うちの学校の玉入れが色々と鬼畜なんだが、いったいどうすれば良いんだ!?
うちの高校の玉入れは普通の玉入れとはひと味違う。うちの高校の玉入れは、各団の団長さんが玉入れのカゴを持って、走ったり歩いたりするため、その動くカゴに玉を入れなきゃいけない種目だ。
玉入れに参加する者たち一同が綺麗に並ぶと、
「よーい始め!」
その声と共に各団の団長さん達は、踊りを披露する者もいれば、意味のわからんバク転やバク宙を始めた。普通に走れ普通に。
まぁ唯一救いなのはうちの団長さんは、ただ走っているだけだから玉が入れやすい点だな。
そんなことを思いながら、地面に落ちている玉を拾うと、俺はそれを団長が背負ってるカゴに向けて投げる。
ふ、俺は小学校の頃玉入れ界のイチローと言われたんだ、俺の当たる玉は百発百中! イッケェー!!
俺は完璧なフォームでカゴに向けて投げた。時速600キロメートル(嘘です)で団長が背負ってるカゴに向けて投げた玉は、カゴから軌道がそれ、別の団長の顔面へとヒットした。
すんません。
それから俺は団長のカゴに玉を投げ続けた。
「はい終了ー!」
その終わりの宣言の声と共に玉入れは終わった。結果は赤団と青団が競り合い、1玉の差で青団の勝利だった。
玉入れが終わったあと俺は、いつも通りコソッと抜け出して、観客席の方をブラブラしていた。
ま、気づけば今年の体育祭は大詰めになってたんですけどね。
残り三つの種目。
借り物競争。
選抜リレー。
フィナーレ。
次は借り物競争か……。
『私? 私はね、借り物競争だよ!』
穂状が借り物競争に出ることを思い出した俺は、少し不安に思いながらも、赤団のテントに走って戻った。




