75、感動? の再開
「「はぁ!」」
まるで示し合わせたかのように俺達は同時に駆け出す、俺が剣を振るい、シスターがそれに正拳突きで迎え撃つ。
がきん、とまるで金属どうしをぶつけたような音と衝撃。
「なぜ素手で剣を止められるんだ?」
「秘密です」
そういうシスターはまるで火のように揺らめく光に包まれていた。
最初は強化魔法かと思ったが微妙に違う。
後でカコに聞いてみるか。
「閃光!」
「っ!」
ほぼゼロ距離から放たれた閃光は体を捻ることにより躱されてしまう。
「乱反射!」
「っと」
続けてはなった乱反射も今度は下がることにより躱されてしまう。
……死なないように威力と範囲を絞ったとはいえ避けれるようなもんじゃないぞ。
「……今のも躱すのか」
「あなたは殺気が駄々洩れなんです」
殺気か、そればっかりは経験が足りないからしょうがないな。
「あとは目線、おっとしゃべりすぎましたね」
そう言いまた最初の位置に戻り、構えを取る。
「何だ? そっちから来ないのか?」
「その言い方だとまるでこちらから来てほしいかのような言い方ですね」
「そんなつもりは無いんだがな」
これはうれしい誤算だ。
おそらくだが俺の魔法を警戒してくれている。
逆転の策は一個思いついたが、ほとんど最終手段のようなものだ。
ならこのままじわじわと時間を稼いでスタミナ切れを狙う。
「リヒト球!」
俺の周囲に無数のリヒト球が浮かび、それを見てシスターはその目に警戒の色を強く見せる。
今はその真ん中からちまちまと魔法を飛ばして時間を稼ぐ。
少々卑怯だがそんなことは言ってられない。
「……なんですかそれ?」
「なんだろうな」
「そんなものは今まで見たことが有りません、もしかしてオリジナルの魔法ですか?」
「まあな」
「素晴らしいですね、なるほど、それならばあの剣の腕前も納得できます。魔法がメインでしたか」
「閃光!」
シスターに放たれたそれは予想はしていたが易々と躱されてしまう。
まあ、これぐらいじゃダメージは与えられないよな。
「良いのか? このままこっちが一方的に攻撃しても?」
「……確かにそれは少し癪です、ね!」
人間とは思えないようなスピードで駆けてくる。
だがそれはリヒト球の餌食だ。
「おっと」
一定範囲に入ったことによりいくつかのリヒト球からレーザーが放たれる。
しかしそれも後ろに飛びのくことにより床を焦がす。
「……なるほど、こういうものですか」
「近づかないことをお勧めするぞ」
▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽
「クロードさん!」
手を振りながらニクラウスさんが駆け寄ってくる。
その後ろにはニコラウスさんや他の冒険者が居る、どうやらちゃんと合流できたようだ。
・・・・・・・・ゃ・・・・・・・・ゃ
「おう、ちゃんと全員居るか?」
「はい!」
・・・・・・・ちゃ・・・・・・・ちゃ
「ここまでくる間に戦闘は?」
「いえ、有りませんでした」
・・・・・・ぐちゃ・・・・・・ぐちゃ
「ん? なんだこの音?」
その聞こえてきた音に体が強張る。
「これでアラタ君を助け、どうしたのカコちゃん?」
忘れない、いや、忘れるわけがない。
この音を、この感覚を、この嫌悪を。
あの恐怖を。
「静かに、何か聞こえないか?」
・・・・・ぐちゃ・・・・・ぐちゃ
「本当だ、なんか聞こえる」
「しかもだんだん近づいてきている」
「気を付けてください!」
「どうしたのカコちゃん?」
大勢が集まって居たことで多くの灯りが持ち込まれていたことが幸いした。
そのおかげであれの姿をいち早く確認することが出来た。
間違えない、忘れらない、あれだ。
「……あれは?」
「構えてください! 襲ってきます!」
「……カコちゃん、あれを知っているのか?」
「新緑の遺跡で出現した正体不明の魔物です!」
「っ!? 全員戦闘配置ぃ! あれは強い! 警戒しろ!」
まずい。
あの時はリヒトが居たが今は私一人だ。
背中に冷たい汗が伝う。




