エピソードR
六甲は騒がしい雀の鳴き声で目が覚めた。憂鬱な内心とは対称的に、雀は陽気に囀ずる。
全く眠れなかった。昨晩、目隠しをされて連れ込まれた部屋で食事を振る舞われ、あれよあれよと世話を焼かれていた。料理に毒物は含まれておらず、痺れるような感覚も未だない。ただ退屈なだけである。日が昇り数を数えては憂鬱な気分になっていた。
一応不届き者が現れることを考えて、余裕がある時は耳を澄ましていた。部屋の前を通る足音は時折聞こえるが、話し声は一切聞こえない。家の形はそのままだが、内装は昔とは随分異なるようだった。目隠しをされて歩いた距離はそう遠くないように思えたが、自分の知る実家の面影はとうに失せていた。
「何も悪いことはしないのに、信じられないらしい」
六甲は武器は奪われ、屋内のため靴もない。おまけに部屋の外には交代で女中が待機している。完全なる軟禁。あまりに不当な扱いだと思う。しかし六甲に心当たりが無いわけではなかった。
何回にも渡る職権乱用、実家の威光を振りかざして上司に取引を持ち出したこともある。その他色々やらかしていたため、今の扱いにも納得がいかないわけではない。
「どうですか、休めましたか?」
穏やかな声で部屋の外から、嫌なヤツが顔を出した。猫を被り直し、本性を上手く隠している。だがその皮の下に隠れる本性が透けて見えた。
「まあ、実家だしな。”お兄様”のお陰でぐっすりだ」
六甲も精神に落ち着きを通り戻し、減らず口を叩いた。冷静に対処をすれば問題はないし、取り乱すこともない。寝ずにいることには慣れているため、まだ体力には余裕がある。とにかく優先すべきは実家からの脱出と婚約解消。婚約の方は最悪知らぬ存ぜぬで押し通す。
「それでこんなことをしてどういうつもりだ?下手すれば警察沙汰だぞ」
軽く脅すつもりで六甲は口にした。だが、温羽は華で笑う。
「得意でしょう、そういうのを揉み消すのは」
ね、と問いかけられると、六甲はぐうの音も出ない。
「人間を閉じ込めることはできないからな」
「貴方は人じゃない、猛獣…でしょう?」
恨めしいぐらいの清々しい笑顔で温羽は言った。次の瞬間障子を乱雑に開け放ち数人の男が現れ、六甲は地面に押さえつけられた。腕を縛り上げられ、体重をかけられる。
地面に転がされたまま、六甲は温羽を見上げた。
「…随分な対応だな」
「逃げられたら堪ったものではありませんので、多少荒くても許してください」
温羽は全く悪びれた様子はない。
六甲は振り払えるものの、抵抗はしなかった。まだ温羽の真意が見抜けていない。今振りほどけば温羽とは完全に縁を切る羽目になるだろう。出来るだけ事情を知っておくことも悪い手ではない。ただ六甲の疲れが溜まるだけである。
京家に六甲の部屋はない。何故ならば、六甲という人物は”一人しかいない”からである。京家における六甲とは、代々当主に次ぐ実力者に与えられる称号を示す。だがその称号も、次第に継承者がいなくなった。何十年かぶりに復活した六甲こそ、今の六甲である。
「京家当主六甲です。麗しい女性に会うことができて光栄です、お嬢様」
そう言って六甲は、女性の手に接吻をした。いつもの暴れっぷりは成りを潜め、六甲は穏やかに笑う。好青年という言葉がぴったりなほどに成りこなしていた。
六甲は温羽に拘束された後、化粧を施された。とはいえ、元が整っている六甲に化粧の時間は必要ない。六甲は自他共に認める美男である。だがそれを台無しにする性格、他者を巻き込みながらでも進む天性の頑固さと不真面目さを兼ね備えている。
逆に、性格さえどうにかしてしまえば六甲はモテる。
「私は貴女ほど綺麗な方にお会いしたことがありません。それほどに貴女に釘付けなのです」
歯が浮きそうな台詞を吐き、六甲は笑う。普段とは違う静かな微笑みであった。
温羽は六甲を見合い会場に連れてくるなり、姿を消してしまった。相手の名前すら聞かされず、京家の客間に案内され六甲は部屋に押し込まれている。とりあえず六甲は指示に従っているものの、状況は飲み込めていない。
「中々好い人じゃない。京家の六甲さんってあまりいい噂を聞かなかったから心配していたの」
良い噂とは一体どのようなものか、とは聞き出せなかった。どうせろくでもない話である。わざわざ聞いたところで悪評しかないというのに、どうして聞く気になろうか。
六甲は笑って流し、慣れた手付きで女性を席に促す。
「突然のお呼び立てになり申し訳ございません。緊急の用事でして、私自身」
「お見合いの件でしょう。承諾してくれて嬉しいわ」
六甲の話をぶったぎり、女性が口を開く。お淑やかな容姿に、強気な態度。黒く長い髪は後ろで束ねられ、整えられている大和なでしこのような女性。何を隠そう、目の前の女性こそ六甲のお見合い相手である。
六甲はお断りのために訪ねたものの、女性の中で見合いは成功していると判断されているようだ。見合いを設定した温羽はこの場におらず、六甲は女性に会いたくて堪らずやって来たと思われているらしい。
六甲は負けじと話の舵をきろうとする。
「そのお話なのですが、お伝えしたいことがございます」
「式の話でしょう。問題ありません。京家との見合いなんて縁を結ぶことができたのですもの。我が家の全てを差し出しても構いませんわ」
女性は頬を紅潮させた。舵は壊れているらしく全くいうことを聞かない。六甲はため息をついた。
六甲がどうアプローチしようと、女性は取り尽く島もない。苦肉の策として逃げ出すことも考えたが、外には護衛という名前の監視が山のように配置されている。京家の見合いと盛大に触れ回っているため、よからぬ輩がいるかもしれないとかなんとか。よからぬ輩とは身内のことではないのかと思わないこともない。
「その話ですが、本当に俺...私でよろしいのでしょうか。何せ世間知らずの身。このような男を迎え入れても良きことは招きません」
「よいのです。私は眉目秀麗な人を好みます。それに有象無象のことなど気にしません」
そういうことではない。六甲は思わず素を出しそうになるが、自分を何とか抑える。一方の女性は輝いた瞳で六甲を見つめた。穴が開きそうなほどに見つめられ、六甲は気まずそうに視線を逸らした。
「勿論、京家の噂は聞いておりますのよ。なんでも死神だの悪病に取り憑かれているとか、怪しい団体に与しているとか。すべて根拠のない妄言ですわ。この平和な世の中で現実を見れない人はいるものです」
「そう…ですね」
六甲は否定されたわけではないのに、何故か感情が動いた。沸々と沸騰した湯のように何か熱いものが込み上げてくる。その感情は女性に対して抱いても意味がないということを承知していた。特殊部隊の働きは公に公開されることは無い。国の部隊ではないからである。
「さらには化け物が住んでいるとか、血にまみれた一家だとか。酷い嫌がらせですね。私は直接会って見て判断したいと思いましたのよ」
温羽は現実を見せたかったのだろうか。六甲を呼びつけて、見合いをさせて世間一般の理解を知らしめて。一体何がしたいのかはっきりとした説明が欲しい。そこまでして初めて会話が成り立つものである。
「それはまあ…ありがとうございます」
怒りが募る。特殊部隊の活動は決して褒められたものではない。国が対処できない尻拭いをしているだけで誇れるようなことはしていない。それは分かっている。公に出来ないことを前提に組織され、六甲の随分前の当主が資金を肩代わりしたことで始まったとか。今では当主と特殊部隊のトップの関係性は逆転している。
特殊部隊の説明は最初から諦めていた。特殊部隊という怪しげな組織に所属しており、第六隊隊長を務め、日々怪物と戦っています。なんて説明を素直に受け入れる人間はない。
なにより目の前の女性は良家のお嬢様。そんな話に影響されたとでも触れ回れば、良家の人脈で瞬く間に広がる。そして広がった話は尾ひれがつき、いつか話の原点を知ろうとする人間が現れ騒ぎになるだろう。
六甲はどう断るか頭を回す。断らざるを得ない方法は無いかと思案するも、どれも何だかんだ受け入れてしまいそうで恐ろしい。条件を突きつけてその無理難題を受け入れられてしまうと、六甲はもう断ることは出来ないだろう。平和的で六甲の印象を最低に下げるものが手っ取り早く適しているように思えた。
「そうだわ、もう婚姻届を書いてしまいましょう。書いてしまって後にでも出してしまえばいいわ。そうすれば手間も省ける」
「いやいやいやいや!それは勘弁してくれ…失礼。それは些か急ぎすぎでは」
飲んでいた茶を六甲は盛大に吹き出した。まだ初回の顔合わせの段階で、お互いの相性さえ分かっていない。人生を棒に振るような動きを止めようとするが、一度暴走した列車は止まらない。
「どうして?書いてしまえばこちらで出しますから、京さんにはお手数をおかけしませんわよ」
問題ないと言わんばかりに、女性は満足げに笑う。お手数どころか、色々問題がある。
六甲は所帯を持つ気はない。一度でも大切にしてしまえば、手放すことが惜しくなる。六甲の身分では切り捨てる側になるのは必至。仲間であろうと家族であろうと無慈悲に判断を下せなければならず、喜んで受け入れるほど六甲は出来た人間ではなかった。
「どうかお聞きください」
六甲は腹をくくった。そして特殊部隊のことをある程度語った。自分がどのような身分であるか、隊内でどのようなことが起きているか、任務について、戦っている相手がどのようなものなのか。信じられない話にはなるだろうと思っていた。
女性の一言目は「まあ、そうなのね」と想像よりも軽いものであった。肩透かしを食らい六甲は思わず呆ける。
「そんな事情があるのね。私は家の外の世界については知らなかった。お話は面白かったですわ」
「であれば、どうか私の気持ちを受け取ってもらえないでしょうか。私にとって捨てられないものなのです」
六甲はホッとした。思いのほか世間知らずが状況を好転させてくれた。事情を説明してその後は、相手が受け入れてくれることを待つだけだった。
だがそう上手く行くものではない。
「解決方法は簡単です。その隊長さん?をやめればいいのではないでしょうか。隊長さんの代わりは幾らでもいますし、その部隊とやらに人員が必要なら、うちの家から選りすぐりの人材を派遣します」
京家の当主が遊び惚けてはいけないと女性は続けた。
六甲は何も言えなかった。いつか国からの派遣者にも同じ反応をされたことを思い出した。話で語るだけでは伝わらない敵の恐ろしさ、肌を突き刺すような感覚と血の匂い。あの派遣者は一体どうなったのだろうか。
「国に貢献することが第一優先事項ですわ。最近は鉄を集めているそうじゃないですか、その部隊に鉄資源が流れて言っているのは不公平だと思いますのよ。だってみんなの国のために尽くしているのですから。我慢してもらうことは出来ないのかしら」
きっと女性に悪気はない。国の政策については六甲も知っているし、アカネも承知の上だろう。
だが、我慢とは何を堪えることなのだろう。十中八九鉄の消費。国が金属を集めている。そんな中、鉄を使っている特殊部隊は一般市民から見て豪勢な生活をしているように見えるのだろう。
「…そうですね。一般の方からはそう思われても仕方ありませんね」
仕方ない、六甲は堪えた。
「私たちは良家に生まれたのですから国の為に尽くさなければ。分かりますわよね、旦那様」
六甲の脳裏に仲間の姿が過った。死んだ人間も生きた人間も第六隊に所属している隊員だと思っている。彼らは命がけで否でも戦場に立つ。ある時は自分の何倍もある敵に立ち向かい、ある時は人間を殺す。それが任務である。彼らを守るのは特殊繊維の服と武器。たったそれだけで若人たちは戦っている。国の為ではない家族のために、知らない誰かを守るために。
京の家としてはこの縁談は良いものだろう。六甲が首を縦に振るだけですべてが良き方向に進み、六甲は解放されるだろう。だが、隊に戻る事よりも六甲は優先したいことが出来てしまった。
「お言葉ですが、少々過ぎるのではないでしょうか」
六甲は言葉を選ぶ。今の六甲は特別部隊隊員以前に京家の当主。それに相応しい所作を言葉遣いを心掛けねばならない。
_本当に守る必要があるのか。
内なる自分が語りかける。
女性の片眉が上がった。不信感を募らせた表情で六甲を見つめる。
「我々は命を懸けている。敵を殺すために何人の隊員が死ぬと思っているんだ。国に仕えることは大層な名誉だろうが、国よりも身近な人のために手前の命を捧げる俺たちを虚仮にするのか」
六甲は全てを捨てることにした。もうすべてが吹っ切れてしまったのである。
仲間は京家の六甲を必要にしているわけではない。第六隊隊長の六甲を大切にしてくれて、叱ってくれる。肩書ばかりを求められる生活にはうんざりだった。
女性は鋭い目つきで六甲を睨みつけると、わざと湯呑をひっくり返した。水の滴る音と湯呑が地面に転がる。二人の間に沈黙が訪れた。
「それでも構いませんわ。正直に言いましょう、京家よりも貴方に惚れたのです。私は貴方さえいればどうでもいいですわ」
女性は二回拍手をした。次の瞬間、周囲から人が傾れ込むように飛び込んでくる。どこの良家でも障子は乱暴の扱いをすることが流行らしい。人数差では六甲の優勢だが、体術の実力差では六甲に勝る人間はいないだろう。武器があればもっと優勢にできる。
「最初からそう言えよ。手っ取り早く解消で来たってのに」
「色々手を尽くして逃げようとなさっていましたわね。お可愛いこと」
女性はクスクスと笑った。全くもって性格の悪い。
狭い室内であったが、六甲は次々に人を難なく捌いてみせた。結局六甲にかすり傷を負わせることが出来ただけで、大した敵にもなっていない。人数を揃えるだけで実力も連携も出来ていない。どうもきな臭い感じがする。
「何か企んでんならさっさと吐いた方が身のためだ。分かっているだろうが、俺は手加減しない」
ふと女性がやけに冷静な様子が気になった。自身の味方は護衛数人だというのに、焦る様子は微塵もない。それどころか優雅に観客を気取っていた。
一つに気が付くと他のことにも目が行く。室内には六甲がなぎ倒した人間と見合い相手の女性、あとは六甲のみ。廊下を通る人間もおらず、京家の屋敷にもかかわらず、肝心の京家の人間がいない。
「いいえ、今日は何も企んでなどおりませんわよ」
「へえ、今日はね」
いかにも怪しい。気を引き締めるため、六甲は拳を握り直す。だが体が上手く動かなかった。腕がわずかに震え、身体に力が入らない。咄嗟に室外へ逃亡を図るが、問屋が卸さない。
六甲は女性の護衛たちに取り押さえられた。一人一人は軽くとも、総重量は六甲の体重の何倍もある。藻掻けでも全身の痺れで六甲は力を発揮できない。
「貴方が帰ってこられたとお聞きして、実はここ数日毎日無臭の毒物をお送りしていましてよ。誤魔化すためのお香も忘れずに」
ここまでくれば一族全員が六甲の敵らしい。閉じ込めれた数時間六甲は毒を吸い続け、ついに毒が全身を回ったということらしい。気付かれないように少量ずつを時間をかけて。
「私の名前すら六甲さんは知らないでしょう?私は撫子というんです。今後ともお願いします」
撫子とは大層な名前である。やり方がずる賢く薔薇のようにトゲがある。
六甲は拘束され、抱えられた。家の中に六甲を助ける者はいない。全員が敵で、温羽の目的も結局分からず仕舞いで骨折り損である。毒さえ消えればまた動き出せるだろう。
「そういえば我が家に招待する前に婚姻届を提出しに行きましょうか。婚約をするのは面倒でしょうから」
六甲はすぐにでも逃げだしたくなった。呑気に解毒を待っていると、その間に婚姻が結ばれてしまうかもしれない。だが毒が身体に残っている現状、六甲は満足に動くことが出来ない。八方塞である。
六甲は最後の抵抗に、僅かに動く身体を駆使して暴れた。出来ることと言えば横に揺れるぐらいだが、隙でも何でも突いて時間を稼がなければならない。
「暴れても助けは来ませんよ。京家には悪いことはしませんし、特殊部隊とやらにも手出しをしません。そんなよく分からないものに時間を割く気にもなりませんしね」
撫子は部屋を出て、玄関に六甲と共にやってきた。そこで玄関の前に立つ影に気が付いた。
玄関の戸から見切れるほどの縦長い影はただ茫然と立っている。襲ってくる様子もなく、撫子は護衛に扉を開かせた。
次の瞬間、風に乗って鉄の臭いが室内に流れ込む。
「この臭いは…」
撫子は顔を顰めて、目の前の影の正体を見上げた。
血を滴らせ無言の圧力で訴える女性。その身長は撫子の数倍ほどある。
「…その男を返してくれないか」
巨人_永遠永久は静かに言った。永遠永久の後ろには数人の男が転がっている。辺りには血だまりが出来上がり、拳からは赤黒い液体が滴っていた。
「話は聞いた。だが、その人は…六甲隊長は私にとって大切な人。横から来た知らない人に奪われるわけにはいかない。その人を置いて去れ、人間」
撫子はあまりの光景に言葉を失った。六甲が語った特殊部隊の話を作り話だと思い、お遊び気分で聞いていた。実際に存在するとは夢にも思わなかったのである。
「もう一度言う。その人は貴女みたいな人が幸せにできる人ではない。書類は締め切りまでに用意しないし、手加減は苦手だし、人の感情の機微に疎いし、言動と行動が一致しないことがよくある」
六は一息ついた。
「けれど、それを含め六甲隊長は恰好いい。永遠に輝く私の星を奪わないで」
だが撫子に引く様子はなく、絵秘話的解決を望んでいたが六は苦渋の決断を下した。声を低くし、目を細める。
「あまり舐めた態度をとるようであれば貴様らの喰ってやろう。妾の養分となれば、そやつと共に入れるぞ」
引き戸に手をかけて、破壊する。軽い力を込めただけで、あっという間に木材は折れてしまった。
軽い演技のつもりだったがあまりの迫力で、撫子は泡を吹いて倒れてしまった。護衛たちは怯えながらも、撫子を回収する。そして恐々と六甲を床に下ろし、永遠永久の横を風のように通り過ぎて行った。
「大丈夫か、毒でも煽ったようだな」
永遠永久は六甲の頬に手を添えた。六甲は意識はあるものの、毒を浴び続けた影響で夢と現実の境界を彷徨っているようだった。永遠永久の声も届いているかどうかは判断できない。
「無茶するなバカ者」
永遠永久は六甲を抱き上げ、自身の上着をかけた。穏やかに子守歌を歌いながら、来た道を戻る。足取りはゆっくりとしていて、子守歌は幼い頃に自身が覚えたものだった。永遠永久は過去に出会った少年のことをふと思い出したが、六甲が身じろぎをするとそちらに意識が映りすぐに忘れてしまった。




