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第16話 生徒会(4)

放課後。


生徒会室には、

まだ新しい空気が満ちていた。


大きな机を囲む形で、

学生たちが席についている。


今年度の生徒会。


三年生、二年生、一年生。

各学年から五名ずつ。


計十五名で構成されている。


生徒会は学院自治の中心機関であり、

王宮との公式連絡窓口でもあった。


学院行事の運営。

研究棟への許可申請。

外部交流。

学生規律。


学院内のほぼすべての決定に関わる。


そしてもう一つ。


生徒会経験者は、

卒業後の進路において

王宮官職への推薦を受けることが多い。


名誉であると同時に、

将来への道でもあった。


その頂点に立つのが――


生徒会長。


王太子、

エリオス・アストレア。


エリオスは席についたまま、

室内を見渡した。


静かな視線だった。


「今年度の生徒会を始める」


短く告げる。


「まずは自己紹介を」


最初に立ち上がったのは、

隣の席の青年だった。


「副会長のエリック・フェインです」


穏やかな声だった。


三年生。


フェイン公爵家の長男であり、

生徒会では実務を取りまとめる役を担っている。


エリオスを「会長」と呼び、

その判断を支える立場に徹している男だった。


エリックは軽く会釈すると、

席に着く。


続いて、

三年生が数名名乗る。


二年生。


そして――


一年生。


ノアが立つ。


「ノア・アストレア」


簡潔だった。


場の空気がわずかに動く。


王族の名は、

それだけで重い。


ノアは特に意に介さない様子で、

そのまま静かに椅子に身を預けた。


次に立ったのは、

灰色の髪の少女だった。


「リリアナ・クラリス・バルディエと申します」


静かな声。


過剰な緊張も、

誇示もない。


ただ事実を述べるような名乗りだった。


その様子を、

エリオスは黙って見ていた。


視線が、

ほんの一瞬だけ揺れた。


視線を外すのが、

ほんの少しだけ遅れた。


だがそれも、

次の瞬間には消えていた。

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