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聖職者ういさん~ 超初心者編  作者: ばっちょ
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ういさんの物語 19話 裸族突入

ギルド裸族、最大・最強・変態の名を欲しいままにするギルド

そのギルドマスター 異端審問官のインクは、ギルドメンバーを率いて、

企業「欲望の導くままに」の本拠地へ乗り込んだ。


「今頃、プロンテラ教会には、こいつらの先兵が攻め込んでいるだろう。

我ら裸族は、それに対するカウンター攻撃を行う。

攻め落として、是非とも、我らの拠点にしたいくらいの、恐ろしく巨大な拠点だな。」


企業「欲望の導くままに」の本拠地は、広大な敷地面積を誇り、

端から端まで歩いて1時間かかる。敷地内には大小50の建物群があり、

研究棟、事務棟、本社棟、工場、住居棟、警備棟などが立ち並ぶ。

広大な庭園もあり、ほぼ、都市ひとつと同等の規模がある。

従業員数は非公表、敷地内にはBOTが多数巡回し、各種業務をサポートしている。


そこを攻め落とそうというのは、かなり無理がある。

だが・・・・。


「目指すのは、本社棟のみ。敷地内は、攻撃魔法が封印されているため、使用できないが

我らならば、攻め落とせる。」

インクは宣言した。


集まったギルドメンバーは、国内最強を自負する精鋭達・・・

中でも、大魔法が使えなくともまったく意に介さない連中が集った。


魔法の杖で、殴り倒す。通称殴りマジ、

物理破壊に特化したウォーロックや、ハイウィザード、達・・・

本来、弓職にも関わらず、

短剣使いに特化したレンジャーやスナイパー達・・・

盾職にも関わらず、盾を捨て、素手に特化したクルセイダー達・・・

殴り専門の聖職者達・・・

どこか頭のネジが何本か飛んでいても、意に介さない連中が集うギルド


そして、それらを率いる半裸の女性、ギルドメンバーからは族長と呼ばれる

異端審問官 インク。

総勢500名のギルドだ。


「今日は、助っ人が来ている。初心者ギルドの人々だ。」

「こんちはーっす。」「よろしくです。」「仲良くなれそう。」「偽造通貨どこ・・・。」

園児のような服装と場違いな雰囲気を醸し出す、初心者の振りをするギルドだ。

「初心者ギルドの人々は、遊撃隊として動く。特に気にしなくて良いらしい。」

「了解っす。」「よろしくっす。」「かわいいわね。」「あとで遊びましょ。」

ギルド裸族のメンバーとは、気が合いそうな気がした。


挨拶もそこそこに、侵攻ルートの説明がなされた。

「正門から一気に、中央にある本社棟を陥落させる。他の建物群は無視。

本社棟には、怪物がいると聞いている。心してかかるように。

もし、社長と思われるものが居た場合は、すぐに連絡を。

神の一人とも言われており、実力は未知数だ。

まぁ、すでに退避していて無人かもしれないがな。」


この争奪は、主に建物や土地の占有が目的となる。

そのため、事前に戦闘を避けたい場合は、退避が可能なように猶予期間が設けられている。


「では、乗り込む。」


正門には、警備用の生体機械人形、BOTが10体程いたが、即破壊して通過した。

警報音が鳴り響く。

「侵入者あり、侵入者あり。警備兵は至急迎撃態勢に移行せよ。」


インクは疑問に感じた。

「宣戦布告しているのにも関わらず、通常警備体制のようなのは何故なのか。

罠でもあるのか・・・?」

「いやぁ・・・でも、四方八方から、ワラワラと寄ってきてますぜ。」


中央の本社棟まで走れば5分程だが、その間に、警備用BOTが

100体近く、こちらに向かって走って来た。

寄ってくる警備BOTは、剣士の衣装で統一されていたが、たいして強くない。

すべてメンバーが叩き壊して行った。

「物足りない・・・。」

すぐに巨大な本社棟に着いた。

本社棟はでかい。10階建ての真四角な白い建物だ。幅は300メートル近くあるだろうか?

中央に入口があり、左右に開く木造の扉が取り付けられていたが、

アサシンからの情報では、樹木の化け物だと聞いた・・・。


インクが、まず一発入口の扉を殴り、ぶち壊した。

「ぎゃぁああああー。」

扉から悲鳴が上がった。

「いやだな、これは・・・。」

「おい、壁も壊してしまえ。」

インクの指示で、ギルドメンバー数名が、巨大なハンマーで壁を叩き壊し始めた。

すると・・・「やめてぇぇぇ・・・痛いー。」と悲鳴があがった。

「情報の通り、壁も、化け物なのか・・・。なんなんだ、この建物は・・・。」


すると、一部の壁に足が生えて、移動して行った。

「おい、壁に足が生えて、逃げて行ったぞ。」

「この壁・・・生き物なのか?」


そして、続々と壁は、足を生やして逃げ始めた。

「なんなんだ、この光景は・・・。」


壁は、助けを呼び始めた。

「壁の神様、お助け下さい。」「壁神様・・・ご降臨を・・・。」

それを目の当たりにした初心者ギルドの人達は、うなずきあった。

「わかったよ。君達の希望、かなえてあげる。ふふふ。」

「え・・・?」

「なんだって?」


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その様子を遠くから眺めている人物達がいた。

情報漏洩課のアチカと、思念体、緑のエレマスだ。別の建物の屋上から様子を見ていた。

「君は行かなくていいのかい?」

緑のエレマスが、アチカに声をかけた。

「冗談を・・、私は非戦闘職ですよ。そもそもうちには研究者しかいない。

 戦闘はすべてBOT任せですよ。ところで、何故ユメトピアスを攻め手に加えたのです?」

「あぁ、ドラゴンナイトのユメトピアスね。

再召喚されたあと、我々が引き取ったが、どうも以前と様子が違う。

我々の仲間になろうともせず、以前のギルドに固執していた。

また、魔王への恨みが、これまた強かった。このままだと、また暴走すると思ってね。

それで、マッドサイエンティストのエナミッシュの協力で、

仮想敵を作ってもらい、信じ込ませる事にしたんだ。

お前達が復活した事を人間は良しとしていない。いずれ駆逐されるぞ・・・と。」

「洗脳か?」

「洗脳なのかね? それで、仮想敵の中心にいるのが、例の教会だと吹き込んだんだ。

そしたら、攻撃に参加してくれる事になった。

こちらとしては、手に余るので、処分したかったが、直接同胞を手にかけたくない。」

「なるほどね。そういうわけか。相当魔王への恨みがあったのだろうな。」

「そうだな。」


アチカは、緑のエレマスに疑問をぶつけた。

「ところで、君の最終目的は何だい?」

「私個人のか?それとも思念体全体のか?」

「どちらでもいい。」

「個人的には、君達と似たようなものだ。神や天使といった上位の存在を使役したい。」

「ほう。」

「組織としては・・・そうだな。我々だけの領土・拠点を維持する事が目的だ。

 世界征服のようなものは考えていない。ただな、一部、戦闘大好き系が居るため、

 場合によっては、その方向へ行く可能性もある。」

「なるほどな。思っていたより平和志向なんだな。」

「ははっ、別に私は戦闘狂じゃない。ただの精霊使いだ。」

「おっ、動きがあったようだぞ。」


遠くからみると、何やら天使が舞い降りてきているようだった。

「天使を降臨させているぞ。あいつら。」

「天使・・・存在したのか・・・。だが、どうやって使役しているのだ・・・。」


逃げまどっていた壁の動きがピタリと止まった。

そして、裸族の一部は、一気に建物内へ突入して行った。

半数は、外で警備BOT相手に奮闘している。


「中に入ったか・・・。」

「内部はどうなっているのだね。」

緑のエレマスは、アチカにたずねた。

「迷宮だよ。見ただろ?壁が勝手に動くんだ。だから通路も扉も変化する。

ただな、あいつら壊して回ってるからな・・・意味ないだろうなぁ。」

「あれは、すごいな。動く壁なんて初めて見たよ。」

「どっかの研究所の所長が手掛けたキメラだよ。ほんと、クレイジーな企業だぜ。」


------------------------------------------------------------------------------

「建物自体の一部は、怪物だ。とにかく扉も壁もすべて破壊しつつ進め。」

インクが指示を飛ばす。


「2階の外壁は、怪物ではない。2階の内壁と扉は、怪物だったが、制圧は完了した。」

「3階は、天井と床が怪物だ。こちらもすべて破壊済み。建物はもうボロボロだ。」

「4階は、BOTだらけだったが、こちらも制圧完了した。」

「5階は、食堂だ。調理用BOTしかいない。スルーだ。」

「6階は、大浴場だ・・・なんでこんな施設があるんだ。」

「7階は、スポーツ施設だ。うちのギルドにも欲しいな。」


制圧は、スムーズだった。

やがて、外で大きな音がした。外を眺めると、5体のゴーレムがこちらにやってきていた。

ゴーレム自体は、石作り、土作りなど、それぞれ別の素材で出来ているようだ。

「ほう、ゴーレムも作っていたのか。まぁそうだろうな。」

外を担当している部隊がワラワラとハンマーを持って、ゴーレムに群がった。

「おもしろいもん作ってるな。誰が一番に壊せるか勝負しようぜ。」゜

「俺が足をぶっ叩く。」

外で、どかーん、どかーんと、どちらがどちらを叩いているのかわからないが、

激しい物音が続いた。

「放置して良さそうだな。制圧を急げ。」

「了解。」

「9階まで制圧完了しました。」

「早かったな。」


「では、10階へ乗り込むとしよう・・・。」

10階の大扉をハンマーで破壊した。中は巨大なフロアだ。だが、特に何もなかった。

中央には、巨大な宝石エンペリウムが設置してあった。

この世界では、ギルドでも、企業でもエンペリウムという宝石を設立時に使用する。

そうすることで、宝石に隠された魔力が作用し、複数のご利益があるという。

具体的にはギルドスキルなど、特殊スキル発動の条件をクリアできるのだ。


こいつを破壊する事で、完全な勝利となる。


だが・・・エンペリウムから、禍々しい気配が漂った。


20話へ続く。





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