州都スプレームスにゃん
○アポリト州 州都スプレームス
既に夕刻を過ぎていたが、予定よりも早くアポリト州の州都スプレームスに到着した。
門を守る守備隊の隊員たちは護送袋の多さにぎょっとしていたが特に引き止めることはせず、形だけのチェックで通してくれた。
「にゃあ、そんなに離れてないのにアルボラと雰囲気がかなり違うにゃんね」
「そうだね」
オパルスに比べると街全体が茶色っぽくて年季の入った建物が多い。
建築様式が違っていて日干し煉瓦みたいな建材が使われていた。
オレの知ってる中東っぽい雰囲気だ。
営業時間ギリギリ滑り込みで冒険者ギルドに入った。
○アポリト州 州都スプレームス 冒険者ギルド 裏庭
「おいおい、守備隊の連中をこんなに捕まえたのか?」
ザックと似た雰囲気のスプレームスの冒険者ギルドの買い取り担当が呆れた顔をした。
「何かマズいのか?」
ラルフが代表して問い掛ける。
「いや、問題はない、厄介な連中を片付けてくれてこっちはありがたいぐらいだ、良くこれだけ捕まえられたってことさ」
「こっちは魔法使いがいるからな」
「そいつは羨ましい、こっちじゃ魔法使いで冒険者をやろうなんて変わり者は滅多にいないからな」
買い取り担当はカティを見ている。
まさか六歳児のオレが捕まえたとは思ってない様だ。
「守備隊崩れの盗賊が全部で十六だな、こいつらは一人に大金貨二枚だ」
「へえ、随分と高いんだな」
「こいつらは以前から黒い噂の絶えないヤツらだったからな、それなりに色を付けさせてもらった」
「どうする?」
ラルフの問い掛けにオレは黙って頷いた。
「それで問題ない」
大金貨三二枚をもらった。
○アポリト州 州都スプレームス ホテル
ロッジは出さず冒険者ギルドに近いホテルを取る。
本当は裏庭を借りたかったのだが、裏庭はテントがあふれていてとてもじゃないが割り込める状態では無かった。
しかも冒険者じゃなくて商人がほとんどだ。
駆け出しの若いのが宿泊代を浮かせてるのだろうか、若いのが多い。
オレたちが宿泊するホテルとは名ばかりの宿屋は一応、冒険者ギルドお勧めって事になってる。
「にゃあ、まだプリンキピウムの子ブタ亭の方が高級に感じるにゃん」
日干し煉瓦みたいな壁に鉄格子が入っただけの窓。
ガラスは無くて板の戸があるだけだ。
木製のベッドは有るが布団がない。
良く言えば異国情緒あふれる部屋だが、実際は昔の刑務所みたいだ。
毛布はレンタルらしい。
ランプもレンタルなので手持ちの魔導具で明かりを点けた。
「同じ州都だけあって料金だけはオパルス並にゃん」
「仕方ありません、アポリト州も貧しく遅れた州ですから」
オレとリーリとカティが同室でアレシアとラルフ兄妹は隣の部屋だ。
「布団はオレが用意するにゃん、その前にウォッシュにゃん」
部屋全体をウォッシュする。
「これで一息つけるにゃん」
「そうですね」
「柔らかい!」
リーリはフワフワの布団にダイブした。
「州都だけあって人が多いにゃん」
窓の下の通りは多くの人が行き来していた。
壁に触れると日干し煉瓦というよりもっと目の粗い砂を固めたような感触だ。
オレの知識にはない代物だ。
「にゃあ、これって砂を固めてるにゃん?」
「そうらしいですね、特別な方法で固めてると聞いたことがあります、大公国の特産品ですね」
どうやら二種類の砂の配合に秘密が有るようだ。
「にゃあ、トイレを置くスペースはあるにゃんね」
「トイレですか?」
「にゃあ、ボットン便所は苦手にゃん」
「もしかしてロッジのトイレと同じ物ですか?」
「そうにゃん」
「それを部屋の中に置くのですか?」
「にゃあ、以前に作ったから出すだけにゃん、音も臭いも漏れないから心配ご無用にゃん」
「心配はしていませんが」
「出すにゃん」
トイレを設えた小さな個室を再生した。
「スペース的にシャワーは我慢にゃんね、トイレと共有ならイケるにゃん」
「いえ、そこまで贅沢は言いません」
ノックの音がした。
「夜のご飯なんだけど外は危ないから……って、ネコちゃんたちの部屋、どうなってるの!?」
扉を開けたのはアレシアだった。その後ろにラルフもいる。
「部屋全体をウォッシュしたにゃん」
「そんなことまで出来ちゃうの?」
「難しくはないにゃん」
「ええ、難しくは有りませんが魔力の消費が激しいので普通は無理です」
「にゃあ、アレシアたちの部屋もウォッシュするにゃん?」
「いいの?」
「いや、いくらマコトでも魔力の無駄遣いは自重しろ」
ラルフが顔を出す。
「にゃあ、何をいまさらにゃん、オレの魔力はウォッシュ程度でどうこうはならないにゃん」
「マコトなら心配ご無用だよ!」
リーリが保証してくれる。
隣の部屋もウォッシュしてやった。
ついでに布団とランプも出してやる。
「トイレも出してあげたらいいんじゃない?」
「「トイレ?」」
リーリの提案にアレシアとラルフが声をハモらせた。
「そうにゃんね、トイレもサービスしてやるにゃん、何かあったら部屋のトイレに逃げ込むにゃん」
ラルフとアレシアの部屋にもトイレの個室を再生した。
「このトイレにか?」
「ホテルが崩れ落ちてもトイレの中は安全にゃん」
「既にトイレじゃないね」
「何事にも備えは必要にゃん」
「そうだね、他所の領地だから気を付けないとね」
「治安が悪い場所ですから部屋の外に出なくて済むのは助かります」
「にゃあ、そんなに治安が悪いにゃん? 外にいっぱい人がいるのに」
「外にいるのは、ほとんど地元の人間だ。よそ者は直ぐに厄介事に巻き込まれるから夜は宿から出ないのが基本だ」
「マジにゃん?」
「否定はしないです、犯罪ギルドの人間も多いですから」
「にゃあ、だったら取り放題にゃん」
狩り的な意味で。
「マコトさんならそうですね」
「今回は駄目だぞ」
「にゃあ、わかってるにゃん」
「オレは外に出て情報を集めてくる、おまえらはホテルから出るなよ」
「どうしてにゃん?」
「トラブルになれば貴重な時間を浪費する」
「にゃあ、浪費なんてしないにゃん」
「倒しても後で面倒なことになる、犯罪ギルドが守備隊をやってる様な場所だからな、アルボラの常識は通用しないぞ」
「にゃあ、犯罪ギルドと言えばホテルに入った辺りからずっと見張られてるにゃん」
「本当なの?」
「マコトさんの仰る通りです」
「全然気付かなかった」
「にゃあ、魔法使いじゃないとわかりづらいにゃん」
人混みに隠れてこちらを監視してる人影が全部で四つあった。
こちらから探査魔法を打つまでもなくカタギじゃないのがわかる。
ヤツらはごく弱い指向性の監視魔法を使ってる。
魔法使い相手にそれは逆に目立つ行為なのだが知らないらしい。
「おまえらなら何があっても大丈夫だと思うが用心は忘れるなよ」
「にゃあ、ラルフもにゃん、帰りが遅かったら迎えに行くにゃんよ、もちろん証拠は残さないから安心していいにゃん」
「マコトだったら邪魔者は全員ぶっ飛ばしてくれるよ!」
「俺がヘマしたら街が大変なことになりそうだな」
「そうなりますね」
「バレなきゃいいんじゃない?」
「にゃあ、アレシアの案を採用にゃん」
ラルフは心配そうに何度も振り返りながらホテルを出て行き、オレたちは部屋で夕食を摂ることにした。
このホテルにレストランが併設されてないので仕方ない。
ベッドを格納してテーブルを出す。
「にゃあ、せっかく他所の州都に来たのに現地の美味しいものが食べられないのは残念にゃんね」
「まったくだよ」
妖精がテーブルの上で憤慨してる。
「アポリト州で初めてちゃんと人のいる街に来たのにね」
「にゃあ、スプレームスの美味しいものは何か教えて欲しいにゃん」
「美味しいものですか?」
「それあたしも興味がある」
「なになに?」
オレたちはカティを見詰める。
「残念ながら私もわかりません」
カティは肩をすくめた。
「スプレームスに美味しいものがあるなんて聞いたことがありませんし」
「にゃお」
「やっぱり、そうか」
妖精は予想していた様だ。
「ネコちゃんがレストランを始めたら大繁盛しそうね」
「強盗が毎日来そうにゃん」
「マコトさんなら王都でも十分通用すると思います」
「にゃあ、カティは王都に行ったことがあるにゃん?」
「はい、十五の頃に一年間ほど王立魔法大学に在籍してましたので」
「にゃあ、スゴいにゃん」
「マコトさんなら直ぐに入れますよ」
「にゃあ、面白そうだけどオレもいろいろ有るから直ぐに王都に行くわけにはいかないにゃん」
「王都は別の意味で怖いから用心しないとね」
「アレシアも王都は詳しいにゃん?」
「何を隠そうあたしと兄さんは王都出身なんだよ」
「にゃあ、アレシアとラルフって貴族様にゃん?」
「違うよ、ウチは先祖代々城壁の外に住んでる庶民だよ、王都で職にあぶれてはるばるアルボラまで流れて来たの」
「にゃあ、あぶれてるって言っても州都の冒険者ギルドに入ったんだから普通の庶民と違うにゃん」
「ですよね、冒険者ギルドの職員になるのは大変だと聞きましたから」
「ネコちゃんもカティも入りたいなら直ぐに入れるわよ」
「にゃあ、オレは遠慮するにゃん、六歳児が働く場所ではないにゃん」
「ネコちゃんだったら平気だと思うよ、その代わりこき使われるけど」
「ですよね」
「にゃあ、カティなんか今でもこき使われてるにゃん」
「そんなことはないですよ、自分の責務を果たしてるだけです」
「既に洗脳されてるにゃん」
「だね」
妖精も深く頷く。
「そうかもね、カティはもっと自由にしていいんだよ」
「これでも自由にやってるつもりだったんですが」
「にゃあ、洗脳とはそういうものにゃん、州都なんて金にならないところはさっさと撤退することをお勧めするにゃん」
「ちょっと待ってネコちゃん、いまカティに抜けられるのはマズいんですけど、Bランクの魔法使いの冒険者なんて滅多にいないもの」
「そうにゃん?」
「普通は王都でもっと楽に稼いでるもの」
「にゃあ、それは聞いたことがあるにゃん」
「王都でまともな仕事に就くには、ちゃんとした後ろ盾が必要ですから、私には無理なんです」
「あー、それはあるかも」
「ちょっと怪しい仕事ならいっぱいありますけど」
「にゃあ、そっちのほうが稼げそうにゃんね」
「ネコちゃん、やる気を出さないで」
「報酬が高い仕事はそれ以上のリスクが存在しますからお勧めはしません」
「にゃあ、それは仕方ないにゃんね」
「報酬が高い仕事って例えばどんな仕事があるの?」
アレシアも実は興味津々だ。
「犯罪ギルドの用心棒とか、宮廷魔導師の下請けみたいな仕事です」
「にゃあ、犯罪ギルドはともかく宮廷魔導師の仕事が危険にゃん?」
「下請けに振る仕事は地方での危険が伴うものが大半ですから」
「にゃあ、移動だけでも大変そうにゃん」
「盗賊も多いですから」
「にゃあ、盗族は何処でも出るにゃんね」
「それに自分のフィールドと他所では危険度が大きく変わります」
「だよね、旅は危険だもの」
「にゃあ、オレは平気だけど普通はそうにゃんね」
「危険なのは盗賊だけではありませんし、長く続けられた人は皆無らしいです」
「にゃあ、それでもやる人間はいるにゃん?」
「報酬に釣られて引き受ける人は少なくないみたいですね、ただ、そういう人は総じて魔力が低いみたいですね」
「冒険者の方が堅実に感じるわ」
「にゃあ、魔法使いなら一発当てたくなるにゃん」
「ネコちゃんもそうなの?」
「にゃあ、オレは堅実にゃん」
「う~ん、まあ、そうかな~」
リーリの歯切れが悪い。
「最近、プリンキピウムでホテルを手に入れたって聞いたよ」
「にゃあ、冒険者ギルドの職員だけに情報が早いにゃんね」
「ホテルですか?」
「にゃあ、たまたまプリンキピウムのお化け屋敷を格安で手に入れたら、そこがホテルだっただけにゃん」
「お化け屋敷だったのですか?」
「聖魔法を使えるネコちゃんの敵じゃないわね」
「にゃあ、実際にいたのは悪い魔法使いだったにゃん、高く売れたのでいい買い物だったにゃん」
「お化け屋敷のままホテルにしたんじゃないんでしょう?」
「にゃあ、大昔は貴族相手のリゾートホテルだったにゃん、それをベースにして作り直してるにゃん」
「何かスゴそう」
「はい、スゴそうです」
「うん、スゴいよ」
テーブルで仁王立ちの妖精。
「にゃあ、でもまだオープンしてないにゃん」
「プリンキピウムで貴族相手に商売なんてできるの?」
「無理にゃんね、プリンキピウムで貴族は見たことがないにゃん」
「辺境の街だからね」
「これからはマコトさんがいるから一人は確保できましたね」
「にゃあ、貴族と言われてもまだピンと来ないにゃん」
「仕方ないよ、まだプリンキピウムに帰ってないし」
「帰ったら変わるにゃん?」
「マコトさんの知行地ですから激変です」
「知行地だからって何をしてもいいわけじゃないから注意してね、ネコちゃんなら大丈夫だと思うけど」
「マコトさんなら絶対に大丈夫ですよ」
「たぶん、大丈夫かな?」
妖精はいまいち信用してないようだ。
「オレだって変な事をするつもりはないにゃんよ、それより便利に使い倒されそうにゃん」
「ネコちゃんだったらありそう」
「優しいですからね」
「そんなでもないにゃんよ」
「便利なのは間違いないね、マコト、あたしにお風呂出して」
「にゃあ」
テーブルにリーリサイズのお風呂を出してやった。
リーリはチャプと風呂に入る。
「ネコちゃんをいちばん便利に使ってるのは妖精さんね」
「あたしはいいんだよ、だってマコトはあたしのものだもん」
「にゃ?」
いつの間にかオレはリーリの所有物になっていた。
○帝国暦 二七三〇年〇六月〇七日
翌朝、顔を合わせたラルフは尋常じゃなく酒臭くなっていた。
「にゃあ、本当に情報収集してたにゃん? にゃお、お姉ちゃんのいる店でギルドの経費で遊んでたのと違うにゃん?」
「ただ酒飲み?」
「そうなんですか?」
「こっちの奴らはとにかく酒って連中が多いんだ、臭いなら酒を消してくれ」
ラルフは寝不足と深酒と疲労でヘロヘロになっていた。
「にゃあ」
ラルフの身体からアルコールを抜いてやる。ついでにウォッシュした。
「ふぅ~、生き返ったぜ」
おっさんみたいな貫禄があるが、それだけでしゃきっとするのだからやっぱ若いにゃんね。
「兄さんも大丈夫みたいだし、まずはフルゲオに向けて出発しましょう」
「ここからは馬車でいいにゃん?」
「ああ、馬車なら問題ないだろう、魔法車はヤメた方がいい」
「魔法車は駄目にゃん?」
「そうですね、フルゲオの貴族に絡まれてトラブルになります」
「ネコちゃんの珍しい魔法車を見せたら、あちらの貴族が取り上げようとするとか?」
「はい、彼らにアナトリ王国の法も常識も通用しません」
カティの言葉には実感が籠もっていた。
「馬鹿な貴族は、ぶっ飛ばしてもいいにゃん?」
「なるべくならヤメてくれ」
ラルフは首を横に振った。
「わかったにゃん、目立たないように努力するにゃん」
「やるなら絶対にバレないようにだぞ」
「にゃあ、止めないにゃんね」
「俺は無駄なことをしない質だからな」
「にゃあ、ラルフは良くわかってるにゃんね」
「誰だってわかる」
全員が頷いた。
○アポリト州 州都スプレームス 大通り
ホテルと言う名前の宿屋の前から四頭立ての馬車を出発させた。
冒険者ギルドとアナトリ王国の紋章の旗をたなびかせる。
御者台はラルフとカティが座ってオレとアレシアは荷台に乗る。
リーリはいつものようにオレの頭の上だ。
大通りを門に向かって馬車を走らせる。
通りはオパルスより多くの馬車で賑わっていた。
監視者はふたりに減っていた。
オレたちを追う意思は無さそうだ。
いまも魔法で監視してるが見送ってる感じ。
「暫くは交通量が多いから速度は出せないぞ」
ラルフが振り返って教えてくれる。
「抜け道はないにゃん?」
「この先はフルゲオ大公国との境界門になりますから抜け道はありません」
「結界でも張ってあるにゃん?」
「結界ももちろん有りますが、国境地帯は大昔の地雷や落とし穴があって境界門以外は事実上通れません」
「にゃ、地雷なんて有るにゃん?」
そんなものがこの世界にも存在するのか?
「人が近付くと爆発する厄介な魔導具だ」
「にゃあ、魔導具にゃんね」
世界が変わっても人を殺す道具は変わらずに存在するらしい。人間の考えることは大して変わらないみたいだ。
「落とし穴も厄介ですよ、生き埋めになります」
「にゃあ、探知魔法で避けられないにゃん?」
「当然、対策済みだ、探知魔法は効かない」
「マコトさんなら通り抜けられるかもしれませんが全員は無理だと思います」
「それ以前に道がないんじゃないか?」
「はい、ありません」
「時間が掛かってもおとなしく境界門を行くのが正解にゃんね」
「夜の移動はできないの?」
アレシアが質問する。
「国境地帯は夜間の移動が禁止されています」
「それ以前に死霊が大発生してる状況では夜間の移動は控えた方がいい」
「死霊が大発生して大変なことになってる割にフルゲオ大公国に向かう馬車が多いにゃんね」
「馬車の大部分は大公国側の国境の街エパネノス止まりですね、その先に行くのは大公国の人間だけだと思います」
「だったら国境の街を抜けたら速度を上げられそうにゃん」
「状況次第だな」
「空いてるとは言ってもあまり速度は出せないと思います」
「にゃあ、速度は御者に任せるにゃん」
「そうしてくれ」
○フルゲオ大公国 境界門
州都の門を通り抜けて国境に向かう。
ほんのわずかな距離でアナトリ王国とフルゲオ大公国の境界門がある。
「にゃあ、国境は直ぐそこにゃんね」
「州都スプレームスが国境と言ってもいいぐらいですから」
初めて見る国境の境界門は高速の料金所に似ていた。
「カードのチェックだけみたいにゃんね」
「荷物があると関税を取られるから時間が掛かるけどな」
荷物を乗せた馬車がたくさん並んでいる。
荷物のないオレたちはスムーズに国境を抜けた。
冒険者ギルドのカードを軽く見ただけで入国審査はOKだった。




