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次世代機パスクア  作者: 柳井リュウ
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air scout

☆ショウ☆


本当は医師に成りたかった。

祖父の病床で医師に成りたいとそう思った。

しかし今は父と同じように軍に所属して飛翔体に乗っている。

私は飛翔軍第7部隊所属石倉ショウ三等官だ。

私は可変飛翔体ファング(fang)に乗る。

もう一年以上、世界の上を飛んでいる。

実際にはバーチャルシュミレーションが半年有ったので、まだ一年には届いていないかもしれない。

模擬戦も行ったが、バーチャルシュミレーションどころか、バーチャルゲームとあまり変わらない代物だった。

軍と言っても今は敵は居ないのだ。

世界は支配階級に治められ、私達労働者階級には反乱を起こすことも許されない。

何故なら、労働者の次代を担う者達も支配階級によって造られているから。

労働者は自分の次代をつくる事を支配階級に申請し、許可が降りると自らの遺伝子を伝える物を担当局にて提出する。

担当局で遺伝子選別が行われ、大いなる母達より賜る遺伝子と遭わせられ私達が生まれる。

大いなる母達より、遺伝子を賜るのに必要な経費は、労働者が負担しなければならない。

何故か受益者負担が原則なのだ。

このなかで行われる遺伝子選別。

これが、反乱の起きない要因ではないかと私は考える。

支配階級に益にならない遺伝子を持つ次代は誕生させないのではと。

では、何故軍があるか。

それは、将来的にあるかもしれない、支配階級の内乱をおさめるためだ。

支配階級も一枚岩ではない。

様々な思惑を持っている。

あるかも無いかもわからない未来の敵のための軍なのだ。

その軍に私は12の時に入った。

支配階級の子弟は学校に行き知識を得てスポーツで身体を動かしコミュニケーション能力を磨く。

それは二十年以上の歳月をかけてゆったりと行われる。

私達も労働者階級の学校に行った。

コミュニケーション能力を得るために。

しかし、私達には知識は刷り込まれるのだ。

起きている時にも、眠っている間にも。

これが労働者階級の【学校】だ。

この学校では運動はゴーグルやセンサー等を付け仮想空間内で行う。

支配階層の子弟が二十年以上の歳月をかけて得る事を、私達は十年程で得てしまう。

だから12になると働くのだ。

支配階層と異なりわずか六十余年しか生きられないから。

「巡回終了。オールクリア。これより着機」

私はファングのコクピットから管制官に連絡を入れた。

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