オシリアスの海近辺 2
「貴様、"それ"の事を被験体と言ったな?」
「うん」
「なら、其れ事ぶっ壊してやるよ・・・!」
褐色の女性が言い放った直後、もっと全身に感じる痛み強くなったかと思ったら、視界がブラックアウトした。
「あれ・・・?」
想像を絶する激痛を何度か体感した影響か恍惚とした感じはしなくなってしまったみたい。
顔がダラしなく無くなるのは良いことだけど
あのボーッとする感じ、本音を言うと好きだったからちょっと残念。
視界が戻ると写ったのは、特に変わった様子の無いユーシィさんの姿。でも、気のせいか視界のラインが下がった気がする。
足元に視線を移すと、平らだった筈の地面がゴッソリ抉られているのがわかった、視界のラインが下がった気がしたのはこの為か。
「な・・・何が起きたんです?」
「おっ、酔っ払わなくなったじゃん」
「えぇ、この通り、普通に話せるようになりました」
「良かったね〜・・・だってさ〜」
「な!?"無"からの完全再生だと・・・!?いや、そももそも再生ですらない、最早【創生】だ・・・」
ユーシィさんと褐色の女性が会話を初めてしまった
私が聞いてたのに。
「私の質問、無視しないでくださいよ!」
「ん?・・・あぁ!ごめんごめん!今、何が起きたかって?めっちゃでかい魔法の光を私の図上にオッシーが落としたの、だからホラ地面がこんなになってる」
やはり、立っている地形が変わっていたのは褐色の女性が何らかの魔法を使って攻撃したからだろう
私と・・・ユーシィさんに!?
「ユ、ユーシィさん、そんな攻撃受けて何で無事なんですか?」
「それ、キミが言う〜?」
「あぁ!もしかして、ユーシィさんも私と同じ不死?」
「ざんねーん、私は不死じゃなくて・・・」
ユーシィさんは視線を褐色の女性に移しながら話ながら話し続ける。
「【無敵】なだけって感じ?」
「その、【無敵】もここで破れる」
「お!やっぱり"何か"考えてんだ」
褐色の女性は自身の両手人差し指と小指の先端を合わせて
「獄界冷熱!!」
と、叫んだ。
その言葉が私には何を意味するかわからないけど、きっと何かの魔法の呪文なのだろう 。
私が見ていた魔法の映画や小説の登場人物だって「エクスなんとかローナ〜!」みたいな名称を魔法を使う時に言ってたし・・・・・・・・・って・・・あれ?
急に全身を針で刺される様な寒さになったと思えば、また焼ける様に暑くなって、更にまた鋭利な寒さになったかと思いきや、そのまた更にマグマの中にいるみたいな暑さにと・・・次々と体感している温度がループするように激しく移り変っている。
冷えて地面が凍ったかと思えば、直ぐに暑さで蒸発し、冷えるとまた地面は凍るの繰り返し
あぁ・・・なんて極楽なのだろう・・・・・・
熱の「痛み」の次は冷の「痛み」と痛みの味変が出来るなんて・・・・・・
「・・・ッ!その娘、いったい何者なんだ・・・ッ!」
「だから、被験体だって〜私の魔法実験の」
「そうではない!!」
「そりゃ、"分かんない"から被験体にしてるんだけど?」
「貴様、どこの国の者だ?」
「え?わ、わらしですか・・・?」
しまった!気持ち良さのあまり、また呂律が回らなくなってしまっているし、口元もダラしなくなっちゃった!
「ち、違う・・・世界から・・・決まひた・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「ああ!気にしないで!彼女、痛いと酔っ払いみたいな感じになるから」
「貴様、いつの間に拷問が癖に・・・・・・」
「いやいや!私にそんな趣味ないって!彼女は元からこうだったのー!私が拷問して感覚を壊したんじゃないよ!」
「貴様の事だ、魔法実験の後遺症で"それ"の精神構造が変わったのでは無いか?」
「だから違うってばー!」
「だが、お前の研究は今、終わる」
その刹那、ユーシィさんの前に黒い何かの"模様"が出現したかと思えば、"模様"から黒い光の光線が複数発射され、ユーシィさんの全身を貫いた。
「ゆ・・・ユーシィさん!?」
ユーシィさんは身体中に魔法の攻撃で全身に複数の穴を空けられても倒れる気配がない
もしかて・・・立ったまま死んで・・・・・・・・・
「いや〜!"四魔法の重ね掛け"とか、オッシーもやるようになったね〜」
ユーシィさんは顔にも穴が空いて口が半分しか残っていないのにも関わらず、楽しそうに声を発した。
「ぶっちゃけ、結構ビックリしてるよ〜、だってさ、前まで三魔法が限界だったじゃん」
「チッ・・・・・・!」
「思ってたより、強くなったんだね!んじゃ、お返し〜」
全身に穴が空いたままのユーシィさんが言うと
ユーシィさんを貫いた
空中に出現した模様から放たれた
複数の黒い光の光線と同じ光線が
同じく褐色肌の女性の目の前に出現した"模様"から複数発射され、女性の身体を貫いた。
全身を貫かれた褐色の女性は、貫通した箇所から多量の流血を流しながら、身体中に穴を開けたまま崩れるように倒れた。




