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1.苺畑

 あなたは、「自分の命に意味はない。」と、

思ったことは、ありますか。

私は、あります。




   1.苺畑


 私が、自分にも命があると、自覚したのは、

幼稚園の年長さんの時です。


 ある日私は、姉と二人で、

祖母が自家菜園をしている、畑に行きました。

自宅から200m位の所にあるその畑は、

いくつかの区画に別れていて、その一画に

エンドウ豆やトウモロコシ・苺などを、

作っていました。

その日は、祖母が作っている、

苺を摘みに行ったのです。

小さい畑ですが、家族が食べるには、

十分な苺が実っていました。

私は、苺摘みに夢中でした。

ふと気づくと、姉は、何かを踏みつぶしていました。

何をしているのかと聞くと、

作物に着いている害虫を、殺していると言うのです。

私は、びっくりしました。

害虫がいると、作物は実らなくなってしまいます。

それは分かるけど、取って捨てれば、

何も殺さなくてもいい、と思ったのです。

その事を姉に言うと、こう言い返されました。

「取って捨てるだけだったら、

 また、戻って来るかもしれないし、

 ほかの人の畑の野菜を食べるかもしれないんだよ。

 だから、殺すの。

 死んだら可哀そう、とか言ってるけど、

 あんたもいつか、死ぬんだよ。」

「私も死ぬ。いつか死ぬ。」その言葉が頭の中で、

ぐるぐる回りました。衝撃でした。


 それまで私は、自分が死ぬということを、

考えた事もありませんでした。

虫にも命があるように、私にも命があります。

命があるものは、いつか必ず死ぬ、

という事を、知った日でした。

とてつもない恐怖を感じました。

と同時に、私には命があるという事を、

自覚した日でもありました。

続きは、9月7日(月曜日)に投稿する予定です。

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