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ポーション屋を出た僕は、当初の予定通り、宿屋『宿り木』へと向かう。
ちなみに、場所は門を入ってすぐの所にあるから…との事。
なお、情報通り、宿屋の場所は直ぐに見付かった。
「ここが『宿り木』か…入った時に思ったけど、やっぱり、大きいな…。」
実は、この宿屋、ランスさんに門を通してもらって直ぐに見ていたのだ。
しかも、元の世界みたいな技術が無いにも関わらず、何と五階建ての建物だったりする。
「そうでしょそうでしょ?私の自慢の宿屋なんだ~♪あッ!お兄ちゃんはお客さんかな?」
元気ではあるが幼い声、その声に反応し、キョロキョロと見渡す。
すると、いつの間にか僕の隣に小学生低学年くらいの小さな女の子が、気付いたら立っていた。
「あ~、うん、良い宿屋が無いか聞いたら、この宿屋を紹介されたんだ。」
「そっか、だったら、メイがお兄ちゃんを案内するね!ついてきて!」
と、メイちゃん?は、僕の返事を待たずに、さっさと行ってします。
まぁ、慌てて行く必要は無いのだが、案内すると言ったのに、ついて行かなかった場合、彼女が悲しんでしまうかもしれない。
流石に、女の子を悲しませる訳にはいかない…なので、僕も慌てて宿屋へと入っていくのだった…。
†
「おかあさん、お客さん、連れてきたよ~。」
「おや、メイ、お客さんを連れてきてくれたのかい?」
「うん!家の前で困ってたから案内してきたんだよ~。」
「そうなのかい?お客さん、迷惑じゃなかったかい?」
「あ、いえ…ちょうど『宿り木』に来ようとしていたので、助かりました。」
一応、名誉の為に言っておくが、宿屋も直ぐに見付けたし、ちょうど入ろうとしていた所なので、困っていなかった。
まぁ、小さい子とは言え、女ん子が案内してくれるは見てると微笑ましくなる…僕はロリコンじゃないけどね。
「それで、泊まりかい?食事かい?」
「あ、泊まりです…ちなみに、一泊幾らですか?」
様子見って事で、一日泊まってみて、何泊するか決めようと思う。
もちろん、金額にもよるけど、住みやすいのであれば連泊するも良いだろう。
「うちは一泊、銀貨三枚で、食事込みなら銀貨三枚と大銅貨五枚だね。
あと、お湯を使いたい時には別途、お金が掛かるから注意しておくれ。」
「お湯…ですか?」
「そうさね、まぁ、この時期なら水でも問題ないだろうけどね。」
「えっと…すいません、よく分かってないんですが、何の話ですか?」
「何って…そりゃあんた、身体を拭くのに決まってるでしょ…。」
「あ…そ、そうですよね…あはははは…。」
よくよく考えてみたら、異世界あるあるなのではないだろうか?
いきなり城から追い出されて初めての街での宿泊と言う事もあり、考えが及ばなかったが、風呂と言うのは極一部の人達が嗜む事の請託品だと言う事に気が付いた。
「それで?どうすんだい?」
「あ、そうでした…では、とりあえず一泊お願いします。
もちろん、食事付きてお願いします。」
僕はそう言って銀貨を四枚渡す。
「そうかい、それじゃ、二階の奥の部屋を使っておくれ。」
女将さんはそう言って木札の付いてる鍵を渡してくれた。
「食事は六の鐘から九の鐘が鳴るまでの間に食べに来ておくれ。
それを超えたら、料理が出せないかもしれないし、返金はしないからね。
それから、食事の時に、その鍵を見せてくれれば食事をだすよ。
あと、お釣りの大銅貨五枚だよ、確認しておくれ。」
と、女将さんはお釣りを渡してくれた。
「えっと、はい、ありがとうございます。」
と、僕は硬貨が五枚あるのを確認して袋の中に入れる。
ぶっちゃけた話、先程受け取った硬貨が大銅貨なのかは、まだ銀貨以外見た事の無い僕には判別が出来ないのだが、そこはそれ、信用するしかない。
何はともあれ、今日泊まる宿屋の確保は出来た事を安堵し、荷物を置く為に部屋へと向かう。
そして、木札に書かれてる文字と同じ部屋を見付けると、ガチャリと鍵を開け、中へと入るのだった…。
†
「…暗ッ!?」
部屋の扉を開けて開口一番、僕の口から出た言葉は、その一言だった。
そして、思った…電気のスイッチは何処だ?と…。
だが、よくよく考えると、今までの経験上、部屋に電気が来てるとは思えない。
とは言っても、暫くすると次第に目が慣れてきて、部屋の中が薄っすらとだが見えてくる。
うん、部屋の中はいたってシンプルと言えよう。
何せ、ベッドが一つに、机が一つ…机の上にはロウソクが一本、ロウソク立てに立っている。
それと、あとは椅子が一脚、それだけである。
まぁ、あとは…強いて言うなら、木製の窓があるだけか?
僕は窓に近付くと、ゆっくりと窓を開ける。
こちらも、作りとしてはいたってシンプルだが観音開きで、内側へ開くのではなく外側へと開くタイプの様だ。
「これ、雨の日だと窓開けれないんじゃ…。」
幸いにも、今日は晴れだから窓を開けるには問題ないが、いくら部屋を見回してもエアコンどころか扇風機等の空調システムもない。
とは言っても、窓を開ければ普通に涼しい風が入ってくるし、空調システムに関しては、今の所は必要がない。
ただ、エアコンが必要になった時はどうするんだろうか?
まぁ、その時はその時に考えればいっか…と、直ぐに考える事を放棄する。
とりあえず、持っている荷物は机の上に置いて…っと。
ぶっちゃけ、荷物らしい荷物は持っていないが、それでも水筒やらは持ち歩く必要はないだろう。
まぁ、スキルを解除して消してしまえば邪魔にはならないが…そこは気分の問題だ。
「さと、門に向かうとするか…。」
そう呟くと、僕は当初の予定通り、入場料を支払いの為に門へと向かうのだった…。
拙い作品ではありますが、気に入って頂けたら幸いです。
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