73 大切な一つの父上との約束
幼い俺が父上と二人で遊んで貰っている光景に、一瞬驚くものの、何だか、この場面は知っている気がした
そう俺が不意に遊んでいたとき、父上を見ると、ときどき遠くを見ていたり、苦しげだけど俺を見るときだけ笑顔で
何処か遠くに父上が消えてしまうんじゃないか?
とか思ったりした。
だから┄┄
「ねえ┄とーたん」
と声をかけたんだ
すると父上は、俺に振り向き、いつもの暖かな笑顔を見せる
「うん?┄なんだい、私の大好きなシリウス」
ギューーっと抱きしめてくれ、父上の包みこむ暖かさと安心感から、ホッとする安堵がきたんだ
ああ┄父上だと、ここにいるのだと
だから嬉しくて喜んだんだ、でも┄本当にいなくならないの? と何処か不安で父上に聞いた
「おとーたんは、どこもいかない?」
「え?┄ど、どうして、そう思うんだい?」
「おとーたんと、僕と、おかーたんと一緒に、幸せだあから、ずっと、いたいの」
「うん、そうだね。私も一緒にずーーっといたいかもね」
「いて、くれる?」
少し曖昧で、不安は拭えなくて、父上からは絶対にいなくならないでほしい、そんな思いと願いがあって呟く
でも父上は頷いてくれず、余計に不安が募ってしまう、そのとき父上は俺の様子に気づいて、何かを思い付いたらしく、俺の頭に手をおく
「なあシリウス、お父さんと秘密の約束しないかい?」
「やーとく?」
「そう、約束だよ。お母さんに内緒で男同士の約束だ、どうする?」
う~ん、う~んと考える。
秘密の約束で、たった一つの父上との約束があれば、父上と一緒に入れる。ずっと、ずっと
だから┄離れないで
そう思い、父上を見るとまっすぐに決意を決めて見つめる。
父上は俺の決意が何であれ、同じ質問をしてくるが、ぎゅっと胸にあて約束したい意図を伝える
「うん、おとーたんと、ひーいつのやーとくする!」
「そうか、なら約束はな。強く生きて自分だけの幸せを掴め、そして大事な人を命がけで守るんだ」
「自分だけのしやあせ?┄大事な人を命がけで守る?」
「┄そう、お前の幸せだ。いつか自分だけに大事な人が現れ、ピンチを救える男になれってことだ」
「僕に大事な人って出来る、かな? いまはおとーたんとおかーたんが一番大好きなのに」
「┄┄┄」
父上は俺の言葉に、クッと辛そうなのに、嬉しそうな表情をして抱きつき
「┄私もシリウスが大好きだよ」
少し震えるように、抱きついてこられて、俺もしっかりと父上がいなくならないように祈りをこめて、抱きつき返していた。
◆◇◆◇
ハッと光景とシンクロしていた事に気づき、ポタポタと涙が頬を伝っていた
俺は慌てて涙を拭うと、ラーナリアが頭を撫でてくるせいで、胸が苦しくなっていることが嫌でも気づいてしまい
『┄俺、父上に愛されてたんだな』
と呟き、顔は下に附せて腕で表情を隠した
『約束を思い出したのですね』
『うん。俺にとって忘れたらいけない、たった一つの約束だったんだ』
『そうですね。なら、覚えて下さい』
『ああ』
大事な中にミラ嬢がいて、使用人や両親が俺にとって大事な存在だ。
いまなら、そう思える。
両親が俺を疎ましくなく、大事だと感じたから




