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聖職者ういさん~ 超初心者編  作者: ばっちょ
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ういさんの物語 9話 最先端企業

思念体と呼ばれる元人間であった魔物達と、人間の企業との協力体制が成立した。

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企業「欲望の導くままに」に所属する「世界転覆本部情報漏洩課のアチカ」の

提案により、思念体達は、新たに名前を付けてもらった。


そして、技術革新のため、お互い協力し切磋琢磨し、素晴らしいものを作り上げていった。

ひとつは、伝説の武具を超えるべく、最高硬度を誇る素材の開発。

ひとつは、人間よりも素早い反応速度を実現した最先端センサー技術。

ひとつは、最適解を導くことのできる高度なAI機能。

ひとつは、いかなる攻撃をも取り込む軟体素材の調整。


すべては、人間を超越した思念体の不気味な力のおかげであった。

これらの技術を組み合わせて作り上げられた 人間そっくりの生態機械化人形、通称「BOT」は、

思念体の拠点である巨大遺跡に送り込まれ、

アサシンやハンター、その他思念体との攻防で、最終試験を行い、性能の良しあしを判別していった。


こうして、出来上がった「BOT」を、企業「欲望の導くままに」は、大々的に喧伝し、

全世界へ向けて販売を開始した。

見た目は、様々にカスタマイズ可能。

機械的なデザインもあれば、本物の騎士とそっくりなタイプ、メイドのようなタイプも。


1体あたりの価格は非常に高く、当初1体100億銭であったが、

量産体制が整えられると、すぐに価格帯は下がって行った。


量産体制を整えるため、各地に複数の工場を建設するには、莫大な資金と労力が必要となったが、

資金を裏で支える「とある企業秘密」と、「BOT」技術により瞬く間に工場は完成した。


新興企業「欲望の導くままに」は、様々な素材を販売する企業として設立。

高度な魔法や生体実験を駆使した素材開発に定評があり、

特に、北方にある開発センターは巨大で、かつ、複雑に入り組んだ構造をしていた・・・。


「素晴らしい出来栄えである。これほどまでに精巧な偽銭は、初めて見た。」

企業「欲望の導くままに」の大会議室では、白いスーツ姿の幹部が集まり、

製品の評価をしていた。その中に、偽銭が含まれていた。


すぐれた技術を使い、密かに偽造通貨を発行し大量に流通させていたのであった。

「インフレになりますよ。」

冷静に指摘する研究者の横で、幹部は冷静に答えた。

「我々の事業本部の名前を言ってみよ。」

「世界転覆本部です。」

「その通りだ。」


「世界を転覆させて、何がしたいのですか。」

「長年うちの研究員をしていて、なんだ、知らないのか。」

「いえ。」


「教育が足りないんじゃないのか。最終目的は、神への挑戦だ。」

「はぁ? ・・・神なんているんですか。」


「若造、特別に教えてやる。」

「もったいぶらなくていいですよ。さっさとしゃべって下さい。」

「この企業の創設者は、神の系譜に連なるものだ。ただし、神の中でも下っ端だがな。」


「ホントに神が存在するのですか。」

「神はいる。存在する。だが、この世界には降臨しない。できない。

だが、やつは、神のルールをやぶった。

そして、まだ、そのことは他の神には知られていない。

これはな、やつが、他の神々を追放し、この世界での絶対の神となるべく準備している

作業の一環なのだ。」

「そんな恐ろしい事をやっていたのですか。大丈夫なのですか。」

「おまえ、今まで相当マッドな事業手掛けていたのに、今頃心配してどうする?」

「いや、すげー楽しそうだったから。」

「だろう?そもそもここに来ている連中は、おまえも含めて、全員頭のネジが何本か飛んでる。」

「まぁ確かに。みんな頭のネジ何本も飛んでる飛んでる。

世界の真理を解き明かし、派手な実験と研究が出来るのは、ここしかないですから。

でも、ひとつ心配があります。神々の戦いとか、勃発したりしませんか。」


「ありえる。だが、それを回避するために、奴は他の神々を味方に引き入れようとしているらしい。

最終的には、反対派の神々をすべて追放して終わる計画だ。

それまでの間、我々も力を付け、世界を手中に収める準備の手伝いをする・・・という訳だ。」

「なるほど。理解しました。」

「わかってくれたか。頭が良いな。さすがだ。ははは。」


そんな会話が漏れ聞こえてきた。


「なるほどねぇ・・・・。そういうわけか、しかし、本当に神が存在するとは・・・。

しかも、ここの企業の創設者が、神の系譜に連なるものだったとは・・・。

やばい話を聞いてしまった。これは、見つかったら命を狙われるな。」

大会議室の横で身を潜めていた何者かは、見つからないように通路から退出し、

出口へ向かう奥の扉に向かった。


侵入時は、なんの魔法防御もなく、通過してきた木の扉だ。

扉を開き、進んだその時、警報音が鳴り響いた。

「ピー。警告!警告! 社員証不一致、社員証不一致。窓口で再申請して下さい。」

「やばい!」

警備兵がやってくる。何故、入るときではなく、出る時に鳴るのだ。

 

隠れ潜んでいた者は、司教セリカの依頼により派遣されたアサシンギルドの精鋭アマティアス。

「瞬殺するか・・・それでは、侵入がバレてしまう。」

「ハイド等の隠れスキル・・・いや、炙り出しスキルを使われたら、終わりだ。」

「・・・どうする?」


ここは、師匠に教わったスキル「威圧」を試すしかない。

やがて、二人の警備兵がやってきた。

「おい!ここの責任者は誰だ。セキュリティシステムがぶち壊れているぞ。」

警備兵に向かい、威圧的な態度で、睨みつけるように怒鳴りつけた。

「おまえら、こんな状態で外部に侵入されたら、どう責任を取るつもりだ。

こんないい加減なセキュリティを放置して良いと思っているのか。」

「ど、どうされましたか。」

警備兵はびっくりしている様子だ。


ここは全員、白のスーツが正装なので、姿だけでは、見分けがつきにくい。

もちろん、アマティアスも白のスーツに着替え、内通者から提供された社員証を持参している。

初対面で、かつ、白のスーツを着ていたら、内部の者と誤認してしまう。


「入った時には問題なかったのに、出た時に、いきなり警報音が鳴ったぞ。

壊れているんじゃないのか。」

事実を述べたまでだ。


「あぁ、これポンコツなんですよね。たまに居眠りしてるんですよ。」

「居眠り・・・? どういうことだ。」

「これ、所長が作ったキメラなんですよ。精巧に出来てるでしょ?」

「どれがキメラ?」

「この木の扉、木の化け物のキメラなんです。餌は、時々与えてるんですけど、

良く寝てて、役に立たない時があるんですよ。丁度この時間帯前後ですね。」

「えっ・・・この木の扉、生き物だったの?」

アマティアスは、戦慄した。なんてことだ・・・ここまでの技術を有していたのか。

「はい。所長は自信満々に言ってましたが、まぁ出来損ないですよね。」


それを聞いていた、木の扉は、突然パタンを扉を閉めると

「ピー!警告する。警告する。今後、私に謝罪あるまで、この扉は永久に封鎖する。」

と警告を出した。

「しまった。聞かれていた。」「なんだと!」

びっくりしたのは、警備兵の方だった。慌てている。


「おまえら、そんなことでセキュリティを維持できるのか、これは所長に報告だな。」

アマティアスは、不敵な笑みを浮かべた。

「いや、そこはちょっとご勘弁を・・・。」

「おい扉! 封印を解いてくれ、私達が悪かった。」

狼狽してる警備兵達を放置して、アマティアスは悠然と出て行った。


・・・後日、アマティアスは報告書をまとめた。

アサシンギルドでは、プロンテラ教会の司教セリカより、この企業の調査を依頼されていた。

複数名が潜伏、内通者と呼応し、数週間に渡り実体調査を行った。


何故なら、この企業が元で、世界に深刻な影響が出ていたからだった。

そして、まとめあげた報告書は、信じ難い、戦慄するものであった。


10話に続く。

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