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日本にダンジョンが現われた! 作者:赤野用介

第三巻 接触

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52話 ダンジョン一般開放案

 広瀬大臣に再度呼び出されてから二ヵ月が過ぎた。
 次郎たちは綾香を加え、山中ダンジョンの攻略を行っている。
 綾香は、中学三年生の三学期。
 だが第一次特攻隊の報酬で、中高一貫校の高校受験は兎も角、大学受験からは解放されており、上級ダンジョン専任となったために攻略に費やせる時間が次郎たちよりも増えた。
 そのため次郎たちは、完全に綾香を仲間に加えた編成に作り直すべく、最初に綾香のレベル引き上げを図った。
 やり方は単純で、地下一階のアルプから七階のホブゴブリンまでを、焼き畑農業ならぬ焼け野原農業で撃滅させ、各階層を使い捨てにしながら攻略し直した次第である。
 綾香のステータスは、効率的なレベル上げの実績がある美也の真似だ。そのため魔物達は、炎や風に幾重にも襲われた。

 その一方で政府は、一つの社会実験を行うことにした。
 灰色に戻った二四の初級ダンジョンのうち、人口最小県のダンジョンのみを白化させずに残して、その結果がどうなるのかを確かめる実験である。
 可能性としては、攻略前に戻ってカマキリから出直す。完全にリセットされて、再び地下一階のコウモリから出直す。何も出ないままになる。この三種類が想定された。

 実験のメリットは、ダンジョンのシステムを確認できて、判断基準が生まれる事だ。
 中級ダンジョンや上級ダンジョンの白化が間に合わずに魔物が氾濫する場合、政府は人口優先で攻略するか、出現する魔物の種類や危険度を優先して攻略するかを判断できるようになる。
 実験のデメリットは、カマキリが出た場合に犠牲者が予想される事だ。
 その場合は、転移で即座に再攻略部隊をボス部屋に送り込む予定だが、ダンジョン周辺の県民が避難指示に従わなければ、犠牲者を無くす事は出来ない。
 レベルを求める県民が居残る事は容易に予想され、県外からも人が来る事も目に見えている。

 この実験を行う旨が公表されると、対象とされた鳥取県は猛反発した。
 避難の支援は警察・自衛隊が中心となって行う。また魔物が破壊した施設等に対する補償も行われ、県には補助金も出る。
 だが当事者としては、そもそも実験されなければ迷惑を被らない。それが公平な負担ではないなら、なおさら不満は募る。
 先頭に立って大反対したのは、鳥取県知事だった。
 知事は衆議院選挙前からの在任で労働党色が強いため、政府による労働党への意趣返しだとまで言い出す始末だった。
 それでも政府が必要な検証だとして未攻略状態を保つ姿勢を崩さなかったため、批判に熱が入りすぎた知事は、ついに鳥取県を沖縄県に見立てて言い募った。

『政府は鳥取県を、対中国向けの在日米軍基地を置く沖縄県のように、魔物に対する前線基地にでもしたいのか』

 鳥取県知事の最後の失言は、逆に沖縄県知事から厳重抗議された。
 一方的な負担だと分かっているなら、どうして普段はそう言わず、自分たちの都合が悪くなった時にだけ公平性を訴えるのだと。
 鳥取県知事は不適切な発言だったと謝罪したが、沖縄が出た辺りからの泥沼は殆どメディアに取り上げられなかった。
 ユーラシア大陸側から見て、太平洋側へ弓状に飛び出した日本列島は、大陸と太平洋とを塞ぐ壁のような形状になっている。
 沖縄県与那国島と台湾との距離は一〇七キロメートルで、台湾島と中国との距離は一五〇キロメートル。一〇七キロは東京駅から宇都宮駅よりも近く、一五〇キロは東京駅から静岡駅に行くよりもずっと近い。
 中国の上海などから太平洋側に出る海路や空路を、領海や領空で塞ぎながら台湾付近まで延ばす沖縄は、中国の進出を抑える絶妙な位置にある。それは沖縄を最前線基地として在日米軍が置かれる所以の一つでもある。
 テレビは地政学上の問題を避け、社会実験の是非を繰り返し問うた。

『隠蔽体質の前政権に比べれば、遙かに前進しています。しかし民間人に被害者が出る事は、強く懸念しますね。鳥取県の負担も決して小さくは無いでしょう』
『五井さんはこう言っておられますが、柊さんは如何ですか』
『これって、避難に従えば大丈夫なんですよねー。被害の補償もあるのに、どうしてルールを破る人が被害者になるんですかー?』
『年寄りは逃げるだけでも負担だろう。攻略してしまえば負担はない。だったら攻略しろという鳥取県知事の考えは間違っていない』
『では千葉先生は如何でしょう』
『きっと、政府への支持率が高い今しか行えない社会実験ですよね。全てのダンジョン攻略が間に合わない時、判断基準があると助かります。次の政権へのツケにせず、自分たちへの支持率を下げてでも公表して検証する姿勢は、評価したいと思います』

 実験日となる二〇四六年三月四日は、偶然にも日曜日である。
 鳥取ダンジョン周辺を包囲する輪の外には、上級ダンジョンを攻略中の次郎たちも密かに呼ばれていた。もしもカマキリが出てくるなり、予想外の事が起これば、美也と綾香が局地的なハリケーンを生み出す予定である。
 そして厳戒態勢が取られる中、午後三時がやってきた。

『緊急速報です。たった今、鳥取ダンジョンのドーム上部が一部消滅し、魔物と思わしき黒い影が飛び立つ姿が確認されました。消滅部分は五ヵ所以上、既に自衛隊の一斉砲撃が始まっています』

 地上に入り口が出なかったことで、地上型の魔物は出ないことが確定した。
 コウモリだけであれば、次郎たちは手出しを控える事になっている。
 三人は派手な花火を見物した後、コウモリの大半が撃滅させられて、ダンジョンが白化したたのを見届けてから静かに引き揚げた。

 この日を以って、初級ダンジョンがある二四県に関しては、現状のままであれば地上被害を完全に無くす算段が付いた。
 もちろん地上にダンジョンが残っている以上、地上に魔物が出ていなくても、非常事態宣言を解除する事は出来ない。
 二四個の初級ダンジョンは、常時白化して魔物氾濫を抑え、攻略特典も取得を政府が厳しく管理する事となった。
 中級ダンジョンは、第二次特攻隊や、それ以降の特攻隊が攻略を担当する。少なくとも最深部の手前までは進んで、転移能力者で行き来できるようにしておく。
 上級と思わしきダンジョンは、政府協力者の山田太郎氏が攻略を担当する。最深部まで調査して、結果を広瀬大臣に報告すれば任務達成だ。
 当面の方針は、そのように定まった。

 但し第二次特攻隊は、レベル三二から三三程度しかない。
 対して中級ダンジョンの地下二〇階には、レベル三五のアラクネが多数生息している。
 これを突破できたところで、上級はさらに困難だ。
 山田太郎氏と、画一的で横並びの第二次特攻隊とでは、大規模オンラインゲームのプレイヤーで例えれば廃人と常人くらいの差がある。
 この問題に関して政府は、一月に広瀬が次郎と話した後から、大胆な対策を検討していた。

『繰り返しニュースをお伝えします。政府は、二四ヵ所の初級ダンジョンに関して、将来的に許可を得た国民にレベル上げを目的とした入場を認める方針を示しました』

 それは人々が待ちに待った、ダンジョンを利用したレベル上げの政府公認であった。

 井口総理が行った記者会見では、現状の説明から行われた。
 現状としては、ダンジョンからの魔物氾濫は一時的に止まっているが、中級やその上のダンジョンからの魔物氾濫の危険があり、そもそもダンジョンを出現させた側の目的も不明である以上、予断は許さない。
 そのため政府は対策として、『国民に自衛手段を持たせる為』に、初級ダンジョンを開放する決断を下した。
 但し、被害と関係の無い他国民が日本でレベルを上げて、戦争や犯罪に用いては困るので、国籍などで制限は行う。国内においても一定の制限は設ける。

 なお説明されなかったが、転移や収納などの攻略特典は一切渡さない。
 具体的には、ダンジョンが灰色に戻ってボスが復活した時、内部の人間は外へ跳ばされるので、それから数日のうちに転移能力者たちでボスを倒してしまう。そうすれば、転移を持たない人間では地下一五階まで物理的に辿り着けない。
 転移能力者が買収される危険性を考慮して、各特攻隊員には転移出来るダンジョンを数ヵ所に限定させておく。そうすれば一人が裏切っても、奪われた部分を優先攻略させるなり、勝手に獲得に来たところを抑え込むなり対応できる。
 転移も収納も、犯罪利用されないように国で取得者は厳しく管理する。
 例外は、山田太郎と山田花子、それにチュートリアルで取得した可能性が拭い去れない民間人だけだ。
 山田たちは、彼らが犯罪で与えうる被害以上の情報提供やダンジョン攻略をもたらしている為に、政府判断で見逃している。犯罪抑止として、犯罪が不要な程度の金銭は渡しており、綾香も付けている。
 チュートリアルで取った民間人の場合は、隠れられる限り見つけようが無い。むしろ犯罪の一つでも行ってくれた方が見つけ易くて有り難いくらいだ。

 そうして各ダンジョンを白化してボスを消し、攻略特典の流出や魔物氾濫を防ぎ、国民にはレベルだけを持たせて魔法研究や利用を促進したい考えだ。
 ただし年齢によってレベルが上がり難くなるのは、周知のとおりだ。
 今回は、国民の自衛力向上が目的であり、限られた資源をレベルの上がり易い若者に与える事が全体的な効率に繋がる。
 そのため発表時点で、年齢には上限を設けたいとも付け加えられた。


 開放する二四ダンジョンは、北海道・東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州の七ブロックに分けられる。
 各ブロックに住所がある国民は、自身の住む各ブロックで白化状態の初級ダンジョンに入れるようになる。
 北海道・東北地方は、四ヵ所。
 関東地方は、二ヵ所。
 中部地方は、五ヵ所。
 近畿地方は、三ヵ所。
 中国地方は、三ヵ所。
 四国地方は、三ヵ所。
 九州地方は、四ヵ所。
 入場許可の申請先は、初級ダンジョンに駐留する二四の連隊本部。
 申請は三段階に分かれており、ハードルこそ高いが、申請日に一二歳以上四〇歳未満であれば、多くの日本人が不可能では無い条件となった。

 第一段階は、五月に公開されるウェブ上の申請書・誓約書二枚・同意書二枚・宣誓書・保証書をダウンロードし、必要事項を記入して、指定様式の顔写真・健康診断書・マイナンバーカード表裏両面・パスポート顔写真掲載ページと共に全てPDF化して送信する。
 申請書は、個人情報やメールアドレスなど各種必要事項を記載。
 誓約書Aは、現地の自衛隊・警察・職員の指示を厳守する制約。
 誓約書Bは、ダンジョンの管理運営に一切の不服を申し立てない制約。
 同意書Aは、内部での全損害を政府が保証しない同意、未成年は保護者も。
 同意書Bは、内部での傷病に対し、健康保険や障害年金が使えない同意。
 宣誓書は、内部で負う全ての被害や損害を、政府や管理者に訴えない宣誓。
 保証書は、日本国籍を持つ成人二名が、連帯保証人となる署名捺印。
 これらを送信した場合、メールアドレスに自動返信がある。そのメールアドレスに記載されているURLをクリックすることで、登録完了となる。

 第二段階は、後日メールで指定された期間に、連隊本部へ書類を持参する。
 持参するのは第一段階でデータ送信した各種書類、マイナンバーカード表裏両面のA四サイズコピー、パスポート顔写真部分のA四サイズコピー、戸籍謄本、住民票、通知用のハガキに自分の住所先を記載したもの。
 なおA四茶封筒を用意し、自身の郵便番号・住所・氏名・URLクリック時に表示された受理番号を指定位置に記載の上、その封筒に書類一式を入れて提出する。
 連隊本部へは、マイナンバーカードとパスポートを持って本人が持参する。
 これら全ての要件を満たせない場合、申請は受け付けられない。

 第三段階は、通知ハガキ・身分証・印鑑を持参し、入場許可証を受領に行く。
 申請の受理ないし不受理の返信ハガキが届くのは、七月以降となる。
 受理の場合は、本人がハガキ・顔写真入りの身分証明書・印鑑を持参の上で、八月以降に入場許可証を受け取りに行く。
 発行される入場許可証の有効期間は三年間で、それを持参すれば九月の開放日以降に、住所があるブロック内の各ダンジョンに入場できるようになる。
 居住地が変わった場合、住民票を移して入場許可証に記録される住所が変われば、自動的に入場ブロックを移ることが出来る。

 不備・疑義・違反等があれば、入場許可を取り消す事がある。
 入場許可証を紛失した場合、再発行はされない。
 不受理の場合、その理由は通知されない。
 一度申請した者は、次回まで再申請を受け付けない。
 素行が善良で無い者・責任能力が無い者・生活能力が乏しい者(暴力団員、前科者、成年被後見人、精神科通院歴者、税金未納歴者、自己破産歴者、生活保護受給者)と、その被保護者は不受理となる。
 また日本政府が他国の犯罪や戦争に加担する事を避けるため、日本国籍以外の者、多重国籍者、二〇四六年以降の帰化者も今回は不受理となる。
 受理される年齢の目安は、概ね一二歳以上、四〇歳未満である。

 犯罪などに利用されないため、入場条件は相応に厳しくなっている。
 金銭的な問題を起こしている者に関しては、レベルを用いて強盗などを起こされては困るからだ。レベル一〇になって、レベルを持たない年寄りを襲っては手に負えなくなる。
 また生保受給者を省くのは、ダンジョンで魔物を倒せる稼働能力があるなら、まずは働きなさいという理由であった。少子高齢化が進んだ日本では、四〇歳未満の若者であれば性別を問わず介護の仕事はいくらでもある。
 各種の選別を通った者が、九月以降の公開日から初級ダンジョンへ入れる。
 必要と思われるダンジョン外での魔法の犯罪利用防止、魔法特許対策などの各種法整備は、これから順次行われていく。
 お役所仕事の日本にしてはスケジュールが早いのは、それだけ魔物問題で切羽詰まっているからだ。
 手間暇を全て申請者側に負担させ、入場許可証はマイナンバーカードの発行システムやデータ管理システムをそのまま流用して、可能な限り時間を短縮させる。
 このダンジョンを開放する発表は画期的であり、国内外で繰り返し報道されて、様々に議論された。

『魔物対策だと言うなら、日本で暮らす外国人を対象から省くのは如何なものでしょうか』
『日本から自分の国に帰って、レベルを使って犯罪を起こしたら、国際問題になるからじゃないですかー』
『戦争している国の兵士に持たせるのは、戦争への加担になるかもしれません』

 これらの問題に関しては、入場できる者は肯定的に捉え、入場できない者は否定的に捉えた。

『それにマイナンバーを利用するそうですが、IDの情報流出は大丈夫でしょうか。厚生労働省などは、過去に年金システムの入った端末をネットと繋げて、年金情報を大量流失させたようなお粗末集団です』

 このような危惧も為されたが、こちらに関しては反論できる者は居なかった。
 世間では、ダンジョン開放の話題で持ち切りだった。
 パスポートやマイナンバーカードの申請者も増えている。なお今回の先行入場対象からは除外されているが、帰化申請も増えているらしい。
 国内では右翼系の団体が自国民優遇に様子見を行い、左翼系は懐疑的な立場で、労働党は旧主流派の間でも細かく割れている。
 諸外国も動きを見せており、アメリカが同盟国としてアメリカ軍への特別な配慮を求め、一部の国は市民団体やメディアを動かし、欧州も人類で共有するようにと各所で様々な声明を出した。
 なおイスラム教圏ではコーランに記載のある魔術の扱いが難しく、全面的に否定する国もあれば、一部肯定する国もあり、共通見解は出し難い状況にある。
 そして三年生になった次郎たちのクラスでも、大いに盛り上がりを見せていた。

「政府、マジで有能過ぎる。まだ政権交代から半年だし」
「俺、六月の参議院選挙で共和党に投票するわ。まだ選挙権無いけど!」

 朝から休み時間に入るたびに、中川と北村は頻りに興奮を口にしていた。
 確かに政権交代から一年未満で初級ダンジョンへの入場許可を出すとなれば、政策の迅速さは前政権の比ではない。
 勿論、いくつかの不満もある。
 例えば、不受理の場合に理由を告げず、再申請も受け付けない点だ。対応者側の判断間違いで落とされた場合、目も当てられない。
 また高校生たちにとっては、一八歳未満に保護者の同意が必要な点も引っかかった。

「うちの親、許可出さないだろうなぁ」
「でも一八歳以上になると、レベル上げ難くなっていくんだろ。それって自分だけの意思で入れるようになっても、ほぼ終わりじゃん」

 現状では親が反対した場合には、子供はレベルを得られない。
 次郎の場合は、母親が許可しそうであるが。

 もっとも次郎は、両親の許可の有無に拘わらず、黙々とダンジョンの探索活動を続けていた。
 春休みを有効利用した結果、上級ダンジョンと思わしき場所の地下八階から地下一一階までの魔物がスキュラ、ケンタウロス、ヘルハウンド、スレイプニールの順であると確認し、それらを焼け野原農業と串刺しで手当たり次第に駆除できている。
 いずれも強さはレベル四五程度で、経験値も中級と比較して膨大な量が入っている。
 その結果、三月に入った時点でレベル九三、四月に入った時点でレベル九六になっており、五月にはレベル九九に届くと見込まれる。
 次郎は五月一日に一八歳の誕生日を迎えてレベルアップの効率が落ちるが、レベルの最大値が九九ではなく一〇〇であったとしても、一八歳になった直後であればまだ上がるだろうと見込んでいる。
 上級ダンジョンを使い潰してでもレベルを一〇〇まで上げて、夏休みには上級ダンジョンの完全攻略を目指したい考えだ。

(レベルが九九九とか一〇〇〇まであったら、もうどうしようも無いけどな)

 三年生の二学期からは、大学受験の受験勉強に入る。
 父親の方針で『国立大学の手堅い学部』に入れば良いため、自分の偏差値で行けるところに進めば良いのだが、美也と大学を合わせるために少しは受験勉強しなければならない。
 また美也も、国立の医学部を受験するからには、いずれ探索活動に付き合えなくなるだろう。
 最終奥義として、特攻隊にも勝る『政府協力者・山田太郎枠』でどこにでも無条件合格できるとはいえ、それには正体を政府側に明かさなければならない。
 井口総理や広瀬大臣は喜んでどこでも合格にしてくれそうであるが、勘弁して貰いたい次郎としては、探索活動は三年の夏までを限界としなければならなかった。
 振り返れば中学三年生の時分も、同様の事をしていた記憶が蘇る。
 行動の根幹は、三年経ってもあまり成長していない次郎であった。
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