第4話 アイさんとの交流と自分調べ
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アイさんとは、四六時中一緒に行動した。
目が覚めてからおはようの挨拶してから夜寝るまで、ほぼ一緒にいた。
朝一緒に起きて朝ご飯を食べて、勤務につく。勤務が終わると、アイさんと昼ご飯を食べて、シャワーを使う。その後訓練ルームに行き訓練、アイさんは各種オペレータの技術の習得を目指しており、かなりの技能を持っていた。
自分はというと、砲術課程、小型艇の操縦・戦闘術課程、機関士課程や航海士課程など昔航宙士学校で習ったことをすべて再習得している。
そのあと運動場で訓練(アイさんは軽めの訓練か見ているだけのことも多い)したのち、もう一度シャワーを浴びて夕ご飯を食べて遊んでから就寝。遊びはボードゲームかシミュレーターで対戦とかしている。遊びにはマイも加わってきて、3人で遊ぶことが多い。
ミィはくだらないというような顔をして、冷たい顔をこちらに向けてくるが、なかなか立ち去らずうろうろしている。アイさんが「ねえ、ミィちゃんもやろ~」というと「しょうがないわね」と言いながらいそいそとゲームに入ってくる。
ツンデレ?なのか?
さて、艦の生活にも慣れてきたところで、私は情報収集を始めた。
我々が敵から攻撃を受けた後、ヤマトの歴史はどうなったのか、そしてどうして私が裏切り者と言われるようになったのか、図書館で調べた。
戦争が終わってすでに本当に200年近い時間が過ぎていることが確認できた。未来に来てしまったのは間違いないようだ。戦争自体はヤマトの勝利で終わっていた。
歴史では、牟田大佐と共謀した九頭大尉、つまり私は神風特攻隊を敵に売り渡し、自己の保身を図ったが、地球共和国の裏切りにより一緒に殺されたとのこと。
しかし私の死体が見つからなかったせいだろう、私には生死不問でかなりの金額の懸賞金がかけられ、200年たった現在でも取り消されていないらしい。
私はこのことに強くショックを受けた。国のため、民族のため、死を覚悟した私を貶め、罪をかぶせられたことに憤りを感じた。
怒りに震えながら、その後の状況について確認した。
我々の失敗を見越していた上層部は、別動隊として第2次神風特攻隊を編成しており、同時期に訓練していた少年兵達により構成した部隊をほぼ同時に出撃させていた。そして、彼らがヴィシー要塞に特攻し、要塞の破壊に成功した。
重要な補給拠点を失った地球軍は撤退し、そのすきをついてそれまで日和見を決めていた他の星系が独立を宣言、ヤマトは桜花を中心とした軍事力を背景にその盟主としての地位を確立した。
地球軍は再度反攻の機会を狙うもオキナワ海での戦闘で新型の自立航行式桜花54式の大規模神風攻撃に大損害を出し、撤退。
ヤマト独立軍もこの海戦で戦力のかなりを失ったため、地球・ヤマト間で講和が成立、ヤマトを中心としたヤマト連邦が成立した。
特攻で戦死した兵士は2階級特進なうえ、英雄勲章を授与され、国の守り神として表彰されたようだ。
しかし、桜花自体は非人道兵器として国の内外から批判され、また人的資源の損耗が激しく、軍の質の劣化を招くとの批判が内部からもあり、54式の開発を最後に桜花は廃止された。
だいたいの歴史の流れを知って、大きな疑問がわいた。我々はどうも少年たちで編成された第2次特攻隊のためのオトリに使用されたのだろう。それは作戦を成功させるための戦術としてはありだろう。
しかし、作戦終了後、なぜ私と牟田大佐が裏切り者として糾弾されることとなったのだ?
作戦が終わってしまえばオトリだったことなど特に問題にならないだろうし、多少の批判もあるが作戦遂行のためという名目があり、国の勝利のためその身を犠牲にした英雄とでも持ち上げておけば問題は解決だ。
軍の上の方にもいくらかコネもあったから多少の情報は持っていたが、その結論に至った理由は皆目わからない。確かに牟田大佐は独断専行が目立ち、その挙句にサイパン宙戦で大損害を受けたことから、軍の上層部でも厄介者扱いされていた。彼に特攻の栄誉を与えるのが嫌だから卑怯者指定したのか。そのとばっちりを受けて私も協力者にされたのか。
その可能性はあるが理由としては弱い。このことはもっと調べてみる必要があるだろう。
ただ、この船でできるのはここまでのようだ。あとはシンキョウトに着いてから調べることにしよう。
とりあえず、今後の方針について、次のように決めた。
一番目はシンキョウトにつくまでは当訓練艦にて生活情報の収集と技能習得に時間を割き、この時代への適応を進めていくこと。また、衰えた体力回復のために肉体訓練を継続して実施すること。
二番目は絶対に自分が九頭一史だとばれないようにすること。200年前にいた人物なんて、この世いるとは思われまいが、決して油断しないこと。ばれたら、恐らく軍法会議だ。
裏切り者の汚名を着せられて処刑されるのは、ごめんこうむりたい。
三つ目はシンキョウトでこの事件の謎を解き明かすために調査を行うこと。政治的な理由があるのかもしれないし、単に嫌われていたとか嫉妬とか、たいした理由ではないかもしれない。ちょっと大げさかもしれないが、とにかく今後の身の振り方を考えるうえで、このままではすっきりしないので、理由を追求したい。
四つ目は調査及び逃走資金の確保だ。資金の原資として、独立戦争時に敵に奪われないように隠した各種軍需物資がある。これを換金すれば相当な金額になるだろう。本当は国の物だが、私にひどい汚名を着せた慰謝料としてもらっておこう。
すでに私を裏切り者扱いしているヤマトには、忠誠心も未練も残っていなかった。
本来、ヤマトの未来のため隠した軍需物資を私物化することに罪の意識はほとんどなかった。
200年もの間汚名を着せた慰謝料として、私の未来のために使わせていただこうと考えた。
そして最後にいよいよ正体がばれ、つかまりそうになったら、以上の目的の達成状況いかんにかかわらず逃亡することにした。
さて、そうと決まれば、この方針に従い行動を始めよう。
「ヤタ君~訓練に行こ~」アイさんが呼んでいる。行かなくては。
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