エッセイ『年上同期が学校を退学した話』
『年上同期が学校を退学した話』
私は大学二年生の時に鬱を患い、退学する事になりました。
まぁそれ自体はどうでも良くて、すぐに俳優の専門学校に通う事になりました。
そこで色々面談やら何やらの入学試験を受けたのですが、集団面接の実技試験で「『サイレント』で部屋を掃除していたらふと昔の彼女の写真がヒラリと落ちて、それに気付いて何かを感じた後、その写真を捨てる(またはしまう)」演技をしろと言われ、その時、後に同期になる私より四つ年上の男が普通に「ん?何だこれ?あぁ、昔の彼女か……捨てるか……」と全部口に出して演じていました。
いや「サイレントで」って言われたやろ。と思いつつ、次の実技試験では重い段ボールを持つパントマイムをやれとの事で、私は普通に持ち上げました。しかしその男は最初は手を広げて腰を下ろし「せーのっ!」と立ち上がったのですが、その手は小箱くらいに小さくなっており、試験監督が「インゴットだったのか……」と圧縮されたその箱(空気)を見て笑っていました。私も笑いました。
そんな彼が入学出来て、同じクラスになったのですが、そこで中間発表をする事になり、四人一組の計六チームに分かれて各々演技していました。
するととあるチームからそのさっきの漢が抜けたから代打で入ってくれないかと言われ、快諾しました。
「でも何で?」と思って中間発表後にそのチームのリーダーに聞いてみると、どうやら同じクラスの女子を好きになって告白したらしく、見事撃沈。
一言も話してなくて、遊んだりした事も無くて、その挙句、同じチームですらないのに勝手に告白して勝手に振られて勝手に退学していきました。
しかも本当なら自分の出番が終わったら他のクラスの中間発表を観に行かなければいけないところだったのに、ソイツのせいで打ち合わせをしなければならなくなって他のクラスの中間発表を観れず、担任の先生に怒られました。
何だったんだアイツ、マジで……




