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プロローグ
「━━捕まえたよ澪里」
「っ……。」
バレていた。
家来に命令する声がする
なぜ、私にばっか執着をするの?
◇◇◇◇◇◇
ある所に伝説のスパイがいた。
そのスパイは、違う人変装すればその人になりきる事が出来た。それは他人でも何なら変装された人でも“私って本物だろうか”と疑うくらいであった。
その伝説のスパイの本名はおろか、顔や性別でさえ知らないと言う人が多かった。
━━伝説のスパイは本当に人なのか?いや、まさか妖怪の類ではないのか?
━━いやいや、流石に人間だろう。妖怪の訳が無い。
━━でも、誰も顔はおろかどんな人間…存在する人間なのかも知らないじゃないか。
━━まさか伝説だけのものなんじゃないか?
などと一日中暇さえ有ればスパイの間で噂されるぐらいだった。
そんな噂をされている伝説のスパイの名は澪里と言った。
そして今現在、澪里は仕事していた━━。