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美女たちとの無人島スローライフ ~何をしても「神」評価の男、規格外のサバイバル技術でのんびり楽しむ~  作者: 絢乃


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034 弓矢を作ってみた

 玲奈と二人で弓矢の製作を開始した。


「まずは弓の本体だが、使うのは竹だ。しなりがあるし、木材よりも使い勝手がいい」


 俺たちが利用している竹材は真竹という種類だ。

 タケノコの味は微妙だが、加工して何かを作る分には優秀である。


「これを加工していこう」


 俺は前もって切り出しておいた細長い真竹を取り出した。


「具体的にはどう加工されるのですの?」


「ノコギリで形状を調節したら、ヤスリで整えて、片端から徐々に湾曲させていく。竹の繊維を潰さないように、火で炙りながら少しずつ弧を作るんだ」


「手が込んでいますわね」


「もっと雑な作り方でも問題ないんだけど、武器の質は生存率にも直結するからね。三つ首ライオンとクマガラスは排除したが、猛獣は他にもいる可能性が高い」


 俺が倒したキメラにしたって単体とは限らない。

 もしかしたら第二・第三のクマガラスがいてもおかしくないのだ。


「悠希さんは弓矢を扱えるのでして?」


「もちろん。北海道の山奥に行って、自作の弓で鹿狩りをしたこともあるよ」


「それはすごいですわ!」


 話しながら、先ほど説明した作業を進めていく。


「真竹だけでは握り部分が弱いから、布を当ててグリップ代わりにしよう」


「布ですか」


「境野が最初に着ていた服を使おうと思う。もはやまともに着られる状態じゃないし、適当に裂けばちょうどいいグリップになるだろう」


「それは名案ですわ。ですが、せっかくの共同作業ですので、先ほどわたくしが作った紐を使ってみませんか?」


 そう言うと、玲奈は自分のシェルターから何やら持ってきた。


「それは……麻か」


「正解ですわ! 悠希さんが買った手回し式の糸車を使わせていただきました!」


「かなり質がいいな。元となった繊維はショップで買ったのか?」


「正解ですわ! わたくし、採集活動は好きではございませんから」


 俺は「なるほど」と苦笑した。

 人によって楽しみ方が異なることを再認識する。


「弓のグリップとして使うには上等すぎるが……お言葉に甘えていただくとしよう。ありがとうな」


 玲奈から受け取った麻の紐を巻き付けてグリップを完成させた。


「次は弦を本体に結びつけていこう」


 弦として使う糸は自分で用意しておいた。


「こうやって弓本体の上端と下端を削り、そこに溝を作って弦を引っかけるんだ」


「ほぉほぉ! 勉強になりますわ!」


 玲奈が目を輝かせて見つめる中、弦に関する作業が終了。

 無事に弓本体が完成した。


「次は矢だ」


 弓だけあっても使い物にならない。

 さっそく矢を作っていこう。


「矢は、細くてまっすぐな竹を使う。長さは俺の腕に合わせるから、約65センチといったところか」


 竹を切り出し、節を落としてなめらかにする。

 石包丁で慎重に削っていき、表面をヤスリがけして真っすぐな棒に仕上げた。

 これが矢のシャフトだ。


(やじり)には石を使う。シャフトの先端を尖らせてもいいけど、クマガラスみたいな装甲の厚い敵との戦いに備えて威力を上げておきたいからな」


「石は何がいいとかあるのですか?」


「理想は黒曜石だな。加工しやすくて鋭い。ただ、他の硬い石でも代用できる」


 今回は適当な石を使うことにした。

 石包丁の時と同じように、打製石器の要領で成形する。

 それを軽く研いで形を整えたら、あとはシャフトに固定するだけだ。


「鏃の固定方法はシンプルに糸を巻くだけでもいいんだけど、ここまでクオリティを重視しているし、樹脂系の接着剤で仮止めもしておこう」


「残すは矢羽根だけですわね!」


 俺は「うむ」と頷いた。


「そういえば玲奈、矢羽根って基本は三枚なんだけど、その理由を知っているか?」


「いえ、どうしてなんですの?」


「三枚が最もバランスがいいとされているんだ。昔から二枚や四枚といった例もあるんだけど安定した回転と威力、何より作る手間を考慮すると三枚が最適というわけだ」


「まるでファッションにおける“三点コーデ”のようですわね!」


「三点コーデ……? それが何かは分からないがそういうことだ!」


 矢羽根の材料としては。動物の羽が最高だ。

 定番なのは七面鳥だろうか。


 残念ながら、俺たちの手元にはなかった。

 そこで台車を作った際に生じた角材の断片を使うことにした。

 薄く削って軽量化しつつ、形状や重さを統一させる。


「矢羽根は少しでも出来が悪いと矢の軌道がブレるから、この作業はなかなか神経が問われるよ」


「すると……晴菜さんには任せられませんわね!」


「ははは、そうだな。亜希や玲奈に向いている作業と言えるだろう」


「いえ、私も多少の器用さはあるものの、こういった精密さの問われる作業は苦手ですわ。亜希さんの得意分野でしょう」


 こうして完成した矢羽根を、鏃と同じ方法でシャフトに固定。


「ふぅ、弓矢ができた!」


「わたくしも完成しました!」


 玲奈が矢を掲げる。

 精密な作業が苦手と言いつつ、文句のないクオリティに仕上げていた。


「試してみよう」


「はい!」


 矢を五本作ったところで試射を行う。

 弓を構えて、約10メートル先にある木の幹に放った。


 ズドンッ!


 矢は思い描いた通りの軌道で飛び、目的の木に突き刺さる。


「文句なしだな」


「すごいですわ、悠希さん!」


 玲奈が拍手しながら飛び跳ねる。


「悠希くんの矢を射る姿、カッコイイですね」


「ゆーきん、弓矢を作るとかやるっすねー!」


 亜希と晴菜が近づいてくる。

 外での作業を終えて拠点に戻ってきたようだ。


「ただいまー!」


 境野も帰還する。


「うお! 久世、めっちゃいい弓を持ってるじゃん! 野ウサギでも狩るのか?」


「それも悪くないが……今回は違う。護身用だ」


「護身用?」


 首を傾げる境野。

 女性陣も同じような反応を示している。


「前に境野が“何もない洞窟を見つけた”って言ってたろ? 昼食が終わったらそこに行ってみる予定なんだ」


 洞窟は第二の拠点候補になり得る。

 どんなものか早いうちに見ておきたいと思っていた。


「さて、全員が揃ったことだし昼メシにしよう!」


 俺の言葉に、四人が「おー!」と拳を突き上げる。


「また腕によりを掛けてご馳走を作りますわ!」


「手伝うっすよー! ポイント、ポイントー!」


「俺も手伝うよ! 上月さん!」


 晴菜、玲奈、境野の三人が昼食の準備を始める。

 俺と亜希はシェルターで休ませてもらった。

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