天使は蛇を想う
僕の腕の中で震える彼女を見る。
無理も無い、
ほんのついさっきあんな事に成ったのだ。
あのウミヘビが助けなかったら…
僕は自分を情けなく思う、
彼女のとなりに僕は居れるのだろうか?
今彼女は僕を頼りにしてくれて居る、
でもこの先は?
彼女は僕と
ずっと居続けてくれるだろうか?
それともあのウミヘビ…
リヴァイアサンと?
彼女にリリスと名をつけたアダムと?
僕は彼女のため造られた。
生まれながら彼女のため存在する。
僕は…
女々しいな…
また彼女を見る、
潤んだ目でこちらを見て何かを堪える様に唇を震わせる。
いや、だった、
彼女のそんな姿が。
堪えてる…
そんな姿がたまらなく嫌だった。
そんな風に唇を震わせ無いで…
僕にみんな話して、
そんな意を込めて、僕と彼女の唇を…
重ねた。
目を閉じていた、
だから彼女がどんな表情していたかはわから無い。
息を止めても感じられる甘香、
触れ合う程彼女の体温は僕を焦がす。
だが、
そこは僕にとって在る意味神聖さを持って居た。
ただこの一時は園は彼女と僕だけの空間だった。
ふと、
彼女が常に傍に持つ文書を思い出した。
今もここに在るかもしれない、
彼女はあの文書に依存して居る。
起きて居る時は当然、
寝ている時も彼女の枕元において在る。
全く、
本に嫉妬しそうだ。
と、
彼女の指が僕の首元をなぞる、
うなじを撫でる様に、
ゆっくりと肩の所までなぞり、そこで止まる。
僕はそこで察する、
あぁ、
終わりが来てしまったんだと。
そう思うと僕の快楽で麻痺していた頭は正常に回り出す。
ゆっくりと彼女の手に力が込められる。
それは許容であり拒絶だった。
僕の目に最初に映ったのは涙で頰を濡らした彼女…
目も赤く成っており弱々しく微笑むその顔だった。
「ありがとう元気でた」
嘘だ…
だったら、何で
彼女の痛々しい強がりは僕の胸を限りなく締め付ける。
「何で泣いてんだよ⁈」




