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プロローグ
人は、理解できないものを神と呼ぶ。
和歌山県山間部にある小さな村――白津村。
私はこの村で体験した出来事を、死ぬ前に書き残すことにした。
これから私を喰らおうとしている存在は、あの場所にいる。
したけさま
彼らはそう呼んでいた
私はまだその姿を見ていない。
それでも、あの場所にいることだけはわかる。
今ではそう確信している。
もしこの手記を読むものがいるのなら白津村には近づくな。
この手記が最後まで残っていることを願う。
人は理解できないものを恐れ、理解しようとする。
災害や厄災を神の仕業だと考え、神を奉ることで許しを得ようとしてきた。
私も長い間、神とは人が生み出した偶像に過ぎないと思っていた。
……しかし、存在した。
私は間違っていた。
いや――違う。
私が神だと思っていたものと、それはまるで別物だった。
それでも人は、理解できないものに名前を与え、神と呼ぶ。
ならばやはり、神とは人間が作り出した偶像なのかもしれない。
どうか、この白津村だけには関わらないでほしい。
もう、時間がない…




