EP84
うーんと唸ってしまった。
そりゃ、社員みんなが満足ってわけにもいかないし、仕事だからそれなりの辛さや不満もあるだろうけど。
『うちの会社はクソなブラックです』
挑戦状のような投書をいただきましたあ!
「ないわ〜〜ないない……いや、これが現実かもしれんけど……普通書くか? 社長が見るっていうのにさ。あーーー悔しくて辛い」
「ほんそれ。わかりみしかないわぁ」
ママってば、なんか最近、若者言葉使う〜。
絶対、佐久間副社長の影響だよね。
「こんなこと書きやがって、いったいどこのどいつだ!! くっそぉ、名前を名乗らねえなんて、卑怯者のやることだ。許せねえな」
いやこれ、匿名の投書だから、本来そーゆーやつ。
「なんか不満があるんでしょうか?」
私が、佐久間さんに問うと、佐久間さんが意外な反応した。
「これ貼りましょう」
『うちの会社はクソなブラックです』
回答『やっぱお給料上げてって、暗に言ってる感じですかね。善処します』
回答『名を名乗れ』
回答『どこがクソでブラックなのか、100文字以内でお答えくださーい』
回答『そんなこと、言っちゃだめ!! でも心ではオッケーよ!!』
(※アドバイスになってないやつの集まり)
「んーーこんな攻撃的なやつ、貼っていいんかなあ」
「でも相手は貼られる前提で書いてるわけですからねえ〜いーんじゃないですか〜?」
「先手必勝、鼻っ柱をガツンと折ってやろうぜ」
井桁氏がシャドーボクシングで、見えざる敵にぶちかましていく。
「千夏ちゃん、これは由々しき事態ですよ。この方のこれが本心でしょうけど、その点改善しようにも、問題が何かっていうのがわかってないですもんねえ。でも、私は『ある』と思うの。問題は!」
ママが熱血し始めたので、取り敢えず、このアドバイスを貼ってみようということになった。




