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アン・エンカウンター・ライク・ア・ガールズコミック

ハチオウジギアの世界観で起きる短編です。

ある女子高生の朝の出来事。


隔週日曜日20時に更新。作成状況によっては不定期になります。


※ハチオウジギア、ハチオウジ鬼譚と同じ世界観で起きる出来事です。独立して読めます。

ページ下部にも関連作品リンクあります。





 高校二年生の浅尾あさおキナは急いで家を飛び出す。微熱のせいで寝坊した。今日は大事な始業式なのに。


「遅刻、遅刻しちゃう!」


 キナは食パンをくわえ、スカートを揺らしながら住宅街を駆け抜ける。四月の朝、風がやわらかい。

 曲がり角の向こうから、近所に住む憧れの先輩、サッカー部の平田サルオが歩いてくるのが見えた。


「あ、平田先輩!」


 少女漫画なら、ここでぶつかって甘酸っぱい展開が始まる。胸がほんの少し高鳴った。


 でも、現実的にこのスピードでぶつかるのはさすがにまずい。身を守るように両手を構える。


「危ない! 先輩、ごめんな……」


 その瞬間、突如としてキナの中心が熱を持つ。両手が光り輝いた。眩しい。全身が焼けるように熱い。


「え?」


 平田がこちらに気づき、目を見開いた。キナの両手が平田の胸元にぶつかる。


 その瞬間、パァァァァァァァァン、凄まじい衝撃。


 平田が目の前から消え、まるで赤い水風船が破裂したかのように真っ赤なものが辺りに飛び散る。


 キナが立ち止まる、ザー、赤い雨が降り注いだ。


 両手に赤黒いものや豆腐のように白いものが絡みついている。制服は真っ赤な血にまみれていた。


 足元には平田のローファーがちぎれた足首を覗かせたまま、左右に転がっている。


「あ……」


 目線を落とす。口にくわえていたパンが苺ジャムを塗りたくったように真っ赤だ。


 血の海と化した通学路の真ん中でキナは真っ赤な両手で頭を抱えた。意識してないのに口元が引きつる。


「えーと……始業式……どうしよう」


 青空がやけに目にしみる。服を着替えないと。そんなことしか考えられない。



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