第24話「さらなる改善」
大会から2日後。
愛豊高校、自動車競技部工場。
大会を戦い抜いたヤリスが整備されていた。
「福原先生、このパーツを組み込みたいんですけど…」
「ん〜、効果は期待できそうだけど、いきなり変えるのはちょっとね…」
「で、でも、父が使っている計算ソフトでも、現状のエアロより良い数値が出てるんです!」
その時、どこからともなくふら〜っと奏汰が現れた。
「あ、奏汰くん、今度のさ、インターハイからこのパーツ導入しようと思うんだけど、どうかな?」
「これ、いいんじゃないですか?ぱっと見かっこよくなりそうだし。これで望まれる効果って何がありますか?」
「えっと、バンパーのグリルの拡大で冷却効率が改善されて、リアウイングの大型化でグリップが改善されると思うよ。」
「だったら、搭載お願いします。いい効果望めそうだし。」
「わかった。お父さんに頼んでおく」
「お父さん?」
「そう。穂乃果のお父さん、航空機部品の工場やってて、空力のこと詳しいから今回作ってくれることになったの」
「すごいっすね。」
その頃、産浜高校。
「どうします?投入する部品」
「とりあえず、エキゾーストとタワーバー、サスペンションをハヤブサモータースポーツの試作品に。」
「試作品なんて、大丈夫なんですか?」
「どの部品だって、最初は試作から始まる。それに、壊れたらそれに合わせる走り方をするまでだよ。」
「じゃあ、搭載の方向で、部員たちに伝えておきます。」
インターハイ県予選で取られた優勝をインターハイ本大会で取り戻すため、産浜高校も改造に力を入れていた。
愛豊高校、工場。
今日はみんなを交えてミーティングをしていた。
「ということで、今年もインターハイ本戦はお台場での開催になります。」
「すげぇ、お台場でやるんすね」
「そう。このインターハイは、高校生の憧れの大会だけど、お祭り色も強いイベントだよね。最終SSは夜で、レインボーブリッジを通過する時に花火が上がるって。」
「なんか、出店のご飯、美味そう…」
琉が呟く。
「たしかに、グルメもいいよね。全国から来るらしいから。」
話が脱線していく。
「ほらー、あんたたち、グルメもいいけど、大会の注意事項も確認しときなさーい」
「「はーい」」
福原の声がけで元の話に戻る。
「インターハイラリー競技部門全国大会、通称お台場シティラリー。この大会の特徴はなんといってもやはり、お台場の街中を駆け抜けていくことだと思います。あとは首都高も走ります。」
「まず、SS1はフジテレビの周りの道を周回するスーパースペシャルステージ、SSSになります。」
「それで、次のSS2は有明エリアになります。基本、直線をコーナーで結ぶ感じになります。これが1日目に走るコースです。」
「お台場周辺って、直線が多そうですけど、実際どうなんですか?」
「そうだね。基本は直線と直角コーナーの繰り返しになってくる。だからこそ、タイム争いも大変になってくるよね。本当に細かい操作でタイムが決まると思う。」
「あと、ライバルとして警戒してほしいのはやっぱりまず産浜高校。」
産浜高校のDS3がプロジェクターで投影される。
「それと、もう1台。それが群馬の寿春ヶ丘高校。」
その言葉と一緒に映し出されたのはスバルWRX S210。
「この学校は、去年で連覇は止まりましたがインターハイを6連覇しています」
「6…6連覇!?」
「6連覇」
「信じられねぇ。タイムアタックの時はうちにコテンパンにされてたチームだよな」
「そう。うちの卒業生の夏空さんが倒した学校。」
「やっぱ、ラリーやってる群馬のスバルと提携してるから強いのかな。」
「それが一番考えられることだと思う。」
このインターハイラリー競技部門では、学校によっては自動車メーカーと技術支援協定を結んでおり、メンテナンスの知識や、新パーツ、新車両などが提供される。
寿春ヶ丘高校の他にも、産浜高校が結んでいる。
「このお台場シティラリーは3日間で実施されます。1日目は公式車検、レッキデー、2日目から公式戦がスタート。3日目は結果次第では表彰式まで残ると、夜までかかることになるかも。」
「まじかー」
「でも、夜のお台場、なんか楽しそう!じゃない?」
「それは思う。」
その後も談笑が盛り上がり、お台場大会が楽しみになったようだ。




