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第20話 アランには私たちがいるかしら

 そして俺の胸ぐらを掴み、睨みつけてくる。

 

 俺はその行為に、少しばかりの恐怖心を感じてしまう。

 

 すると、フレッドの後ろにいたロベリアが、口を挟むようにして話してくる。

 

「それはどういう意味よ? アラン!」

 

「さっき言っただろ、お前らのパーティーには入らないと」

 

「こ、こいつ! 許さなねえからな! お前なんてもう仲間でもなんでもねえ!」

 

 すると怒り狂ったフレッドは、俺に殴りかかろうとしてくる。

 

「いい加減にするかしら」

 

 俺の後ろにいたメロディアが前に出て、フレッドの腕を掴む。

 

 その腕からはとてつもない魔力が感じられる。


 恐らく、フレッドの動きを止めるために魔法を使ったのだろう。

 

「誰だてめ……え?」

 

 フレッドはメロディアを見て目を見開く。

 

 それもそうだ、S級冒険者であり、大魔法使いであるメロディアが俺の前に現れたのだから。

 

 その目はフレッドを睨みつけており、怒りの感情が伝わってくる。

 

「もし、この会場で暴れようとしたら許さないのよ」

 

 魔力を少し使ったのだろう、さすがとしか言えないな。

 

 フレッドたちは我に返ったのか顔を青くさせていた。

 

 そこにリアンとティナも加わる。

 

「ここは祭りの会場よ、場を弁えなさい」

 

「そうですよ、アランさんから離れてください!」

 

 リアンとティナはかなり怒っている。


 今にも殴り掛かりそうな勢いだった。

 

「く、くそ! アラン、絶対に俺らがこの祭りの優勝者になるからな!」

 

「覚えてなさいよ!」

 

「行くわよフレッド、ロベリア、ここで騒ぎを起こすのは得策じゃないわ」

 

 そう言うとセレーヌは二人を連れて俺たちの前から姿を消した。

 

 ひとまず助かった、ここでフレッドに殴られてたら軽い怪我じゃ済まないからな。

 

「アラン! 怪我はない!? 大丈夫!?」

 

「お、おう」

 

 俺の様子に心配してくれたのか、リアンが抱きついてきた。

 

 恥ずかしいなと思っていると、ティナがこちらをじーっと見つめている。

 

「ティナも心配してくれたのか?」

 

 そう言って俺はティナの頭を撫でる。

 

 すると彼女は幸せそうに顔を綻ばせた。

 

 どうやらかなり心配を掛けさせてしまったようだ。

 

 俺は申し訳なく思い、ティナを強く抱きしめるのであった。

 

 そんな様子を見ていたメロディアは口を開く。

 

「アランには私たちがいるかしら」

 

「さっきはありがとうなメロディア」

 

 俺はそう言ってメロディアに笑いかけた。

 するとメロディアは頰を赤らめ、そっぽを向いてしまう。

 

 その反応は一体何なのだろうか。

 

 まあ、とりあえずあの三人の事はどうでもいい、今日の祭りに集中しよう。


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