか? 正直未知の遺跡を一人で探索するというのは危険が大きすぎる」
ラミーズさんの提案は、僕の予想通りのものだった。
「ラミーズさんなら大歓迎ですよ」
「そう言ってもらえると助かる」
寧ろ助かったのは僕の方だよ! 何せラミーズさんは本物のSランク冒険者なんだからね!
しかも魔法知識のエキスパートだから、この状況では物凄く頼りになるよ!
僕も多少は魔法に自信があるけど、前世以降の魔法技術の隆盛は詳しくない。
だから専門家の知識があるとないとじゃ大違いなんだ。
僕とラミーズさんはガッシリと手を組んで共同戦線を組む事を受け入れあったんだ。
◆ジャイロ◆
おう、おれジャイロ!!
魔人ってすっげーカッコいい角を付けたおっさんと出会ったオレ達は、ミナのねーちゃん達の所に帰る最中だぜ!
正直帰り道が分かんなくなって困ってたんだけど、レクスの兄ちゃんのペットのモフ……モコ? 何か白くて丸い奴が分かるみたいだからそいつについて行ってるんだ!
「よろしく頼むぜモフモコ!」
「キュ!?」
「もー、モコモコちゃんだよー」
「モフモフ……」
「ええい、どれなんだ!!」
別に名前なんてどれでもいいんじゃね?
それよりも、しょーじき飽きてきたんだよな。
だってここ、ずーっと同じような道でさ、暗くて周りもよくみえねぇし、つまんねぇんだよ。
「あー、さっきみたいにゴーレムでてこねぇかなぁ」
そしたらオレの魔法でかれいに倒してやるのによ!
そんな事を思ってたら、前のほうから何かがやってきた。
「おっ、ゴーレムか!?」
期待通り、やってきたのはゴーレムだった。
「ねぇ、アレおっきくない?」
リリエラの言う通り、ゴーレムは前に見たヤツよりもデカい!!
なんか頭がデカくてキラキラ光ってるところがあんな。
「よーっし、俺にまかせろ!!」
オレの魔法が火をふくぜ!!
「待て、アレは巡回型警備ゴーレムだ。 手を出さなければ何も……」
「くらえ! ジャイロウルトラファイヤー!!」
せんてひっしょう! オレはゴーレムが攻撃してくる前に魔法をぶっ放す。
「あーっ! ズルい! 今度はわたしが攻撃したかったのにー!」
オレに続いてリリエラも魔法をぶっぱなす。
「うわぁーっ!! 待て待て待て!!」
魔人のおっさんがやたらとあわててるけど、ぶっ倒しちまえばもんくねぇだろ!
俺の魔法はゴーレムに命中すると、そのまま後ろまでぶっ飛ばす。更にリリエラの魔法が追い打ちをかけた。
よーっし、楽勝!! と思ったんだけど……
「ギゴゴ……」
「え? マジかよ!?」
完璧に倒したと思ったゴーレムが起きあがりやがったんだ。
「ちっ、タフなやろうだぜ!」
けどそうでなくっちゃな! 弱い者いじめなんてしても面白くねぇ!
「さぁ、かかってきやがれ!」
「アホか! 急いで止めを刺せ!!」
「おいおい、何ビビッてんだよおっさん。アイツいまにも倒れそうなんだぜ」
オレ達の攻撃に耐えたのはなかなかのもんだが、よく見るとゴーレムはもうボロボロだ。
このまま放っておけば、反撃出来ずに倒れちまうんじゃねぇかな?
そんな奴においうちするのはオレのポリシーに反するぜ!
「そんな事言っとる場合か! 急がんとっ!」
何か知らねぇけど、魔人のおっさんはやたらと慌てたようすでゴーレムに魔法を……って、なんだよその魔法! 黒くてめちゃくちゃカッコいいじゃねぇか!!
おっさんのめちゃくちゃカッコいい魔法がゴーレムをぶっ飛ばす直前、
「ビィービィーッッッ!!」
突然ゴーレムの目がバッと光ったと思ったら、クソうるせぇ鳴き声を上げたんだ。
「うわっ、うるせぇ!!」
けどすぐに魔人のオッサンの魔法が当たってゴーレムをぶっとばす。
「あー、うるさかった」
いきなり鳴きだしてビックリしたけど、魔人のおっさんの魔法で大勝利だな!
「いやー、カッコ良かったぜ魔人のおっさん! なぁなぁ、さっきの魔法おれにも教えてくれよ!!」
真っ黒な炎の魔法とか、ちょーカッコイイぜ!!
俺もあんなのを使えたら、こくえんのジャイロとか言われて皆からいちもくおかれるぜ!!
「……なんという事だ」
けど、なんでか魔人のおっさんは勝ったのに嬉しそうじゃなかったんだ。なんでだ?
「どうしたんだよおっさん。ちょっと頑丈だったけど、勝てたぞ?」
「馬鹿者! コイツは仲間を呼んだのだ!!」
「仲間?」
仲間をよんだ? それってもしかしてさっきの鳴き声の事か?
「それだけではない、コイツはやはり指揮官型の巡回警備ゴーレムだ。こちらから攻撃を仕掛けた事で我々を犯罪者として認識された」
え? オレ達が犯罪者? じょーだんじゃねぇよ!
「先ほどゴーレムの頭が光っただろう。見ろ、コレだ……ってあれ?」
「キラキラ、宝石じゃないけどお宝っぽい」
壊れたゴーレムを指差したおっさんの先には、ゴーレムの頭からキラキラした部品をはぎ取ってるメグリのすがたがあったんだ。
「って、剥ぎ取るなぁーっ!!」
メグリは金貨とか銀貨とか宝石とかキラキラしたものが好きだからなぁ。
「と、とにかくこのゴーレムは頭部の記録装置で我々の姿を記録して、犯罪者として施設の防衛装置に登録してしまったのだ! このままでは我々を捕らえる為に遺跡中のゴーレムがここに殺到してくるぞ!!」
ぼうえい? そうち? よく分かんねぇけどヤバそうだ!
それにオレ達を捕まえにくるって……
「げぇー! ヤベェじゃん!!」
「だからそう言っている!!」
「ど、どうすりゃいいんだよ!?」
やっべぇ、オレ達牢屋に入れられちまうの!?
「管理室に行って警報を解除するしかあるまい! そこで我々の情報を削除すれば、何とか成る筈だ!!」
おお! さすが魔人のおっさん! 何とかできるんだな!
「おじさんにそんな事できるの?」
「おじさん言うな! ……」
メグリの質問に魔人のおっさんが一瞬黙る。だ、大丈夫だよな!?
「お、俺の仲間と合流すれば装置を操作して貰えるはずだ!! とにかく急いでここから逃げるぞ!!」
「「「お、おおーっ!!」」」
オレ達が走り出すと、さっきまで静かだった遺跡のあちこちから、何かが走ってくる音が聞こえだしたんだ。
レクス(:3)レ∠)_「まったく、ロディさんも女心が分かってないなぁ」
モフモフΣ(:3)レ∠)_「本日のおまいう発言んーっっ!!」
魔人_:(´д`」∠):_「助けて! ガキどもが碌な事しません!」
チビジャイロヘルニー_(┐「ε;)_「なーなー、さっきの黒いほのお教えてくれよー」
モフモフΣ(:3)レ∠)_「なっ、コイツ等に付き合ってると酷い目に遭うだろ?」
ゴーレム_:(´д`」∠):_「一番ひどい目に遭ってるのは僕だと思います(チナミに剥ぎ取られた頭のキラキラはカメラアイです)」
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