出会い5
っ………!?
僅かな気配を感じて、バルコニーの入り口に視線を移した。
……足音もなければ…服の擦れの音にない……強いっ……。
とっても、訓練されているっ……。
何者だろうか…只者じゃない……敵だったらどうしよう………。
そんな事を考えていると、気配の人物がバルコニーに出た。
その顔を見て私はびっくりした。━━それは思ってもなかった顔だったから。
「あ、いた」
バルコニーに出た人物は声を発した。
……━━そう……『あの……』とパーティーで声を掛けてきた令嬢だったから……。
「………」
びっくりして、何も話せずにいると令嬢は微笑みを浮かべて言った。
「大丈夫。敵ではないよ。澪里ちゃん?」
「っ!?」
思わず息を呑む。
━━何故っその名をっ……。
思わず息を呑んだのも仕方なかった……澪里と言う本名はスパイの名前であり、令嬢には言っていなかったからだ。
令嬢は私の驚きを肯定と認めたのか、
「どうやら、合っているようね。私は凛よ」
と自分の名前を言った。
令嬢……凛は、「MIIONSS」とスパイの暗号を言った。
それによって私はようやく頭の整理が追いつく。
「+4¥tltuso’Peπrl&’%#π3*’’」
私は、凛が言った「MIIONSS」に答える。