表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

休息の時間

夕里は不思議そうに言った。

「一体何者なの?あの変なオバサン?」

沙夜香が応える。

「わからない・・・だが、あの尋常ならざる雰囲気、只者ではないぞ」

智花は尋ねる。

「あの人の行方を追うことはできないんですか?」

夕里が頷く。

「出来るわよぉ。やってみるわ!」

夕里は、秘術を行使し、消えてしまったおばさんの姿を補足しようとする。

しかし、数分後。

沙夜香が訊いた。

「どうだ?」

夕里が首を横に振った。不思議そうな表情で。

「・・・ダメだわ、全然見つからない」

夕里は続けて言った。

「おかしいわね、この私の追跡から逃げ切れる人なんて、いないはずなのに・・・」

おばさんの正体は気になったが、深追いは危険だということで、とりあえず四人は。沙夜香と夕里の家だという、一軒家へと到着した。


「色々あって、君達も疲れただろう。今日の所は、とりあえず、ゆっくり休め。

 明日になったら、私達が色々と説明して教えてやるからな」


沙夜香の提案に、加奈美と智花の姉妹は揃って賛成した。

確かに、色々あった。というか、現実では到底ありえないことばかり起こりすぎて、色々ありすぎて、

しかも分からない事だらけで、まだまだ混乱していた姉妹は、とにかく休みたかったのである。

その時。

夕里が、ぽん、と両手を合わせて、案を追加した。


「ねえねえ、これから皆で一緒にお風呂に入らない?この家には、ステキな浴場があるのよ」


姉妹は大きく頷いた。「入りたいです!」


沙夜香は断った。「私はいい。遠慮しておく」


だが、夕里がそれを許さなかった。

「ダメよお、新しい主様達との親交を深めるためにも、裸の付き合いは全員参加なの!」


沙夜香は動揺して声を上げた。

「ゆ、夕里! それは一体どういう理屈だ!?」


それから、しばらく後。

結局、夕里の強引さに逆らえなかった沙夜香は、三人と一緒に浴場にいた。


姉妹が感動する。「うわ~、大きなお風呂・・・」

夕里が誇らしげに、かなり分厚い胸を張った。

「どう?良いでしょう?」


そんな三人をよそに、沙夜香は、まず、自分のやたら長く美しい黒髪を短くまとめ、次に、暴力的といってもいいほどスタイルの良すぎる自らの体を、大きなバスタオルをきっちり巻き付けることで、どうにか隠そうとしていた。


浴場の広さとすばらしさに感動していた主人公姉妹は、次に、揃って、沙夜香の姿に見とれてしまう。


「はわ~、すごい・・・」

「ダイナマイトボディ・・・」

そんな感想を述べる姉妹に向かって、沙夜香は言った。

「そんなに、まじまじと見ないでくれ・・・居心地が悪い・・・」

沙夜香の顔が真っ赤なのは、浴場の熱気のせいだけではなかった。


夕里は苦笑する。

「相変わらず、沙夜香ちゃんは恥ずかしがり屋さんねえ、別に肌を見られてもいいじゃないの、減るものでもないし」


沙夜香は即座に言い返した。

「よくないぞ! いやらしい夕里と違って、私は慎み深いんだ!」


夕里が口を尖らせる。

「あらあ、何よお、その言い方ー!私がいやらしいですってえ?そんな事を言う沙夜香ちゃんなんて、こうしてあ・げ・る!」


言いながら、夕里は素早い手つきで沙夜香のバスタオルを奪い取ってしまった。




ハラリ・・・    ばるるんっ 




バスタオルが取れ、沙夜香の胸が大きく揺れて震えた。 




挿絵(By みてみん) 




姉妹は唖然として、黒髪の美少女守護精霊の一糸まとわぬ姿、彼女の、その神々しい裸身を凝視する。



数秒後、沙夜香の、意外なほど可愛い悲鳴が、浴場に響いた。

今回の挿絵は、「夕里のせいで、加奈美と智花に裸を見られてしまった、可哀そうな沙夜香」を

描いたものです。私の画力では、これが精一杯です。ご容赦ください(笑)

お風呂場にいるので、湯気が仕事をしています(笑)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ