父親に相談しました。
「お父様、ちょっとよろしいですか?」
自宅に帰ってきた私はすぐにお父様のいる書斎へと向かった。
「どうしたエリス? 殿下と何かあったのか?」
私の父、ロイズ・トゥカーナはこの国の宰相を務めている。
だからこそ私と殿下の婚約が決まったんだけど……。
「実は殿下との婚約を考え直したい、と思っております」
「……それは穏やかではないな」
「申し訳ありません……、どうやら殿下には他に好きな方がいらっしゃるようで」
「それはもしかしてトバール男爵家のミーナ令嬢ではないか」
「えっ!?ご存知なんですかっ!?」
「まぁ、貴族の噂というのは何処でも広まるものだ。特に醜聞は広まるのが早い」
「という事は王家にも耳に入っているんですか?」
「多分、入っていると思う。だが今のところは静観している。まぁ若気の至りだろう、と思っているようだが当事者にしてみれば将来に関わる問題だからな、でエリスはどう考えている?」
「……私は殿下との婚約は破棄したい、と思っております」
「そうか、では国王様にそう伝えておこう」
あっさりと言ったお父様に私はキョトンとした。
「え、よろしいんですか?」
「儂は構わんよ、いつでもエリスの幸せが優先だからな」
「国王様がどう思われるか……」
「多少は言われるかもしれないが聞き入れてくれるだろう」
まるで確信したようにお父様は言った。




