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使命の槍と宿命の刀  作者: 里見レイ
坂本

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33/153

進軍中の大準備

「先輩、あのテレポートを使えるチート半兵衛にどうやって勝つんですか?」


 行軍中、秀介の隣で馬に乗っている三郎が尋ねる。姉川での話は、もう既に情報交換済みだ。


「ま、あいつとはクラスメイトだからね。性格を考えると、そのエスパー能力のみに頼った闘いをするはずだから。その裏をかけば瞬殺だ」


 堂々と超能力者を殺すと宣言する秀介。唖然となる三郎。


「ほ、本気ですか?」


 話によると、竹中半兵衛、即ち速水陸のテレポートは、音もしないで移動を完了させる。あっという間に体を刺されてジ・エンドだ。


「俺が冗談を言ったことあったか?」


「......ないです」


 それしか言えない三郎。秀介に裏表がないのは分かりきった話である。


「父上、できた」


 突如話に割り込んでくる秀介の次女、発。手にはわらじが一足。


「よーし、でかしたぞ発!!」


 笑顔で発の頭をなでる秀介。

 それを見て、満足気に去っていく発。


「なんです、そのわらじ?」


 すでに秀介はわらじを履いている。なんでもう一足必要なのだろう。


「対半兵衛用秘密兵器その一」


 淡々と説明する秀介。三郎には訳が分からない。


「父上! 茶々子もできましたぞ!!」


 今度は長女、茶々子がやってくる。手には、腹巻。


「よーし、いい子だな茶々子!!」

 

 再び笑顔になる秀介。茶々子の頭をなでる。

 にっこりして戻っていく茶々子。


「......えーと、これは一体?」


 今は冬ではない。むしろ夏に近い時期である。


「対半兵衛用秘密兵器その二」


 さらっと説明する秀介。三郎には理解不能である。


「父上! ようやく集め終えました!!」


 そして長男、満腹の登場。手には、大量の木片。


「よーし、よくやった満腹!!」


 三度笑顔になり、満腹の頭をなでる秀介。

 達成感に満たされた表情で帰っていく満腹。


「先輩?」


 木片なんて図工くらいでしか使わない。


「対竹中半兵衛用秘密兵器その三」


 予想された通りの説明をする秀介。三郎には全く分からない。


「あ、そうそう。お前には前田利家と決着つけてもらうからな」


 突如話の矛先を変える秀介。


「え!いや、おそらくそれは......」


 タジタジになる三郎。利家役の石山竜牙には勝てる気がしないのだ。


「まあまあ、とにかく耳を貸せ」


 そう言って、ひそひそと作戦を伝える秀介。


 さて、浅井は織田への反撃をしようとしている。

 場所は、近江、坂本だ。



「まったく、あの人は子供たちに何をさせているのかしら?」


 軍勢の中をチョロチョロ動き回る子飼いたちを眺めながら、叶は怪訝な顔をする。


「まあまあ、殿にはきちんとしたお考えがありますから」


「高虎、その内容を私に説明してくれないのはどうしてなの?」


「聞かれたら、奥方様は反対されるほど危険を伴いますので。殿が......」


 トーンを低くして答える高虎。


「な、なら聞かないでおきましょう。私の作戦に支障をきたさないと信じますので、余計なことは言わなくて結構です!」


「はい、それが最善ですよ。殿を大切に想っていらっしゃるのなら」


「......」


 なんとなく釈然とせずにふてくされる叶。


 叶の運命の戦いが幕を開ける。

 場所は、近江、坂本だ。


「坂本」は、かなり長くなりそうです。まず、結構戦前のシーンが入って戦いが始まりません。

ただ、その分戦闘シーンも充実させます。

里見レイ

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