EP77
そう言って、バタンと頭をテーブルにうずめた。
打ちつけたおでこは痛そうだったが、うんともすんとも言わずに、突っ伏したまま眠ってしまった。
社長をカワウソ呼ばわり……いやいやいや権力振りかざさなーーい。
かかかか可愛いだって?
まあそれは素直に嬉しい。
ただ、俺のモンになれ? だと?
待って。バクバクバクと、胸の動悸が凄い。
もしかして私、告られたの?
お相手は井桁さん。ドS井桁氏と付き合えるのか?
ちょいぐるぐるしてきた。考えがまとまらない。私も相当酔ってるねこれ。
スマホを出して、佐久間副社長に電話する。
『はーーい。どしたーー??』
「佐久間さん? こんな時間にすみません。申し訳ないんですけど、焼き鳥『鳥らしくあれ』に来てもらえませんか? 井桁さんが潰れちゃって」
『へえ、珍しいなあ。でもまあ迎えに行くよ。ちょぉっと待っててね』
電話を切ったあと、私も多少冷静になる。
すよすよと寝顔。恐ろしくイケメンだ。まつ毛は長いし、眉毛もしっかりあって存在感を放っている。
鼻は高いし、唇は……よだれは垂れているが、もぐもぐしてて、ちょい可愛い。
可愛い。ぎゃーーーー!!
「社長〜〜迎えにきましたよ〜〜またたくさん飲んじゃってえ〜しょうがないなあ」
佐久間さんが来てくれて、テーブルの上の惨状を嘆く。
そして。
「おーい、いげちゃ〜ん」




