70、休息
短い、しかし技術が追い付かなかった。
反省はしていない、後悔はしている。
「極光!」
俺は集団に突っ込みつつ、横一文字に極光を放つ。
避けられるかと思っていたが人数が多いのが幸いしたのだろうか、数人の黒ローブを飲み込みながら洞窟の暗闇に広がり消えていった。
「乱反射ぁ!」
続けざまに乱反射も放つ、威力も数も範囲も、この体で出来る限りの全力だ。
ガリガリと周囲の床を削る音が響き渡り避ける暇もなく黒ローブ達を切り裂いていく。
ローブの中から溢れ出てきた触手も同様にバラバラになる。
「っと、まだ残るか」
まだ動く黒ローブは四人しか、いや、四人も残っていた。
今できる限りの全力で、一瞬で勝負を決めるつもりだったのだが、やはりこいつらの反応速度は目を見張るものがある。
その四人はまるで示し合わせたように一斉に飛び掛かってくる。
人間離れした身体能力で、まるで人間のように。
「閃光!」
俺は牽制の意味も込めて閃光を放つ。
まあ、予想はしていたがそれは身を捻り、あり得ないような関節の動きで避けられる。
だが避けるために体勢を崩した、それが狙いだ。
「乱反っ!?」
乱反射を放とうと構えた瞬間、左ふくらはぎに衝撃を感じバランスを崩す。
見ると触手が体当たりをしたようだ。
・・・・・・しまった! 生き残りが居たか!
それに今は不味い!
「かひゅっ」
黒ローブ達の槍が同時に突き刺さる。
「ぐっ!」
しかも痛みだけではない、例えるならまるで槍が体の中で蠢くような感覚に襲われる。
「がああぁぁぁぁ!」
痛む体を動かし無理やり乱反射を放つ。
突き刺さった槍が相手の動きを封じたのだろう、黒ローブ達は全員なすすべなく切り裂かれた。
「はぁ、はぁ」
・・・・・・もう敵は居ないな。
もしまだ居るんだとしたら本格的に本体で戦うことも考慮しないといけないな。
だがその可能性はなさそうで安心した。
「ふぅ」
今は体の修復を優先しないとな、改めて見るとよく生きているなと思うような状態だ。
体には風穴が四つ空き、あの中で蠢くような感覚は正しかったようでいくつかの内臓に穴が空いてるようだ。
「これは修復にしばらくかかるな」
俺はその場に座り修復に専念する。
・・・・・・それにしても危なかった。
やはり援軍の到着を待ったほうが良いだろうか?
いや、一人じゃないとさっきみたいに本気を出せないな。
「次からはもっと気を付けよう、何なら常に探知魔法を使い続けるか?」
俺は修復が終わるのを待ちどうしく思いながら周囲を警戒する。
・・・・・・そうだ今のうちに装備の点検しておこう。
ほとんど使ってはいないが、万全を期すことに越したことは無い。
服に関しては内側から破壊されたのが幸いして変えるのは上だけで済みそうだ。




