ナルシストが無性に絡んでくるのだが、いったいどうすれば良いんだ!?
「スタート!」
スターターピストルの音ともに私は瞬時に走り、お題が入った箱に手を突っ込む。そして、私は箱の中にあった紙を引き抜いた。
引き抜いた紙を広げる。そこに書いていたお題に私は思わず息を呑んだ。
「——ホント、バカなんだからラブコメの神様は」
※
始まったか……それにしても、穂状は何のお題を引いたんだ?
俺がそう考えていると、突然俺の肩に腕を置いてくる男がいた。その男はよく穂状とつるんでいる陽キャグループの人間だった。
「神島くん、君、穂状さんと結構仲良さそうだけど、勘違いしてんじゃねぇぞ、穂状さんは別にお前のこと好きじゃないからな!?」
「は、はぁ」
何言ってんだこいつ。
「お、おっと穂状さんが来たようだ」
俺に絡んできた男がそう言うと、俺は咄嗟に穂状がどこにいるか目で探す。どうやら穂状は誰かを探している様子だった。
「きっと俺を探してるんだ」
男は前髪をかき上げながらそう言った。
ナルシストかコイツは。
そして、穂状は誰かを見つけたのか、こちらの方へ走ってくる。
「穂状さーん!」
男は何故かそう言って、穂状の元へ走っていった。それに対し、彼女はめちゃくちゃ驚いた様子だった。
「え!? 佐美雄さみお!?」
アイツさみおていうのかよ。
佐美雄が彼女の元へ寄ろうとした時、穂状はその男は華麗に避ける。
「え!? 俺じゃないの!?」
「ごめん佐美雄! 今君じゃないの!」
「えー……チックショー!」
アイツ何がしたかったんだ……——ッ!?
「あ! 居た! 神島ぁ!」
「え? 俺ェ!?」