表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セフィラクロスタ  作者: 梨由利
第一章 最後のピース

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/15

動きだす運命、ハジマリの出会い

1ヶ月以上も空けてしまった……

「……痛ぇ……」


 目を覚ますやいなや痛みが全身を襲う。というより、痛みで目を覚ましたと言ったほうが正しいか。


 とにかく現状の情報を得るために辺りを見回すと、そこはさっきまでいた場所とまったく異なる様相をしていた。


 先程までの場所は廃墟の地下とは思えないような清潔さを感じられた空間であったのに対して、今いるこの場所は建物の外観にピッタリと言えるほどに荒れ果てており明かりも無さそうだ。何年も人が立ち入っていない様に感じられた。


 そもそもなんでこんなところにいるんだったか。まだぼやける頭を働かせて先程まで自分がおかれていた状況を思い出す。そうだ、たしかリアシェティルを倒したあとに爆発がおきて床が抜けたんだ。そのときの落下の衝撃で気絶したのか。


「……にしてはやけに周りに血が多いな?」


 体の一部を失ったと言われても納得するほどの血溜まりに自分の体が沈んでいたことに気づく。リアシェティルとの戦いでの負傷による出血だとしてもこの量は異常だ。


 そこまで考えたあたりでぼやけていた前後の記憶を思い出す。


「そうだ心臓!」


 この異常な量の出血の理由。爆発の影響で床が崩落する直前に何者かに心臓を撃ち抜かれたことを思い出す。


「まさかもうとっくに死んでてここはあの世だなんて言わないよな……!?」


 自分が既に死んでいる可能性を思い浮かべながらひとまず撃ち抜かれた部分を確認する。


 そこにあったのは


「……俺は夢でも見てるのか?」


 負傷した部分を補うかのように埋め込まれた謎の機械だった。








 *  *



「落ち着け、一旦落ち着け」


 数分ほど喚いたあと、ようやく現状が飲み込めそうになった。


 飲み込めるほどには落ち着けただけで、まだ困惑は続いているのだが。


 とりあえず分かることは……


「俺が今生きてるのはこれのおかげ……だよな?」


 恐る恐る胸の機械に触れると、機械を通して自分の鼓動を感じられる。どういう原理かは分からないがこの機械のおかげで心臓の大部分を欠いた今の状態でも生命活動を行えているようだ。


 ひとまずここがあの世である可能性は無くなったのと自分がまだ生きている事実に安堵する。


 しかし、そうなるとまた別の疑問が浮かぶ。


「誰が、何のために俺にこんなものを埋め込んだんだ?」


 わざわざこんなものを埋め込んでまで俺を助ける理由が分からない。この場所に俺以外の人間がいるようには感じられないし、仮にいたとしてもズークの側の立場なはず。そんな奴が侵入者である俺を助けるはずがない。


「うーん……情報が少なすぎるな。まあそれは後でもいいか。今考えるべきは……」


 頭上を見上げ、現状を改めて再確認する。


「どうやってここから脱出するかだよなあ」


 頭上にあるのは自分が落ちてきたであろう大穴。ここを上がればもといた場所に戻れるだろうが、今の俺の状態ではここを登るのは現実的ではないだろう。


 初めてディノンと出会ったときのように駆電による身体強化で一気に壁を駆け上がるという手も考えたのだが……


「……駄目だな。完全におしゃかになってる」


 リアシェティルとの戦いで酷使しすぎたのだろう。左手のグローブのほうは回路が完全にショートしており使い物にならなくなっていた。レスカにメンテナンスしてもらえば直るだろうが、今使えなければどうしようもない。剣のほうも鞘に内蔵されたバッテリーの充電が切れており、これではただの箱も同然だ。


 それに懸念点は装式だけじゃない。今は出血が止まってはいるがまたいつ怪我が悪化するか分からない。


「かといってここに留まっていてもしょうがないか……」


 暗闇に目が慣れたことで先ほどより周囲の状況が分かってきた。瓦礫で塞がれてはいるが、人一人くらいなら倒れそうな隙間を見つけた。耳を澄ますと空気の通る音が聞こえるので、外に通じる道があるのかもしれない。


 身を捩らせ、なんとか隙間を通り抜けることに成功する。潜り抜けた先には荒れ果ててはいるが上と似たような雰囲気の通路がつづいていた。


 先へ進むと5分としないうちに淡い光が見えてくる。どこか地上に繋がる道があればいいのだが。


 しかし、通路を抜けた先にあったものは道ではなかった。


「なんだ……これは……!?」


 そこには、巨大なカプセルが部屋一面に立ち並んでいた。







 * *



 一通り部屋を調べて分かったことがある。


 この場所に上へ繋がるような通路や抜け道なんかは無いということ。もう一つは、見ればわかることだがここは巨大な実験場ということだ。カプセルは全て怪しげな液体……培養液とでも言おうか。それに満たされており、その中には上で見たキメラや機械獣が眠らされていたり、他にも実験のレポートと思しき書類が散らばっていた。


 大方人に言えないような倫理的にアウトな実験ばっかやってたんだろうな。じゃなきゃわざわざこんな地下深くにここまで大規模な装置を並べたりしないだろうし。


そんなことよりここより先への道が無いことが問題だ。目が覚めた場所からここまでは一本道だったし、途中で他の通路を見落としたとは考えづらい。そもそも上と繋がる道なんて無い、なんてことはないだろう。


「まさかあの時の爆発で道が埋まったのか……?だとしたらいよいよ打つ手無しだぞ」


最悪の可能性が脳裏によぎる。


「……ん?あのカプセル……」


何か他に手掛かりがないか改めてこの空間を見渡すと、一つのカプセルがやけに目についた。


気になったので近づいてみると、目についた理由はすぐに分かった。


「このカプセルだけ他のやつより大きいのか……」


部屋に並ぶカプセルと比べ、目の前のものは一回りほど大きく、配線も多く繋がれていた。この部屋のちょうど中央にあるようで、見回したときに視界に入りやすかったというのも理由としてあるのだろうが。


それにしても、なぜこのカプセルだけ他より大きいのだろう。パッと見た感じでは大きさ以外では特に違いは感じられないが……。


「なんか……他のと比べると厳重だな。他のキメラみたいに生み出すというより中に閉じ込めるためのものみたいな感じだ」


観察を続けていると、カプセルになにやらラベルのようなものを見つけた。残念ながら文字はかすれてほとんど読めないが。


「ひ……オン……かすれててよく読めないな。てかこれにもキメラか機械獣が入ってるのか?だとしたらどんな大きさだよ……」


興味本位で中に何が入っているのか確かめようと目を凝らす。すると中に何かの影が見えた。ただ予想に反して影はそれほど大きくなかった。人間と同じくらいといったとこ……ろ?


「あれ……?これ、人間じゃね?」


次は遅れないといいなあとか言いながら1ヶ月以上投稿しなかった馬鹿は私です。大変申し訳ございませんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ