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一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがヤバすぎた。改訂版  作者: たまご
第六章 消えた村。

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第四十三話 異変。

「今日はお休み!」


 ゴロゴロするぞー!

 週に二日ほど、ドラゴンちゃんのお散歩も兼ねた休日を設定している。


 何もない草原の真ん中にテントを張る。


「ドラゴンちゃん、行っておいで」


 ドラゴンちゃんが空高く舞い上がる。

 普段は無限収納の中だからな。

 キャットハウスにドラゴンちゃんサイズはさすがに入らないし。


「みんなも遊んでおいで」


 猫達も自由行動だ。

 くぅ。言っておくけど、ここら辺はドラゴンの生息範囲外だからね?

 めったに人も通らない場所を選んでいるので、猫達もドラゴンちゃんも気兼ねはいらない。

 そして、私は。


「ふふふふふ」


 女神様からお詫びの品として受け取ったルゥを使って、大量のカレーを作る事にした。

 こちらの世界にも辛い料理はあるが、まず香辛料が高価だ。

 なので、大抵は辛味のある野菜を入れたスープなどだ。


 でも、やっぱりあっちのカレーとかラーメンとか食べたくなるしな。

 インスタントラーメンももらったから明日はそれを食べよう。

 匂いがするから街の中では食べられないし。


 根菜とワイルドボアの肉を入れる。

 ボーショという芋を入れるとピンク色になってしまうから今回は見送る。


「あー、この匂い」


 たまらん。

 久しぶりのカレーの匂いにお腹が鳴る。

 カレーうどんもいいな。

 真珠国で買ったうどんもお米もある。


 デザートはどうしようかな。

 ビックサイズのバニラアイスがあるから、スカイビーの蜜とルッコのジャムをかけて食べよう。


 ご飯を食べたら、草原の中でこちらの世界の絵本でも読んで。

 夕焼けを眺めながら猫達の帰りを待とう。

 夜は星空の下でコーヒーを飲む。

 本当ならこんな生活をずっと続けていたいが、しばらくは無理そうだ。

 多分、街に戻ればまたギルドから依頼が入るだろうし。

 しかし、私の休日ってもしかして、ソロキャンプ……?





「また調査?」


 確かに私達向きの依頼ではあるが、最近やけに多い。

 たまに盗賊に襲われている事もあるが、ほとんどは魔物が近くの街道や森に現れて村から出られない、という状況だった。

 しかも、どこの国や街も同じような感じだ。

 もしかして、今の季節は魔物が出やすいとかあるのか……?


「そんな事はないんですけどね……」


 受付のお姉さんは渋い顔をしている。

 商業都市ターコイズに戻ってきたのだが、またしても調査の依頼が入った。


「ターコイズは登録している冒険者も多いですから、大抵は騒ぎになる前に魔物は駆除されるんです」


 なるほど。


「小さな村とはいえ、商売でここに出入りする人も多いですし」


 つまり、何らかの予兆があれば事前に分かるていう事だな。

 んー?

 突如として現れたという事は。


「どこかに強い魔物が現れて、今までいた場所を追われてきたとか?」


 ガーネットの噴火騒ぎの時に地下迷宮から魔物が逃げ出したから、環境の変化の可能性もあるな。


「多分、そんなところでしょうね」


 お姉さんはため息をついた。


「そちらの情報も集めていますので、何か気づいたらお願いします」


「分かった」


「あと、これは個人的なお願いなのですが……」


「ん?」


「ちょっとだけ、ちょっとだけでいいですから、猫さんを触らせてください!」


 いきなり、どうした……?


「ずっと忙しくて、帰っても寝るだけの日が続いていて……!」


 癒しが欲しいんですぅ! とお姉さんが叫ぶ。

 ……だいぶ疲れているな、これは。

 見れば、ほかの職員達もうん、うん、と力強く頷いている。

 あー、うん。


「チャビ、皆さんにモフられてきなさい」


「にゃお!」


 ちやほやされる分には全く苦にならないチャビが、ギルドの職員達の間を回って歩く。

 ……よつばは報酬がないと愛想振りまかないしな。


「チャビ、〈回復〉」


 チャビがごろごろとのどを鳴らし始めた。

 まぁ、これはサービスって事で。

 寝ない程度に回復してさしあげなさい。


 だが、昨日、一日のんびり過ごしてきた事は言わない方がよさそうだ……。






 幾つかの依頼を終え、いつものようにギルドに顔を出したが今日は急ぎの依頼はないらしい。

 じゃあ、予定を変更して買い出しにでも行くかな。


 商業都市といわれているだけはあり、ターコイズで手に入らない品物はない。

 真珠国やエルフの住む翡翠の森でしか入手が出来ない物でも何とか買える。

 大手の商会では転移用の魔方陣や氷魔法を使い、品物を新鮮なまま運んでくる。


 屋台も半端な数ではない。

 食べ物から衣類、手製の護符など何でも売っているのだ。

 ぷうん、とお腹がすく匂いが漂ってくる。

 何か食べようかな。

 ん?

 女神様との連絡用のスマホが鳴った。

 人のいない所に移動してかけ直す。


「どうしたの?」


 まさか、またどっかの神様の呼び出しじゃないだろうな。


『あ、あの、ラピスラズリが……』


 ラピスラズリ。

 結界を張った中でひっそりと暮らしている村だ。

 未来が見える〈さきみ〉の少女、ラーラが住んでいる。

 猫達を探している途中で、村を守る結界を〈解除〉してしまい、女神様にかけ直してもらった。

 その時、女神様の加護がある猫の置物を渡した。

 その置物を通せばいつでも女神様に助けを求められる。

 もっとも、村の人達は日々の祈りを捧げるだけだったらしいが。


『連絡が取れないんです!』


「女神様、落ち着いて」


『昨日から祈りも届いていませんし、こちらから呼びかけても答えが返ってこないんです……』


「……」


 返事がないという事は……。

 私はきりっと唇を噛みしめた。

 最近、魔物に襲われる村が増えていた。

 ラピスラズリには結界があるから大丈夫だとは思うが、最悪の場合も考えられる。


「今から行って見てくる」


『つかささんも猫さん達も、気をつけてくださいね』


「うん」


 キングの〈空間転移〉でラピスラズリの近くに移動した。


「……何だ、これ」


 村は真っ黒な霧で覆われていた。

 濃い黒い霧で、向こう側は何も見えない。


「よつば、〈解除〉」


「うぅぅ」


 よつばが短く唸った。

 毛が膨らんで、いつもよりさらに大きくもふもふになっている。

〈解除〉できない……?


 私が古代神語を覚えたから、今まで出来なかったものも〈解除〉出来るようになったはずなのに。

 それに、食べ物がからんだ時以外、よつばがこんな風に唸る事はなかった。


「この霧、何なんだ……?」




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