23、共歩者は引かれ合う
書いて気付いた、タイトルの壮大なネタバレ
「!」
「……はぁ、その反応からしてどうやら当たったみたいね」
めんどくさいな~と言いながら頭をがしがしとかきむしる。
なぜばれたんだ? 今回に関しては俺は何もしなかったぞ?
「ところで見ない顔ね、君、水のところのかしら? それとも風? 雷?」
「……」
とりあえず俺が光の王だということはばれていないようだ。
……もっともごまかすのは無理そうだが。
「まあいいわ。とりあえず……目的は何かしら?」
気だるげな感じは変わらないのだが、明らかに纏っている空気が変わる。それと同時に濃密な殺気がこの場を満たす。
「っ! そ、それは」
「目的は偵察かしら? それとも暗殺? まあ、何であれ正直に言ってくれると楽でいいわね」
な、何者だよこいつ。さっきとはとは比べ物にならないほどの独特で巨大な魔力を感じるぞ。
「……ゴ」
「ゴ?」
「ゴブリン討伐……です」
「……へ?」
ゴブリン討伐という言葉を聞き呆気に取られたような顔をした。
な、なんだよカコは正直に言っただろ。
「……プッ」
「?」
「ふふっ、あはははは!」
……え、何か急に笑い始めたんですが。
「あ、あの」
「共歩者は人類の到達点と言われるような存在なのよ! それがゴブリン討伐? しかも鑑定しても本当の事じゃない!」
え? マジで!? 鑑定で真偽が分かるの?
……うわマジだ! めちゃくちゃ分かりにくいけど説明書の端っこに書いてあった!
「あははは!……はぁ、あっごめんなさいね、急に笑ったりして」
「い、いえ、気にしてませんので」
「それにしても、何で共歩者なのにゴブリン討伐なんかしてるの?」
「えっと、私はまだ駆け出しでそれでこの依頼を受けたんです。」
そう言ってギルドカードを差し出すカコ。
「君レベルが駆け出しのわけ……うわっ、本当だ! なるほどね~、それだったら納得だわ」
この場に満ちていた殺気が霧散していく。
とりあえず、戦いにならず良かった。
「ところで君は誰の共歩者なの?」
{どうする?}
{んー、そうだな。嘘をついたらばれるならいっそのこと正直に言ったが良いだろう}
{分かった}
「光です」
「へ~、光なんだ……ん? ひかりぃ!?」
カコの肩を掴み顔を近づける。キマシタワー
「えっ、あ、あの!?」
「光!? あの引きこもりの!?」
ぐはっ
「というか光の王は本当に存在してたの? 誰も見たことがないから作り話、とまで言われてたのに!」
「は、はい。本当です」
「なるほどね、だから見ない顔だったんだ」
そう言ってやっとカコを解放してくれた。
肩を掴まれたあげくさんざん揺すられてカコはもうフラフラだ。
ただそんな様子のカコにも気づかないほどに興奮しているようだった。
しばらくし、ようやく酔いが直ってきたカコが今度は逆に質問した。
「あの、一つ聞いてもいいですか」
「どうしたの?」
「あなたは一体何者なんですか?」
そうそれ! それが一番聞きたかったんだよ。
「……ん? あれ? 言ってなかったっけ?」
「はい」
「あっちゃー、だとしたらごめんなさいね。一方的に喋っちゃって」
「いえ、気にしてませんから」
「ありがとう……それじゃあまずは自己紹介すから始めましょうか」
わざとらしくこほん、と咳払いをはさむ。
「私の名前はローザ。まあ、見ての通り鳥人よ」
「私はカコと言います……ところでなぜ私が共歩者と分かったんですか?」
「ああ、簡単よ」
何だろう? そんなに分かりやすかっただろうか。
「だって私も共歩者だもの」
「え?」
え? マジで?




