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大魔女の工房 その2


「とりあえず、お話の続きは食べながらやろうぜ〜焼きたてのクッキーが冷めちまうぜ」


「い・・・いただきます・・・」


一見、前世の頃に見たクッキーとなんら変わらない形の焼き菓子がバケットの中に山盛りに盛り付けられている。


私はその山盛りのクッキーの中から一つ、四角い真ん中にナッツが埋め込まれたクッキーを掴み、口の中まで運んだ。



サクッ・・・



「お・・・美味しい!」



口に入れた瞬間、程よい甘さが舌に広がったかと思えば、ほのかな塩味にナッツの香ばしさが口の中いっぱいに広がって幸せ〜・・・。



・・・って私いつの間に心の中で前世の頃に見た


グルメ番組のコメント見たいな事が出来るように?




「そうでしょう!そーうでしょーーう!なんせ、【オシリアスの海】で取れる塩と、砂糖は


【アルケディスの山】近辺に30年に一度50本くらい生えるサトウキビに私の魔法で旨味を引き上げて作った特製なんだから!」



ユーシィさんは自慢気に腰に手を当てながら。


えへん!と言わんばかりに胸を張って見せた。



〇〇の海とか、〇〇の山なんて言われても、私はこの世界に来たばかりで、それがどこにある場所なのかも、わからない。




「あ!ごめんごめん、キミ、【オシリアスの海】とか言われても、わかんないよね?この世界に来たばかりなんでしょう?」


「はい・・・そう・・・です・・・ね・・・」




どうやら、私の顔を見て私がわかってない事にユーシィさんが気づいた様子




「まず、この世界には魔神のトップである魔神王デュランを首席とした、九人の魔神が君臨してるわけね、んで〜」




私はもう一個別のクッキーをバケットの中から取り出してサクサクと食べながらユーシィさんの話を聞いている。




「魔神達は各々、好きな地域を拠点にしてるんだけど、並の""冒険者""や並の""魔法使い""じゃあ絶対的に拠点の中まで辿り着くのは不可能と断言出来るくらい超危険地帯!生息している凶暴で強力な魔物達に加え、環境も極寒地帯だったり、高ランクの耐熱魔法を掛けないと確実に死ぬくらい、どれもやば~い場所なの!まぁ、私は大魔女だから余裕だけどね〜」




最後の言葉を自慢気にハサッと横髪を払いながら言うユーシィさん・・・自慢するの結構好きなのかな?




「すごいですね・・・」




「あ、あまり本気で思ってないな〜?


まぁ、いいや・・・今言った【オシリアスの海】も例に漏れず辿り着くまでの環境が最悪でね、""その海""まで辿り着ける者はアタシ含めて、この世に3人しかいないんだよ」




「どんな風に最悪なんですか?」




「えっとね・・・まず、Sランクの状態異常無効の魔法でしか防げない毒霧が舞って、更に気温がランダムで変わるんだよね、それがまた極端で一瞬で凍てついてしまう程の寒さになったかと思えば、人間が生身で居れば皮膚が一瞬にして焼け爛れてしまうくらいの熱くなる」




なんて・・・なんて・・・・・・・




なんて素晴らしい所なんだろう!!!


入っただけで毒の痛みと極寒の痛みと焼け爛れる痛 みを体感出来るなんて!羨ましい!そんな楽園に行った事があるなんて羨まし過ぎますよおおお!!




「あの・・・ユーシィさん・・・・・・」




「【オシリアスの海】まで・・・わ・・・私も・・・行ってみたいでしゅ・・・じゅるっ・・・ひひっ・・・ひひっ・・・」




「い・・・良いけど・・・一旦落ち着こっか」




ユーシィさんは激痛による"快楽"に酩酊とし、口元が緩まった口で笑みを浮かべている私の顔を見て少し引いてる様だった。

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