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ラヴ・ソルジャー ~悪魔に恋しちゃダメですか?~  作者: 紫龍院 飛鳥


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第二十五話


【魔王城・最下層通路】


息が乱れるルドルフ、ハートリアの応急治療で怪我は良くなったものの削れた体力まではままならなかった。


「……はぁ……はぁ……」


ルドルフは片膝をつき、壁に手をついた。

剣は、もう重すぎる。


「ルド……!」


ムエルタが支えようとするが、彼は首を振る。


「大丈夫……まだ、行ける……」


だが足は、正直だった。


すると次の瞬間…



”ビカッ!”



床の魔法陣が眩く光った。


「なっ……!?」

「転移陣……!? まさか――!」


逃げ場はなく、光が二人を包み込む…。



・・・・・



次に視界が戻った時、二人は広大な玉座の前に立っていた。

そこに座する荘厳なオーラを纏った魔族の男


「ようこそ、魔王の間へ…」


低く響く声、それだけで空気が重くなる。


「ま、魔王…!?」

「魔王、様…」


ルドルフは歯を食いしばり、ムエルタを背に庇った。

それを見て魔王はニヤリと笑い


「ほう、ムエルタを奪還したか…見たところ四天王もほぼ倒しきったと見える」

「…っ」

「クックックッ、既に虫の息同然貴様に我を倒せるか?」

「…ああ、お前を倒して…彼女を縛る鎖を解き放つ!」

「フン、ならばお望み通り相手になってしんぜよう!後悔しても、もう遅いぞ!」


魔王VSルドルフの熾烈な戦いが今、始まる



・・・・・



一方その頃、城の城門前では


「ついに来たな、ここまで…」


ラミレス達、魔王城へ合流…するとそこへ


「待ってたぞ、貴様ら…」

「お前は、イフリート!」

「早速四天王が出迎えだなんて、粋な計らいじゃない…」

「ルドはどうした?」

「あいつか?あいつならば今頃、魔王様と戦っているだろうよ…」

「っ!?」

「一足遅かったようですわね…」

「俺の役目は、後から来たお前らをここで消し炭にすることだ…」

「そうか、まぁそう易々とはいどうぞとは行かせてくれないよなぁ?」

「覚悟しろよ?お前らとの因縁も今日ここでおしまいにしてやる!」

「それはこっちの台詞だよ!」



・・・・・



場所は戻り魔王の間、魔王相手に果敢に挑みかかるも早々敵うはずもなく再び満身創痍のルドルフ


「ぐふぅっ!」

「ルド!しっかり!」

「ふむ、人間にしては中々やるな…じゃが、その程度では我は倒せん」

「ぐ、ぐぅ…」

「諦めろ人間、貴様の未来は”死”あるのみだ…」

「…違う!」

「何ぃ?」

「俺の未来を勝手に決めるなよ!」

「ほう……その身でまだ立つか」

「……俺は……」


声が、かすれる。


「……彼女を、連れて帰る……」

「愚かだな」


魔王の右手から魔力が溢れ出す。


「ならば、ここで終わりだ」


(圧倒的な威圧、立っているだけで膝が砕けそうになる…)


ムエルタが、ルドルフの背中に手を当てた。


「……もういい、ルド……」

「ダメだ」


ルドルフは、かすかに笑った。


「……ここで、諦めたら……俺は一生、後悔する……」


魔王が手を上げる。


「さらばだ、人間!」


絶体絶命のピンチと思ったその時だった。



”ドォンッ!”



背後の扉から響いた轟音。


魔王の間の扉が勢い良く吹き飛んだ。


「そこまでだぁぁぁ!!」


聞き慣れた声…聞きたくて、聞く資格がないと思っていた声。


「……え?」


ルドルフが、振り向く。


煙の向こう。


剣を構えたラミレス

冷静な眼差しのシドウ

杖を握りしめ、涙を浮かべるハーミア

そして腕を組み、呆れた顔のリーネ


「……お前ら……」


「馬鹿な…イフリートはどうした?」

「へんっ!あいつなら俺らが速攻で片付けておねんねしてるぜ!」

「なんだと!?」


魔王が、目を細める。


すると、ルドルフはラミレス達に振り返り


「……なんでだ?」


叫ぶように言った。


「俺は……!お前らのことを騙して……裏切って…追いかけてくんなって…言ったのに…!」


拳を握りしめる。


「……それでも……なんで来たお前ら……!?」


一拍の沈黙、そして


「……ほんっと、馬鹿ね」


リーネがため息をついて一歩、前に出る。


「至極当然のことでしょ?仲間が勝手に全部背負って一人で死にに行くなんて…」


冷たい声だが、目は濡れている。


「そんなの、許すわけないじゃない」


ハーミアが、涙をこぼしながら叫ぶ。


「書き置きなんて……!あんなの、置いて行かれて……平気でいられるわけないじゃないですか……!」


シドウは静かに言った。


「選択を誤ったかどうかは、後で良い…だが」


ラミレスが、ルドルフの前に立つ。


剣を肩に担ぎ、真っ直ぐに睨む。


「失うかどうかは、今決める!」


そして、はっきりと言った。


「”大事な親友”を、失うわけにはいかないからな!」


ルドルフの視界が、滲む。


「……ラミレス……」


「文句は全部、帰ってから聞いてやる」


ニヤリと笑う。


「だから今は……一緒に生き残るぞ、相棒!」


ルドルフは、ゆっくりと立ち上がり剣をもう一度握る。


「……ありがとう」


短く、それだけ言った。


ムエルタは呆然と仲間達を見つめ、やがて深く頭を下げた。


「……すまない……そして……ありがとう……」


魔王が、玉座から立ち上がる。


「面白い……実に、面白い!」


玉座の間に、殺気が満ちる。


「ならば見せてもらおう、その絆とやらがこの魔王に通じるかどうかをな」


勇者パーティーが横一列に並ぶ。


ルドルフの隣に、ラミレス…その背後に仲間達。


そして…その少し後ろでムエルタが祈るように見つめていた。


絶望の局面で勇者達は再び一つとなり、立ち上がった。






To be continued...

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