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バッドエンドは全力でぶち壊す!  作者: 血迷ったトモ
35/50

第34話 縮まる距離

女の子とデートしたい人生だった……(達観)

「うにゃあああ!?」


「ははは。物の見事にボロボロにされたね。」


面白い叫び声と共に、撃沈した由橘乃を見て笑ってしまう。


「何よこの譜面!もう製作者は反省して爆発して!」


よく音ゲーマーが叫ぶ事を、由橘乃も叫ぶ。どうやらこういう所は世界共通であるらしい。


「というかアンタもアンタよ!何あの手の動き!参考にならないじゃない!」


笑っていたら、今度はこちらに飛び火してしまった。まぁ、雄貴の動きは明らかに人を止めてるレベルのものなので、こうなるのも当然であろう。


というより、身体能力のリミッターが外れてる雄貴はまだしも、これを生身で完璧にクリア出来る奴が居るというのが、世界の恐ろしい所である。


もうゴリラを超えて、神の領域に片足突っ込んでるまである。


「配信数時間で理論値叩き出すプレイヤー達が悪いんじゃないかな?」


譜面難易度のインフレは、日に日に酷くなるばかりである。


「は〜、もう疲れたわ。腕がもうパンパンよ。」


腕をぷるぷると振りながら言う。確かに由橘乃の細腕にはキツい、体力譜面だったろう。


「もう18:30だし、そろそろ帰ろうか。幾分か治安も悪くなるし、この間みたいに安曇さんに絡んで来るかもしれないし。」


「…そうね。絡まれてもアンタがどうにかしてくれそうだけど、面倒事は避けた方が良いわね。」


「おし、じゃあ帰ろうか。」


そう言って、筐体の前から離れようとするが、何か言いたげな由橘乃が口を開いた。


「あ、あの、この後時間が…携帯電話?」


何かを言いかけた由橘乃が動きを止める。何ともタイミングが悪いが、雄貴の携帯に着信が入ってしまったのだ。


「あ〜、こりゃ対策課からだな。ちょっと出るね。」


「う、うん。」


タイミングの悪さに、少し苦笑いして電話に出る。


「はい。…はい…はい、了解しました。」


そう言って通話を終了させる。


「えっと、やっぱり事件?」


遠慮がちに聞いてきた由橘乃。少し不満そうな顔してるのは、気の所為だろう。


「うん、そうだった。軽くノして来るよ。変な奴に絡まれたら、俺に電話して。必ず駆け付けるから。」


「うん、分かったわ。じゃあ気を付けて。」


「安曇さんも!」


軽く手を振り、この場を後にする雄貴。由橘乃が何を言いかけたのか知りたかったが、その時間は無い。まぁそのうち聞けるだろう。


「残念ね…。」


残された由橘乃の呟きは、雄貴の耳に届く事は無かった。

_____________________________________________


「よし、こんぐらいで良いか!お疲れさん。もう帰って良いぞ!」


資料とにらめっこしていた優斗巡査部長が、顔を上げて、元気良く言う。


「はい、了解です。お先に失礼します。」


「女とする時は、ちゃんと気を付けろよ〜。その歳で子持ちは辛いからなぁ〜。」


「…アンタ、何時か俺にぶっ飛ばされますよ?」


優斗の下品な軽口に、顔を顰めながら返す。言いたい事は理解出来るが、いきなりする話としては、非常に不適切な物だろう。


「そこは誰か、じゃなくて、俺、なんだな。まぁ知り合いには、何人かそういう奴が居るから、お前にはそうなって欲しくないんだ。」


「何か真面目そうな話してますが、完全に顔がニヤけてますよ?巫山戯てますよね?」


「あちゃあバレたか。いや〜、最近雄貴から、女の匂いがするからさ。しかも複数人。」


「…優斗さんの鼻は、警察犬並ですか?」


シンシアとは、以前から比較的仲良くしてたが、最近になって夏帆と由橘乃と、少し距離が近付いたので、その事を指摘されたのだろう。とんでもない嗅覚である。


「ま、お前なら羽目は外さんだろうが、失敗して学ぶのが若者だからな。何かをやらかしてからじゃ、遅い時もあるんだ。」


「んで、本音は?」


「雄貴が女の子とイチャイチャとか、めっちゃ見てみてぇ!どんな顔するんだろう!」


「ヲイ!」


たまには良い事を言うと思ったら、本音は酷い物で、上司である優斗に、思わずツッコミを入れてしまった。


「お、何か通知が来てるぞ?見なくて良いのか?」


「え、あ、はい…。」


ツッコミから逃れる為か、机の上に置きっぱなしになっていた雄貴のスマホを指し、そんな事を言ってきた。


開いて見ると、由橘乃からのチャットで、特に急を要する内容では無かった。


「ほほう…『今日はありがとう』か。中々やるな。」


「優斗さん?アイアンクローとスタマッククロー。どちらが宜しいですか?」


画面を覗き込んで来た優斗に、目が笑ってない笑顔で、究極の二択を突き付ける。


「い、胃だと、色々と内容物が飛び出そうだから、頭で勘弁して下さい!」


「はぁ…。ま、隠すような事じゃありませんし、別に良いですよ。」


「良いのか。ま、確かに色気もへったくれもない会話だな。」


「色気が無くて悪かったっすね。そういう訳ですので、優斗さんが期待してるような事は、何にも無いっすよ。」


「えぇ〜、つまらねぇ〜。あ、ラーメン奢るから、最近の学校での話を聞かせてくれよ。なっ!良いだろ?」


「教えるかどうかはさておき、取り敢えずゴチになります。」


お誘い自体は有難いので、喜んで了承する。これから夕食を用意するのも、面倒なので、丁度良いだろう。


由橘乃に、『こちらこそ』と返信してから、優斗に着いていくのだった。

優斗は良い人です。

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