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私は悪役令嬢になるかもしれない

 私が殿下に関する噂を耳にしたのはたまたまトイレに入っていた時だ。


「知ってる?最近、王太子様と男爵令嬢が仲良くしてる、ていう噂」


「知ってる知ってる!休み時間に一緒にいるとこ見たもん」


「エリス様との仲も最近良くない、て聞いたわ。もしかして男爵令嬢と……」


「それってまるで恋愛小説みたいじゃない!」


 キャーキャーと盛り上がっているのを聞きながら私は個室で息を潜めていた。


 まさか、そんな噂が出ているとは初めて知った。


(さて、どうしようかしら……)


 私はよくよく考えてみた。


 私とエルモンド殿下との婚約が決まったのは4歳の時、そこから私は婚約者として王妃教育を受ける日々が始まった。


 それが当たり前だと思ったし私も殿下の隣にいるのは私が相応しいと思っていた。


(そういえば殿下はどう思っているのか聞いた事なかったわね、でも殿下はなかなか本音を話さない方だし……)


 殿下は口や態度は優しいんだけど目の奥が笑っていない、というか……、仮面を被っている感じがする。


 そんな事を感じて初めて胸の中にモヤモヤした物が生まれた。


 そして、ある時殿下と例の男爵令嬢が一緒にいるのを目撃してしまった。


 その姿は私と一緒にいる時とは違っていてにこやかな顔をしていた。


 その瞬間、『私に入り込む隙間は無い』と感じた。


 そして、最近読んだとある恋愛小説を思い出した。


 その小説はヒロインと王子の身分を越えた純愛を書いた作品だ。


 そして、そのヒロインのライバルになるのが王子の婚約者で所謂『悪役令嬢』、ヒロインと王子の仲をいろんな手を使って邪魔するんだけど最終的には破滅してしまう。


(立場的には私は悪役令嬢ね……)


 考えすぎかもしれないけどこの悪役令嬢がどうも私と被って見えてきた。


 うん、これは早めに手を打っておいた方がいいかもしれない。


 私は早速行動を開始した。

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