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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがヤバすぎた。改訂版  作者: たまご
最終章 望む世界。

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第六十五話 エピローグ。

「よく来たのぅ」


 オパール王国に行くと、農耕神様がにこにことしながら出迎えてくれた。


「ルッコの実のジュース……です」


 ぎこちない様子でジュースを持ってきてくれたのは、〈さきみ〉の力を持つ少女ラーラだ。


 ラピスラズリの人々は元の場所に戻ったが、ラーラとその家族だけは農耕神様の神殿に残ったのだ。

 ラーラの力を利用しようとするものがいても、農耕神様の預かりとなればそう簡単に手出しはできない。


「のうこうしん様、明日はしもがおりるよ」


「そうか。では、皆に伝えねばのぅ」


 ラーラの〈さきみ〉の力と、農業を主体としたオパール王国は相性もいいようだ。


 うん、もう大丈夫だね。

 ラーラと農耕神様を見ながら、私は笑った。






「なんだい。殴り込みにいくなら、あたし達にも声をかけてくれればよかったのに」


 火山都市ガーネットに顔を出すと、サナが不服そうに口を尖らせた。

 火の神様からもらった魔炎石と合成した大鎌を燃やしてしまった話をすると、ナルシは頷いてみせた。


「大丈夫。《かあさん》も親父も、新しい武器を用意すると言って張り切っている」


 ほどほどでお願いします……。


「あ、そうだ。兄貴、来年の春に結婚が決まってさ」


 思わずナルシの顔を見ると、珍しく照れたような表情を浮かべている。


「つかさも猫達も、式に参加してほしい」


「もちろん!」


 ただ、よつばが食べ尽くさないか不安だが。


「ああ、うん」


「それが問題だな」


 三人で顔を見合わせて笑った。






 真珠国は祭りの準備の最中だった。


「なんのお祭り?」


「感謝と、それに鎮魂を……」


 どこか遠くを見ながら、お稲荷さんが静かに言った。


「来年には、御神体は神に成られます」


 その前の禊なのだそうだ。


「船はどうする?」


「……」


 お稲荷さんは少しの間無言だったが、やがて静かな声で言った。


「つかささんがお持ちください」


 我らにはもう必要のないものですから、と。

 その言葉を聞き、私は笑って頷いた。






「つかさ、蜜飴持ってる?」


 エルフ達の住む翡翠の森に行くと、挨拶もしないうちにみうがたずねてきた。


 今、エルフの間で蜜飴が空前の大ブームらしい。

 長達の中にはいい顔をしないものもいるらしいが。

 まぁ、でも、なんだかんだ言ってもエルフは食べたり飲んだりする事が好きだからな。

 いずれ、長達も喜んで麦酒を飲むようになるにちがいない。

 その様子を思い浮かべて、私は笑った。






 結局、元運命神の人魂もどきは海神様の預かりになったらしい。

 みっちりしごいてやる、と言って海神様は豪快に笑った。


「あ、そうだ。お前達に頼みたい事があったんだ」


「……なんでしょうか?」


 嫌な予感しかしないのはどうしてだろうな……。


「俺の知り合いが呪われているらしくてな」


 ああ、なんだ。

 それなら、よつばが〈解除〉すればすむ話だ。


「こことは違う大陸なんだけど、そいつ、そこで魔王をやっているんだよ」


「……」


 ここ以外にも大陸があったのか?

 本当の魔王が存在したのか?

 ていうか、魔王なのに呪われているのか?

 ダメだ、突っ込みどころが多すぎる……!


「それなら、あたしもちょいと頼みたい事があるんだけどねぇ」


 ミーコさんがころころと笑った。


「この間見てきた世界なんだけど、もうすぐ滅んじまいそうなんだよ」


 ちょちょいと止めてきておくれ、とミーコさんは言った。


 いや、ムリ言うな!

 どうやって異世界に行くんだよ!

 転生なんか、もうしないからな!!


「私はこの世界を冒険して、そのあとは畑のついた小さな家でのんびり老後を過ごすんです!」


 私の言葉を聞き、ミーコさん達は顔を見合わせた。


「言ってなかったのかい?」


「猫神こそ」


 いや、なんか本当に嫌な予感しかしないのだが?


「つかささんは不老不死とは言いませんが、すごーく長生きしますよ」


 は?

 女神様の言葉に私は首を傾げた。


「転生させる時に、あたしの魂の一部を分けたからねぇ」


 だから普通の人よりずっと寿命が長いのさ、と八本のしっぽを揺らしながらミーコさんはそう言った。


「……」


「だから、老後はずいぶん先の話になると思いますけど……」


 いや、聞いてませんけど!?


「ああ、猫達はあんたの使い魔だから同じだけ長生きするよ」


 猫達も長生きするのか。

 ……猫又になったりしないだろうな。

 しっぽが多い猫はミーコさんだけで十分だ。


 まぁ、でも。


 肩に乗った手のひらサイズのりゅうたろうが、私の顔に頭をこすり付けてきた。

 猫達が一緒なら、長生きでも別にいいか。

 りゅうたろうの頭を撫でながら、私は笑った。




                      完。



これにて完結です。

お楽しみいただけたでしょうか。




「猫さん達のために、評価などお願い……」


「キング、〈影魔法〉で操ろうとしない! よつばは〈魅了〉しない! くぅ、シンプルに脅すな!」




ありがとうございました!


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