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3号塔より、弾雨が降る  作者: 雪原たかし
永久を臨み、残る者
16/16

後編

 ワタシはすべてを見ている。

 彼が《虚人》を撃ち砕き続けるのを、近くからでも、遠くからでも。

 同じ装備を使い続け、ついには腕に同化させた時も。

 あの言葉だけが残り、他はなにもかも消えていった移ろいも。






 『いつか終わる時が来たら』。

 それはこの世界が消える時にだけ叶う願いだ。

 だが、世界は消えない。だから、終わらない。

 『ワタシも彼のように、たったひとつだけを残して続くことができたら』。

 それはワタシの願い。もしかしたら叶うかもしれない。

 ただ、今は叶えられていないし、まだ叶わなくてもいい。

 ワタシは真に『見守るモノ』だったようだ。






 ワタシは、これまでも、今も、これからも、世界をたった一行の言葉だけで表す。

 この世界には、それだけがあるのだから。

 そして、いつまでもそれだけしかないのだから。






 この世界ではいつの日も、“3号塔より、弾雨が降る”――――――――

 最後までお読みくださりありがとうございます。

 僕にとっては2作目の連載完結作品となりました。


 誰もが反発をしなくなったなら。

 このテーマを考えた物語が短編のほうにもあるのですが、どんな時でもどこかの誰かは自分で動き出せるのでしょう。たとえ多くはなくても、そういう人が絶えることはないはずです。

 そうは思いつつ、この物語では誰もが反発できなかった世界、できなくなった瞬間を書きました。それは、小世界に限れば起こりうるのではないかと考えたからであり、人類世界がその小世界になることもありうるだろうと考えたからでもあります。

 僕が生きる時代に《虚化》が訪れることがないよう、僕はまたいつか、反発力を借りて物語を書きたいと思っています。小世界へ閉ざしこもうとする外力に、今なら、そしておそらくほんの少しなら未来でも、反発できると思っているのですから。

 虚を抱くことのない時代を続けられますように――――――――




  2017年2月27日 雪原たかし

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