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龍人転生~苦労の絶えない異世界道中~  作者: 白玉蛙
四章 アシュトルス
52/146

宣戦布告

投稿遅れてすみません。

  人間の姿になったライムを預かって数日、少しずつだがライムの事が分かってきた。


  まず食生についてだが、ライムは水と魔力があれば何処にでも住み着く事ができるスライムの例に漏れず、俺の水属性魔法で生成した水を好んで欲する。

  食べようと思えば普通の食事も可能みたいなのだが、好き好んで食べようとはしないのだ。


  ……俺達が飯を食べてる間、水だけを飲んでいる姿は見ていて非常にシュールである。



  次にライムの姿についてだが、ルシアスキャンで調べた結果、ライムは見た目こそ少女のそれだが、肺や鼓膜は存在せず、更には性器部分もマネキンのように存在しないのだとか。

  これはスライムが酸素を必要とせず、音は直接感じ取り、分裂によって個体数を増やすためであり、先にも言った通り【変体】は生物の特徴を残した状態で別の生物に『成りきる』だけなのだ。



  最後にライム本人についてだ。


  最初こそ終焉粘性魔物(オメガスライム)という名前とおびただしい量と質のステータスに驚かされたが、その中の一つ【封印者】という称号によって技能(スキル)が半分も発動できない事が判明した。

  この【封印者】、別の第三者に付加させられた称号らしく、数ある封印の中でも技能(スキル)の一部を封印するものらしい。これによって得体の知れない危険度はガクンと下がったみたいで、今の俺ならもしもの時でも余裕で対象可能(ルシア曰く)らしい。

  名前の知らない過去の誰かに感謝。





「ファル! でっ……え、でキタ!」


「おぉ早いな~。よしよし凄いな」


  ちなみに今、ライムは俺と一緒に文字の読み書きを勉強している。

  俺はまだこの世界の文字をスラスラと読み解いたりできないので時間があるときには勉強していたのだが、「ファル」や「ん?」といった一単語なら喋る事ができ、言葉は話せないが理解はしている様子だったので、俺と一緒に勉強すれば、ある程度はまともになるのでは? と考えた末の行動なのである。


  お陰でカタコトだが他の単語も喋れるようになったし、前世でいう五十音も殆ど自力で書けるようにもなっている。

  数日でここまでできるってのは、正直言って凄いと思う。


  それとついでにこっちにも勉強してる人物が一人。




「うぅ……政治って何でこんなに難しいんですかぁ……」


  机に勢いよく突っ伏し、ゴンッ! と鈍い音を立てて悶絶しているルーガを見て溜め息を吐いた。

  何やってるんだか。


「というかそもそも、何で俺の部屋でそれをやってるのかな?」


  辞書みたいな本――この国の法律や政治のイロハとその他諸々が書かれているらしい――に顔を近付けたり遠ざけたりして唸っているルーガ。


  なんでもデイペッシュの頃の文官が結構な強欲者で、少し前までルーガの目を潜り抜けて税を横領していたらしい。

  発覚した時点でルーガが城を追放したらしいのだが、そのせいで政治に関しての情報を管理する人物がほぼ皆無で、間に合わせ程度にルーガがその役も引き受けてしまったんだとか。


「こういう時こそ花というものは必要不可欠、そう! ファルちゃんとライムちゃんを愛でながらなら、効率はぐんと上がるんですよ!」


  また訳の分からない事を言うルーガ。しかしよく見ると、目元にうっすらと隈ができていた。

  やっぱり疲れは出てるんだな。


「……まぁどうでもいいけど、体は壊さないでね」


「勿論です!」


  最近ルーガが休んだりしている所を殆ど見ていないが、無理をしているのではないか? と時々思ってしまう。もしそうだったら、たまには息抜きをしてほしいものである。




「それじゃあ俺達は近衛兵の訓練に行くから、終わったら鍵を閉めてね。……それと何も無いけど、部屋を漁らないように」


  念のために言っておく。


「私も丁度一段落しそうですし、分かりました。鍵ですね……え?」


「じゃ、休憩もちゃんと取ってね」

「ってネ!」


  パタン、と閉まるドアを眺めるルーガ。


「……そういうことを敢えて言うという事は、つまりこれはこの間言っていた『ふり』というやつなんですね……! ふっふっふ」


  この後、部屋を荒らして収拾のつかない状態にしてしまい、ファルに大目玉をもらったルーガであった。







「ここだっ!」


「ぐっ……! もう勝てないか……」


  模擬剣を鼻先に向けられ悔しそうに呻くライアン。半刻に及ぶ模擬戦闘は、ファルの勝利に終わった。


「やっと勝ったぁ」


  今まで惜しい所で負けてしまっていたのだが、今回はライアンから勝利をもぎ取る事に成功した。初勝利である。


「近衛兵ナンバー2の座が奪われてしまったな……」


「ナンバー?」


  聞き慣れない単語に首を傾げた。

  順位分けとかしてたの?


「ああ、ただの(たわむ)れ程度だがな。ちなみに言わなくても分かるだろうがナンバー1はジャック隊長だ」


  どうやらライアン達近衛兵内で勝手にできあがっていたものらしく、上の階級との模擬戦闘に勝利するとその座を奪えるのだそう。

  ちなみに俺は今まで3位だったらしい。


「でもようやく勝てた感じだったし、またすぐに抜かされそうなんだよなぁ」


「……それを素で言ってるから恐ろしい」


  凄いジト目を向けられてしまった。

  あれ? 俺、今失礼な事言ったっけな?


『……御主人様(マスター)


「(ん? どうしたルシ)「ファル~!」わぷっ! ははっ、大人しくしてたか~? ライム?」


「んっ!」


  嬉しそうに目を細めたライムに、俺もつい表情を弛めてしまった。


「こう見ると、本当に兄妹みたいだぞ」


「さて、じゃあ今日の訓練はここまで。全員解散!」


  ジャックさんの声でぞろぞろと訓練所を出る兵士。俺達は少し休憩してから出るつもりだ。


  地面に腰を落ち着かせて冷たい水を一気に煽り、体にじゅん、と広がる冷たさを楽しんだ。


「今日も疲れたな~」

「……っかれタナ~」


  俺の言葉を復唱するライム。よしよし可愛いヤツめ。


「……あんなに長時間戦ったというのにその程度の疲れで済んでる理由を私は知りたいな」


「う~ん、やっぱり種族の違い?」


  流石にこればかりはどうにもならないしね。


「まぁ、確かに疲れたな」


  最初程では無いけどな、と苦笑いで言うライアン。まぁ、毎日三、四十分も休み無しで戦ってたら、流石に体力も付くわな。


「汗が凄いから着替えなきゃ。……こんな時に温泉があったらな~」


  この国では水浴びが一般的で、風呂というものが極端に少ないのだ。

  そういえばルーガもこの前「この国にはお風呂が無い事が短所ですよねぇ」とか呟いてたな。


「温泉? あの地熱で温められた水の事か?」


「うん、こういう時に入ると最高なんだよね」

「だよネッ」



  知識の範疇(はんちゅう)で温泉を知っているライアンに、温泉の素晴らしさを数分程説いた。


「……一度浸かってみたいものだな。この国の近くで温泉というとベクトリールか」


「ベクトリール?」


  そんな国があるんだな。


「かなり規模のある軍事国家で、四方を活火山に守られている自然の要塞国家、と言った所か」


「へぇ……今度行ってみたいな」


  今度その国に行く事を心に誓った俺。聞けば、言うほど遠くもないみたいだ。


「いずれな「ファル! ライアン!」どうしました? ジャック隊長」


  さて行こうか、と立ち上がった俺達に向かってジャックさんが走ってきた。


「たった今城に届いたものなんだが……」


  バッと俺達を連れてギルドを出て、近くの路地裏に突入したジャックさん。表情を見ると、あまり芳しくない事があったみたいだ。


「まずはこれを見てくれ」


  そう言って1枚の羊皮紙を俺達に見せたジャックさん。俺とライアンは顔を近づけてその羊皮紙に書かれた内容を確認するが……。


「これってまさか……?」


「……良かったね。予定より早く行けそうだよ」


  成る程、これならジャックさんが慌てる理由も分かるわ。ついつい軽いジョークが出てしまったよ。


「そんな事を言ってる場合じゃないだろ……。隊長、これは……そのままの意味で受け取っても宜しいのですか?」


「使者が直接届けてきたんだ。間違いないだろう」


  羊皮紙に書かれた内容はこうだ。




『アシュトルス現女王に告ぐ


  我々ベクトリールは前王ナフール=デイペッシュに無実の罪を着せ、クーデターという手段を持って王の座を強奪したとして、現女王ルーガ=アシュトルスないしそれに準ずる者へ粛正を降す事を決定した。

  十日後、我々は貴国へ軍事力による粛正を行う。賢明な判断として投降することを薦め、五日の猶予を与える事とする。



 ベクトリール現国王マグナ=ベクトリール』




「……戦争が始まるかもしれん」


  それはあまりにも理不尽で一方的な、宣戦布告の知らせであった。







  数日前。


  がらんどうな部屋でそれを書き終えたベクトリール王は、それを紐で巻いて側近に手渡した。


「……さて、これで後は相手の出方を伺うまでですな」


「どちらにせよあの国を支配下に置けるのは必至、名目を余の敵討ちとすれば、丁度良い宣戦布告の材料となるだろう」


  ギシギシと軋む椅子に不快感を感じながらも絶対的な自信のもと、そう言うナフール。


「余が再び王となったら、あの国は好きに使ってくれて構わない」


「ではそうさせていただこう。それにしても、頼もしい限りですな」


  椅子に座らず、地面に膝を付いて砂糖菓子を貪る女性を見てそう呟く王。

  女性はそんな事にはお構い無しと言わんばかりに菓子に集中している。


「当然だ。これで我々は二度にわたって戦争に勝利してきたのだからな」


「この術を発動させるに当たって大型の魔結晶を国の備蓄三分の二以上を消費してしまったが、それに見合った結果を出しそうだ」


  損を得が上回ると確信した様子の王は特に気にした風もなくそう言う。


「それは期待してもらって構わない。何せ『異世界転移者』、とてつもない魔力と技能(スキル)を持つ者だからな」



  そう、この場違いな女性こそ、ナフールが教えた『転移の秘術』による結果であり、成功の産物なのである。


「その力、我々の戦力として役に立ってもらおう、『浦園(うらぞの) 亜理子(ありす)』よ」


  女性の名を呼び、そう言ったマグナ。すると菓子を食べる手を止め、二人を向いて微笑んだ。


「パパのお願いなら、私やる。悪い魔女をやっつければ良いのよね?」


  マグナの事を『パパ』と呼ぶ存在、亜理子はそう言って魔力を解放させた。



  その日、ベクトリールという国は新たな変化を遂げた。








  王室まで転移した俺達。見張りの兵士に一言いう前に、ルーガが扉から現れた。


「ルーガ、大変だ! ベクトリールとかいう国が戦争って」


「知ってますよ。というか、そのは真っ先に私の所に来ましたもん」


  取り敢えず入りますか? と王室へ入室を促した。しかしライアンが慌てた様子でそれを拒んだ。


「そ、そんなとんでもない! いち兵士である私めはここで十分です! その……訓練直後ですし」


「あ~……確かに、俺達は一旦着替えてくるよ」


  ライアンの言わんとしている事を察した俺。訓練直後に急いでここまでやって来たので、今の俺達は汗でベトベトなのである。流石にこれは失礼も過ぎるだろう。


「私は気にしないんですが……分かりました」


  そんなルーガの許可を得て、着替えを済ませるべく部屋に戻った俺。

  ……そして部屋の惨状を目の前に、後でルーガをシバく事を心に決めたのはここだけの話。





「お待たせ」

「またセ!」


「遅いですよ~……ライムちゃんが可愛いから許します!」


  バッと飛び付いてきたルーガをライムが軽やかに回避した。ライムはルーガの事を嫌っている訳ではないのだが、反射的に避けてしまっているらしい。


「むぅ、どうして逃げるんですか~」


「……フリーダムな方なのだな」


「これが普通だよ」


  自由人なルーガを見て正直な感想を洩らしたライアン。さっきから緊張した面持ちである。

  まぁさっきライアンが言ってた通り、普通だったらいち兵士が王室に来る事なんて滅多に無いからな。


「まぁとりあえず中に入ってください」


「そうするよ。ライムも入ろうか」


「ん!」





「ベクトリールがこの国に宣戦布告をしたってのは間違いないんだよね?」


  侍女の出したお茶を啜りながらそう質問した俺。ぶっちゃけ、今もまだ信じられないのだ。

  だって宣戦布告だぜ? 殺し合いをするんだぜ?


「あぁ。文の中に幾つか解せない点はあるが、これは間違いないだろう」


  その手の専門家が言うのだから間違いないだろう。

  ……なんともいえない気分だ。少なくとも良くはない。


「しかしなんで戦争なんて……」


「この国がまだ王位を継承した直後なので、私達が力をつける前に自分のものにしよう、って事なんじゃないですか?」


「確かにそうだろう。現王の代だけでも、近場の国を一つ手中に収めてる大国だからな。更に戦力増強ってのはあるだろう」


  流石専門家……ってそうじゃない。


「仮に今のこの状況で戦争でも仕掛けられたら……」


「間違いなく負けるだろうな」


  冷静にそう言うジャックさん。まぁ、確かに勝てないだろうなとは思っていたが。


「しかし、何故ベクトリールはこの国を支配下に置こうとしているのでしょうか? この国はまだ生まれ変わったばかり、こんな小国より……失礼、この国より現在も対立関係にある海国を相手取る方が損得勘定では上なのでは?」


  ここでライアンがふと疑問を溢した。


「俺達の国が『普通の王国』だったらそうだろうな」


「どういう事?」


「この国はデイペッシュの頃、三回にわたって他国との戦争があったんだ」


「それは知ってる。国の名前は知らないけどね」


  シャロンが大地の説明をしてた時に聞いた話だったな。


「『コルノ平和国家』という名前で、えっと……今は私達アシュトルスの統治下にあるんですよね?」


「この国って勝ったんだな……そのコルノとかいう国に」


  あの豚に軍を動かす程の統率力なんて無いものだと思っていたが、そうでもなかったのだろうか?


「平和国家とはいうが、言ってしまえばただの独立国だ。最初は小国同士のいざこざだったんだが、あのガイアが戦争に介入してな」


「……そういえばシャロンが一人で軍を全滅させた~とか言ってたな」


  大地、の単語を聞いて嫌な事を思い出してしまい、つい表情に出てしまった。

  俺が初めて殺した人間だったからな……。


「……それで戦力の大半を失ったコルノはこの国の支配下になったんだ」


「確か、他の国では『じぐん』を殆ど失わずに敵兵を全滅させた王国っていう噂が広がってましたね。私がまだ旅をしてた頃に」


  俺の心中を察したのだろう、ジャックさんが無理矢理話題を進めた。

  俺も、今はそんな事考えてる時じゃないな、と感情を押し込んだ。


「でも、それとこれはどういう関係があるの?」


「この国には小国相手に損害を出さずに圧倒するだけの力がある。その国が代替わりをしたばかりの今、国の情勢もまだ安定していない今ならその国力を掌握できるのではないか? っていう考えを持つ人間は少なくないと思うぞ。特に大国ならばな」


「この国には得体のしれない戦力が隠されてるから、それを獲得するには今がチャンスって事?」


  ならば今のタイミングを狙ったのは正しいと言えるだろう。しかし、ジャックさんの中ではそれだけでは無いらしい。


「それもあるな」


「それも?」


「戦争する理由をもう一度見てみろ」


  言われるがまま再び目を通した。


「……『前王ナフール=デイペッシュに無実の罪を着せ、クーデターという手段を持って王の座を強奪したとして、現女王ルーガ=アシュトルスないしそれに準ずる者へ粛正を降す事を決定した』……うん、納得」

「っとク?」


「理由は(かこ)つけのものだが、間違いなく前王が絡んでるだろう」


  明らか豚を味方として扱っている……これを見たら流石に気付くわな。さっきは戦争ってのに頭がいっぱいだったから見落としてたわ。

  これは……確実に豚がたぶらかしたやつですわ。


「見返りは多分、この国の再統治ですね」


「……ねぇ、これって馬鹿にならなくない?」


「そういう事だ」


  異世界から人間を転移させる術を持ってる人間が大国に寝返ったという事、それはつまり……。


「相手は新たな軍事力を獲得したと考えて良いだろう。この国の情勢を知り尽くした上で、な」


「……どうするの? ルーガ」


  この羊皮紙には投降もありという内容も書かれている。勝てないのが分かってるのなら、国から余計な犠牲者を出す訳にはいかないだろう、

  そういう意味も込めての質問だったが、ルーガはあっけからんとした様子で答えた。


「受けて立つに決まってるじゃないですか」


「でも、絶対に勝てないよ。これは」


「確かに力ではとてもじゃありませんが敵いませんね「ならば」だから、です」


  ルーガは、とても楽しそうに笑っていた。

  決して国の運命を見て笑っている訳ではない、というのは、その据わった瞳で容易に分かった。


「私達にはファルちゃんがいるじゃないですか。ソウガさんやシャロンさんも」


「いや、シャロンはどうなのかな……」


  あくまで情報収集として協力してる感じの人だし、頼めばある程度は手伝ってくれるだろうが……。


「と、ともかく! ここで逃げたらこの国はまた、独裁政治に逆戻りです!」


  それはそうだ。

  間違いなく前王()が関わっているこの戦争、投降はイコールこの国の破滅にも繋がりかねないだろう。しかしそれは戦争に負けても同じだ。


「私達が今やるべき事は『逃げ』ではなく『攻め』なんです! それに、これはチャンスでもあるんですよ」


「チャンス?」


「そうです! 私の支持率、この国の認識度……それと万一勝利した時の見返り。戦争というのがどのようなものになるかは分かりませんが、それでもやるんです!」


  他の人達はどういう意見なのだろうか?


「……ま、女王様がそういうのなら、やるしかないだろうな」


「私はこの国に仕える者、異論は御座いません」


  全員がやる気満々……いや、俺が弱腰になってただけか。

  俺は強めに自分の頬を叩き、ルーガの目を見据えて叫んだ。


「……やるならば徹底的に、この国の為、勝とう!」

「とうッ!」


「その意気です!」


  こうして、俺達と国の命運を懸けた戦争は、始まりの一歩を歩んだ。

オマケ



部屋の惨状を目の前に、後でルーガをシバく事を心に決めたのはここだけの話。



「そういえばルーガ」


「どうしました?」


「さっき着替える為に部屋に戻った時さ、俺の部屋が戦後の惨状みたいな状態になってたんだけど……心当たりは?」


「あっ……」


「少しそこに座ろうか?」


「……はい」


「ちょっ、ファル! 流石にそれは失礼だろ!」


「ライアン、今のファルにそんな事を言っても無駄だ」


罰として三日間、夕食に出てくる肉料理を極端に減らされたルーガだった。





他の国では『じぐん』を(ry



ルーガは言いなれない単語はカタコトになります。この単語は漢字に直すと『自軍』になります。

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