第19話 久しぶりだな、アラン
数週間後、俺らは王国南部の都までやって来ていた。
今日は祭りの開催日、俺たちはもちろん優勝を目指すわけだが……果たしてどうなるのかな。
会場へ足を運ぶと、大勢の観客が俺たちを待ち受けていた。
「こんなに盛り上がってるのかよ」
「まあ王国の南部は魔物が大量発生しているからね、それだけ困っている人が多いって訳よ」
王国の南部は魔素が多いため、魔物が大量発生しているらしい。
だから皆盛り上がってるのだろう。
「ん? あれって水晶玉か?」
広場に進んでいくと、俺らの目の前には巨大な水晶が置かれている。
どうやらこの水晶で、試合の様子を見ることができるようだ。
「周りを見てみるのかしら、随分お偉いさんがいるのよ」
「まじで?」
メロディアがそう言うので俺は周りを見てみる。
すると観客席には貴族や王族が座っており、中には大臣の姿もある。
「貴族にとっては国家直属の冒険者とは仲良くしたいのよ、貴族の領地は魔物に荒らされているからかしら」
なるほどな、確かに貴族にとって魔物に占領された領地は死活問題だ。
だから国家直属の冒険者には期待を寄せているんだろう。
「私たち期待されてるんですね! アランさん頑張りましょう!」
「ああ、そうだなティナ」
俺はそう言ってティナの頭を撫でる。
すると横でリアンが頬を膨らませてこちらを見てきた。
「どうしたリアン?」
「べ、別に! なんでもないわ!」
「リアンは嫉妬しているのかしら」
「してないわよ!」
メロディアの発言に、リアンが焦った表情で返す。
そんな会話をしていると、誰かが俺たちに話しかけてきた。
「久しぶりだな、アラン」
「アラン、久しぶり!」
「前はごめんなさいね~」
「お前らは……」
俺はこいつらの顔に見覚えがある。
俺が元々所属していたパーティーであり、『用無し』という理由で、パーティーから追放してきた奴らだ。
「フレッド、ロベリア、セレーヌ……」
「はははは、随分と冒険者らしくなったじゃねえか」
元パーティーリーダーであるフレッドが、俺を馬鹿にするような態度で接してくる。
「何の用だよ」
俺は睨みつけながらそう言った。
するとフレッドは笑いながら口を開く。
「お前をもう一度パーティーに誘ってやろうと思ってな」
俺はその言葉に耳を疑った。
こいつらは俺をパーティーから追放したはずだ、なのになぜ俺をもう一度誘うんだ。
俺はそんなフレッドの発言に、怒りを覚えたが、すぐに冷静になり口を開く。
「俺はもうパーティーに入った、お前らのパーティーには入らない」
「な、何だと!?」
俺がはっきりとそう告げると、フレッドは怒りを顕にした。
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