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『ラウンド1から世界へ。』  作者: 龍崎
第3章 CHRONOS STRIKE PRO LEAGUE

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第1話 CSPL開幕特番

CSPL開幕まで残り十日。ORBITのチームハウスでは朝から対戦台の音が鳴り続いていた。LEGACY優勝から一か月が経過し、MINATOは世界王者として様々な注目を集めていたが、チームの空気は浮かれていない。むしろ開幕が近付くにつれて緊張感は増していた。五大大会は個人戦だが、CSPLはチーム戦。自分が勝つだけでは意味がなく、チーム全体で勝ち点を積み重ねなければならない。


午前中の練習を終えた四人はミーティングルームへ集まっていた。今日はCSPL開幕特番の日。参加チームとディビジョン分けが発表される。


「いよいよですね」


MINATOがモニターを見ながら言う。


「楽しみか?」


REIGNが聞く。


「半分くらいです」


「残り半分は?」


「嫌な予感です」


「分かる」


REIGNが笑った。


やがて配信が始まる。


画面には実況の神谷レンと解説の白石アキラが映し出された。


「皆さんお待たせしました!」


「本日はCSPL開幕特番です!」


コメント欄が一気に流れ始める。


『きたああああ!』


『待ってた!』


『CSPL!』


『リーグ開幕!』


『今年楽しみすぎる!』


神谷も興奮していた。


「今シーズンは全十二チーム体制!」


「そして今年から二ディビジョン制が採用されます!」


会場が沸く。


コメント欄も加速する。


『おおおおお!』


『ディビジョン制!?』


『ついにか!』


『楽しそう!』


白石も頷いた。


「各ディビジョン六チームですね」


「レギュラーシーズンでは同ディビジョンとの対戦が中心になります」


「ここで順位争いを行い、上位チームがプレーオフへ進出します」


そして。


神谷が声を張る。


「それでは発表しましょう!」


「DIVISION Aです!」


大型モニターへチーム名が表示される。


⸻


DIVISION A


RAVEN’S NEST


PHOENIX


VORTEX


GENESIS


METEOR


ORBIT


⸻


会場がざわつく。


コメント欄も一気に流れる。


『ORBITきた!』


『レイヴンいるじゃん!』


『地獄だろ!』


『王者チームいる!』


『開幕からきつい!』


MINATOも思わず笑った。


「いるじゃないですか」


「いるな」


REIGNも苦笑する。


RAVEN’S NEST。


リーグ優勝二回を誇る絶対王者。


開幕前優勝候補筆頭だった。


ACEもモニターを見ながら言う。


「いきなり最大の山ですね」


ZEROは短く答える。


「面白い」


そして神谷が続ける。


「続いてDIVISION B!」


再びモニターが切り替わる。


⸻


DIVISION B


LIBERTY


AEGIS


CRIMSON


VALOR


LEGION


MIRAGE


⸻


こちらも歓声が上がる。


『Bもやばい』


『LIBERTYいる』


『AEGISいる』


『強豪しかいない』


『どっちも地獄じゃん』


白石も苦笑する。


「綺麗に分かれましたね」


「どちらもレベルが高い」


「プレーオフ争いは最後まで分からないと思います」


ディビジョン発表後は各チーム紹介が行われた。名門RAVEN’S NEST、近年急成長を遂げたLIBERTY、堅実な強豪AEGIS、伝統のPHOENIX。次々と紹介映像が流れるたびに会場が盛り上がる。


そしてORBIT。


LEGACY優勝シーン。


REIGNの世界大会優勝映像。


ACEの分析映像。


ZEROの国際大会ハイライト。


最後にMINATOがトロフィーを掲げるシーンが映し出された。


コメント欄が爆発する。


『世界王者!』


『MINATO!』


『優勝候補!』


『新規参入!』


『期待しかない!』


しかしその後に発表された開幕前順位予想で再び会場がざわつく。


⸻


DIVISION A順位予想


1位 RAVEN’S NEST


2位 PHOENIX


3位 VORTEX


4位 GENESIS


5位 ORBIT


6位 METEOR


⸻


『低くね!?』


『ORBIT五位!?』


『世界王者いるぞ!?』


『実績評価か』


神谷も説明する。


「ORBITは新規参入チームです!」


「戦力は非常に高く評価されていますが、リーグ実績がありません!」


白石も続ける。


「強いチームと強い選手は必ずしも同じではありません」


「そこがリーグの難しさですね」


MINATOは順位表を見ながら小さく息を吐いた。


世界王者になった。


だがCSPLではまだ何も成し遂げていない。


評価を覆すなら結果を出すしかない。


配信終了後、部屋は静かになった。


SAGEが全員を見る。


「目標は変わりません」


誰も答えない。


答える必要がなかった。


ディビジョン。


順位予想。


下馬評。


そんなものは関係ない。


目指す場所はただ一つ。


CSPL王者。


日本最強チーム。


ORBITの新たな挑戦が、いよいよ始まろうとしていた。

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